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第二回

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ミステリー作家と一口に言っても多種多様だ。
メフィスト賞を例にあげて細分化されたジャンルにいくつか触れたい。
講談社のメフィスト賞出身の作家はメフィスト系と呼ばれ、森博嗣や西尾維新、辻村深月などが出身である。京極夏彦の持ち込みによって創設された賞であり、私がお気に入りの賞でもある。


京極夏彦は妖怪などが書かれるオカルト・伝奇系を多く執筆しており、デビュー作「姑獲鳥の夏」にも陰陽師や超能力者が登場する。

森博嗣が第一回メフィスト賞を受賞した「すべてがFになる」は、理系ミステリの代名詞と呼ばれ、クローズドサークルが舞台である。著者は名古屋大学工学部の元助教授ということもあり、ロジカルで無駄のない文体と主人公の思考・行動は読んでいて気持ちが良い。

蘇部健一の第三回受賞作「六枚のとんかつ」は不条理・ギャグ・下ネタなどを主題に置いた、所謂バカミスと呼ばれるジャンルである。かなり賛否両論であるが、一度は読んでみる価値はあるかもしれない。

第二十三回にて「クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言使い」でデビューした西尾維新はライトノベル作家にカテゴライズされることも多い。アニメ化された作品は多数。

第四十七回で受賞した周木律「眼球堂の殺人」は館ものにカテゴライズされる。館ものとはその名の通り古城や屋敷などが舞台となるミステリーであり、メフィスト賞作家ではないが綾辻行人がその道で有名である。

第五十八回で受賞した名倉編「異セカイ系」はSFミステリーであり、著者はゲンロン大森望SF創作講座出身だ。文体がやや特殊なので、少し読みづらいかもしれない。


ここで触れたジャンルはミステリーの中でもごく一部であり、実際のミステリー小説はいくつかの要素の複合であることがよくあるので純然なカテゴライズは難しい。バカミスやオカルトも存在自体は許容できるが、私が書きたいのは理系ミステリ、もしくはそれに準ずるミステリーの中でもひときわ論理的なジャンルである。なぜなら論理が好きだからだ。ミステリージャンルにも論理性を求めるのは自然である。

しかしミステリー小説を構成する要素のうち必要不可欠なものは論理だけではない。リアリティが必要である。

江戸時代を舞台にしてもいい。魔法が使える世界でもいい。しかしそこには必ずリアリティがなければならない。リアリティの欠如は違和感として残り、それは意図したものでなければ小説としての失敗を意味すると私は考えている。

そして私は一つ、ミステリーにおいて最大のリアリティを欲する要素があるのだ。

(次回へ続く)
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