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わばわばの季節

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わばわばの季節

なんでそんなことするの?
泣きながら言うなよ

弁当ベトベト形もないね
女の子の目玉を抉るよ意味も無く
赤い涙を流しながら彼女は
「楽しかったですか?」
と聞いてきた。

媚びたような顔やめろよ
恐怖が滲み出てんよ
なんでそんなに好きなの
俺は嫌いだよ
信用できないよ
趣味悪いよ
幸せになれないよ

ビルの上行こっか
君が飛ぶなら飛ぶよ
飛ぶのやめようよ
ごめんなって悲しまないで
本当はどうでもいいんだ
あの電灯どうなってんの
いや何かを言いたいわけじゃないんだ
言葉は伝えるためのものなんだ
俺が無口なのは伝えたいことがないからなんだ

正確には恨みしかないよ
君たちには恨みしかないよ
そんなこと伝える意味ないでしょ
君が俺のこと愛してるの知ってるよ
信じてないよ
恨みはいくらでも言えるよ
言ってもいいって言う君の言葉信じてないよ
君の自己評価高いよ
これ以上嫌われたくないよ
嫌ってないって信じてないよ
なんでそんなことできるか不思議だよ
こんな俺についてくるのやめなよ
信じられないよ
自己評価高いよ
嫌だって言う俺の言葉信じてないの
嫌だよ
これから好きになるって思い込む君の自己評価高いよ
無理なものは無理だよ
説明は嫌味のように君の心に響くと思うよ
恨みだからだよ
説明なんてしたいと思ってないのにさせられるのならそれには恨みしかないよ
教えてあげるよ

君は今まで誰にも嫌われたことないから俺にそんな距離感で来られるんだそして今拒絶されてもいつか好きになってもらえると言う肥大した自己評価ゆえに俺を追い詰めるんだそしてそれは客観的な事実として正しいが故にそれを受け入れない俺が悪いと皆に周知させているんだそれに君がそんな距離感で好きだのと口にしてみせるけど普通拒否されるのは怖いんだ俺の拒否になんの嫌悪感も抱かないのは俺に価値を感じてないからなんだ俺の意見なんてなんとも思ってないんだろだからそんなふうに詰めて来れるんだ本当に心の底から好きなら嫌われることに対する恐怖があるから慎重にならざるを得ないんだ君はそうやって全てを得てきたんだろ好きも嫌いも別の人間と消費してきたくせに俺も同じように行くと思うなよ無価値な人間と同じだと思うなよなんの価値もないのは君でそんな無価値な好意を押し付けてくるなよ死んでしまえばいいのにな他人の気持ちも考えられない人なんて君は俺を追い詰めることで俺が死ぬと言う想像できなかったのか俺はしてたし今こうやって喋ってるのもあまりにしつこいからしょうがなく説明してるだけで恨みを言葉にしてるだけでそうじゃなかったら一生心から外には出さなかったしそれは君を傷つけたくなかったからだ無意味な摩擦は嫌いなんだ嫌われたくなんてないんだ君は俺に嫌われてるけどその意味がわかってないよねそれは俺が他のやつとは違うからだよ他のやつなら君の好意を悩みなく受け入れたのにねでもそれはどうでもいいからだよもしそれが嘘でも少し残念と思ってその後も人生が続いていくからだよ俺は好きになったらもう駄目だよ冗談なんかで生きられないよ君のこと信じられないよそれは君が他の何も信じてないし本気にしてないし多少嫌われても気にしないのは君が全てを無価値にしているからだろ俺はそうなりたくないから君に近づかないで欲しいんだ無価値なのは君と君の周り半径二十メートル以内であって欲しいんだこの説明でわかってくれたかなわかってくれなくてもいいし多分本気でわかることなんてないんだろう俺と君たちとでは正反対に違うんだ本当にもうさようなら目玉抉ったの悪かったよ
もう二度としないよ

そんな媚びた目で見ないでよ
もう怒ってないよ
なんでそんな目で見るんだよ
嫌いだと言っただろ
無価値にしないでくれ
俺を無価値にしないでくれ
君だけにしてくれ
もう片方も抉るぞ
何も見えなくなるぞ
その笑顔なんだよ
何もないくせに
愛なんて何も知らないくせに
俺に聞くなよ
俺に聞くなよ
もうやめろよ
俺は無価値じゃないなんて言わないよ
でも君ほどじゃないよ
必死に生きているんだよ
言葉は嫌いだ
伝えたいことなんてないんだ
好きなんて言うなよ
伝えたいことってなんだよ
無価値だよ
無価値だ
なんの意味もない
無価値だよ
無価値だ
なんだその目は
6

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