22・お仕事チュウ!!(1/2)
出版準備で忙しくなるのでポスティングのアルバイトは一時休職にしてもらった。
新都社のコメ返も「諸々落ち着くまでしばらくお待ち下さい」と書いて中断しているが、それでもありがたいことに相変わらず『雲海のフーガ』へのコメントであふれ返っている……大変そうだけど必ずちゃんと返さなきゃ……
先ずは出版用に文章の見直しをして、エリナと話し合って挿絵や設定等を決めなければならない。
一応9時からお昼休み1時間を挟んで夕方5時までを仕事の時間にあてる事にした。
早速9時前にエリナが iPod など道具一式を抱え隣部屋からやってきた。
僕はエリナが座ると同時に
「仕事の前に言っておきたい事があるんだ」と切り出した。
「なに何ナニ? ?
昨日のLINEの感想??」
「そうだよ!あんな写真を送るのやめてくれないかな」
エリナはLINEでほぼ10分おきに自撮り画像を送ってくる。
お風呂に入る前の下着姿、湯船に浸かっている姿、全裸に泡ビキニの姿、風呂上がりのバスタオル一枚の姿、手ブラでベッドに横たわる姿……などなど
「だって夜遊びに行こうとしたら鍵かけて入れてくれないし!
あたしを常に意識していて欲しいからいっぱい送ったの!
いいね ムッハー♪とか、セクスィだょ↑とか感想聞かせて欲しいのに」
「寝る前にあんなの見せられたら妙な気分になるから止めてよ」
「妙な気分?じゃ使ってくれた!?」
「使うって汗……削除したよ。昨日みたいに職質されてもし見つかったら言い訳できないよ!!エリナはまだ未成年なんだし」
「Vad gör du! 何てこと!」
「それに共同創作者だから公私混同するような関係は良くないと思うんだ。
せめて『暁のファンファーレ』出版まではちゃんと公私を分けたいんだ」
エリナはジト目で
「ふーん……あっそ! じゃ先生にとってはあたしは便利なお絵かきマシーン、単なるビジネスパートナーなんだ」と頬を膨らます……う、めちゃくちゃ可愛い。
「いや、そんな事は思ってないよ。
憧れの神絵師ウサロック先生と、素敵な美少女エリナさんとは今は分けて考えたいの。
ね、拗ねないでこの気持ち分かってくれないかな?」
エリナはツンと澄ました顔で
「拗ねてませんよ。そうですか、じゃ、お仕事しましょうか」と素っ気なく言う。
「はい……(ケイゴ)」
「でレレビアの服のデザインどうします?」
「うん、詳細を起こすから待って」
僕は服のデザインをイメージしてなるべく事細かに書いて渡す。
するとエリナはiPadにペンを走らせたちまちのうちに見事な設定画を描きあげる。
僕のイメージから外れる事はまず無い、本当に大切な共同創作者様だ。
こんなすごい人…絶対に出会えないよ。
こうして次から次へと設定が出来てゆき、それに触発されてイメージがどんどん膨らんでゆく。
エリナは作業の手を止めると
「ふぅ、何か暑い」と言って立ち上がり、紺のワンピースを大胆に脱いだ。
体には純白の紐ビキニのみ……
「エ、エリナ……な、何をなさる?」
「白人種はメラニン色素が薄いから、こうやって隙あらば日光浴してビタミンDを作らないといけないんです。
北欧では皆こうしてますの」
「こ……ここ日本だし……め、目のやり場に困るょ……」
「じゃビタミンD不足で倒れろとでもと?」
「エ……イエ」
「こうして絵を描けば時短になります。欧米では常にタイム・イズ・マネーで合理的に動いてますの」
「水着はまだ寒いでしょ…何か軽く羽織るとか」
「北欧育ちは寒さの感覚が違いますの」
そ、そうですか……
エリナの白い肌が陽光に照らされて光輝いて見える……まさに妖精さんだ。
そして前屈みになって絵を描いているとブラに包まれてツンと飛び出したお胸に目を奪われ……
エリナは
「あーさすがに疲れましたわ、休憩QKきゅーけい」と言って 立ち上がり僕のベッドにゴロリと仰向けになり目を瞑る。
ふぅ……助かった、あのままでは理性がヤバくて作業が全然進まない。
エリナが休んでいる間は文章のチェックに集中した。
静かに時が流れる。
ピーヒョロロロ
ブロロロ
ワンワン
カァーカァー
エリナが横になったまま
「ちょっと……先生……何をなさってますの?」と言う。
「何って……文章の直しだよ」
「そうじゃなくて、ふつう美少女が横になって目を瞑ってたら、寝たかなー?って様子を見て、よーし寝てる!とか言って軽くチュッとかするものでしょ?」
「?北欧ではそうなの?」
「ここ日本でしょ!
日本人の生活文脈の話しをしてますの!!別マで読みましたわ」
「それ漫画の話……?」
「でも実録恋愛って書いてたし!!」
「…………」
ピーヒョロロロ