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A-一話「真珠湾攻撃」

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世の中理不尽と不公平で塗れている
そんな事に気づいたのはまだ年もいかない五歳のころだ
楽しみに残していたアイスを姉に盗られ大喧嘩、それに気づいた母親が止めに入り
最終的に俺が弟んだからという理由で我慢する事となった
とにかくこの世の中理不尽だ、不公平だ、何度天に祈ったかわからない

もう一度言う、この世は理不尽で不公平だ


『あぢぃーーーーーーーーーーーー!!!!!』
狭く、それにて漫画やらCDやらよくわからない物で占拠されている部屋、
叫んでみても状況が良くなるはずがない事ぐらい俺も知っている。

朝だ、夏だ、真夏日だ、日本には四季があるからこれは納得しよう
太陽が毎日欠かさず西からやってくのも彼の義務だと思い納得する
地球温暖化やらなんやらは知らんがそれも言わずと納得しとこう
ついでに俺が勉強しないから成績か悪いのも自覚している

だがしかし、しかしかし。

何故…、俺の部屋には…、扇風機すらついてないのだ!!!
妹の部屋にはクーラーはもちろん最新のPCに妙に高そうなコンボ、
薄型テレビ数えたら切が無いほどの優遇、最近はめっきり入らせてくれないが
入るたびに親に殺意と屈辱感を覚える、

せめて妹の性格が悪いなら悪態をつきようもあるのだが、
絵に描いたようなお兄ちゃん大好きっ子で、お兄ちゃんはもう毎日色々なものと戦ってます、
主に理性と本能が。

いささかシスコンの気があるのは否めないが、
妹に罪は無い、罪があるとしたらこんな目にあわせている馬鹿親だ。
そんな馬鹿親は海外に出稼ぎに行ってめったに帰ってこない、
妹と二人っきりと言えばちょっと嬉しくないわけでもないが
毎日のように奇襲してくる某姉がいるので実質三人暮らしのようなものだ
忌々しい…。

気がつけば、お嫁に出したくない妹がそろそろ俺を起こしにくる時間だ
このイベントは毎回俺に一日の活力をくれる…、
まぁ姉によって搾取されるから+-0で総合清算したら赤字だ

トントン…控えめにドアを叩く音と共にこれまた控えめな声で
「兄さん、朝です起きてください…」

あぁ、起きてるともさ、このクソ暑いのと湿気での不愉快指数がブッチギリ100%だ、
しかしそれでも俺は起き上がらない、妹=優しく起こしてくれるイベントを回収せねば

「兄さん、起きないと姉さまに食べられてしまいますよ、ですから早く起きてください…」
なに!?、それはいささか困る、イベントの方をとるかそれとも朝食の方をとるか…
「そうそう、早く起きないと食べちゃうぞ」
不意に背後から声が聞こえた……、まてまて、いやしかしこの背中に押し付けられる柔らかい物はやはり…、
「んん?、反応がないなぁ…って事は食べていいって事だよねぇ、んじゃ遠慮なく…いただきまーす」
『って、普通に襲うなぁぁぁああああ』
背中からまわされた腕を振り解き何とか布団の中から脱出をしようとするが
今度は細くスラリと長い足にガッチリつかまれてしまった
「まぁまぁ落ち着きなさいって」
そう言いながら服の中で手を滑りこませていく、スベスベとした手の感触が気持ちいい…
『じゃなくて、何で俺の布団の中にいんだよっ!!』
「いや~普通に起こしても面白くないかなと思ってさ、ほら風流もお年頃だしねぇ」
といって男子特有の朝の現象を指差しながら軽快に笑う、

『いや起こしにこなくいいいから、と言うより早く離してくれ』
「え、何で?」
いや何でと言われましても、離してもらわなければ布団から出られないわけでありまして
「しないの?」
『なにをですか?』
「だからナニを」

バギャンっ!!!

部屋が震撼した、
どうやら妹がドアをぶち破り突入してきたようだ、
「ねねねねね姉さまとええええええっちな事なんてわわ私が許しませんっ!!」
そんな真っ赤な顔で言われても迫力なんてありません、でもとても満足です。

「や~美紀オハヨー悪いんだけどあともう二三時間起こしにくるの待ってくれないかな?」
ヤバイ、このままでは本格的に犯られてしまう、動こうにもガッチリと関節を締められ動けない
助けてくれ妹よ、

「そ、そんなっ!!ににに兄さんなんかより私の方が絶対抱き心地がいいはずです!!」
何故かそんな事をマイシスターは興奮気味で熱く語りだした、
ソレに対して姉君は困った様子も無く軽やかに笑っていた。

『ハァ・・・』
朝一のため息がでる、
依然と姉君は解放してくれるつもりはないようだ、
妹は妹で紅くなりながら姉に《よくわからない》事を口走っている、
そんな妹を見て自分は萌えている・・・、

再々言う、世の中は理不尽で不公平だ。
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文-「網駄目歩」挿絵-「桐霧」 先生に励ましのお便りを送ろう!!

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