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「災厄襲来」作:ゴルドプ

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惑星ニーテリア、そこに住む多種多様な種族が創り上げた文明は滅亡の危機に瀕していた。
宇宙から飛来した二つの災厄、「タイヨウ」と「キタカゼ」の無差別破壊によるものである。
恒星と似た性質を持ち、灼熱と放射線ですべてを焼き尽くすタイヨウは骨大陸を。
実体を持たず、魔力の風が生き物の様に動きすべてを吹き飛ばし切り刻むキタカゼはSHW大陸を。
それぞれ徹底的に破壊していった。
二つの災厄は明らかに意思を…悪意を持って知的生命体とその創造物を狙って破壊し、文明はその圧倒的な力になすすべを持っていない。

惑星ニーテリアにある大陸は四つ、科学文明が発展した骨大陸、商業が発展したSHW大陸、魔法が発展したアルフヘイム大陸、そしてミシュガルド大陸だ。
アルフヘイム大陸は過去に起きた大戦で破壊されており、資源の大半を失っている。
残ったのはミシュガルド大陸、つい最近発見された未知の大陸で、多くの危険、脅威をはらんでいたが、災厄と大戦で住居を失った人々は安住の地を求め、次々とミシュガルド大陸へと渡っていった。
だが、タイヨウとキタカゼがミシュガルド大陸へと渡ってくるのは時間の問題と見られており、人々は圧倒的な恐怖にただただおびえる日々を送っている。

ここにメン・ボウというダークエルフの少女がいた。
ある日彼女は不思議な夢を見る、それはどこかの荒野で巨大な岩を眺めている夢だ。
なんだこれはと思っていると、今度は青々とした草原に場面が変わり、少しノイズが走った後、最後に洞窟が現れて夢は終わる。

メン・ボウは普段はトレジャーハンターもどきな事をして生計を立てているが、元々は自然との調和を図って生きてきたダークエルフの出でだ。
なので、神性や精霊の類をなんとなく感じる事ができるのであるが、そのダークエルフの感性があの夢からなんらかの神性を感じ取っている。
気になったメン・ボウはそれらしい土地がミシュガルドに無いか調べたところ、あるにはあったがそれらは簡単に行けるところでは無かった。
…のだが、最後の一か所、洞窟は割と簡単に見つける事ができた。

タイヨウとキタカゼによる二大大陸の破壊によってニーテリアの精霊や神性は大きく揺らいでしまっている。
それらの存在がタイヨウとキタカゼを滅するために何かしかの対処をするために自分へコンタクトをとってきたのではないかとメン・ボウは推測した。
しかし、なぜ自分なのだろうか?

(おっぱいだな、多分)

惑星ニーテリアを取り巻く神性は助平が多い。
それにしたってちょっと強引な理由ではないかと思うが、とりあえずメン・ボウはその考えで納得し、一路夢の洞窟へと向かった。



一方、何かを感じ取ったタイヨウは骨大陸最大の国家である甲皇国を蹴散らすのを止め、進路をミシュガルドへ変更する。
同じくSHWが世界中から呼び寄せた魔法使いによる結界を破壊し、周囲のすべてを吹き飛ばしていたキタカゼも一方的な戦いを止めてミシュガルドを目指し始めた。



街を出て半日ほど歩いたメン・ボウはついに目的の洞窟へたどり着く。
中を伺っても暗くて何も見えない。
メン・ボウは松明をつけると、慎重に洞窟内へと足を踏み入れた。
何もないが奥行だけはある入り組んだ洞窟、その闇の中を進むメン・ボウ。
そして入り口が見えなくなったところまで進むと、突然彼女の足元が急にパッと開く。

「は!?」

突然の事に抵抗する間もなく、メン・ボウは奈落の底へと落ちていくのだった…。



カーリ・マータは割かし人類の事を気に入っている神である。
だから人類が突然現れた外来種なんぞに滅ぼされる事はよしとしない。
しかしカーリ・マータは最後に自らが信仰されていた地に縛られ、自分から外来種を叩き潰しに行く事はできなかった。
なので夢で人間に情報を与えて自身の代理となりうる者を復活させ、そいつに外来種との戦いを任せようとしたのだ、が…。

悪い事にこの星に来た外来種は2体だけではなかったようである。
カーリ・マータの送った情報は偽装され、人間はのこのこと外来種の下へと行ってしまった。
カーリ・マータの送る情報を正確に受信できる体質の人間はそう多くなく、そしてカーリ・マータにはそういった人間を発見する方法が乏しい。
万事休すか、と、カーリ・マータは肩を落とした。
次の文明、次の人類が現れて、自分を信仰してくれるのを待つしかないらしい。



「ひ、ひぎいいいいいいいいいいいいいい♡♡いぎゅうううううううううううううううう!!???♡♡」

突如股間から打ち付けられた暴力的な快感に、メン・ボウの意識は復活した。
何か触手の様な物が自身の膣に入れられ、激しくピストン運動をしている。
そして触手が上下に動く度、メン・ボウの体を火花の様な快感が駆け巡っていく。

「にゃに♡!?にゃにごれええええええええええええええええ♡♡」

状況を詳しく把握する事も叶わない暴力的な快感の嵐。
音が、光が、その空間にある全てがメン・ボウに性的な快感を与え、バチンバチンと何度も何度も絶頂させていく。

そいつの名はヌグという。
タイヨウ、キタカゼと共にこの星に降り立った第三の災厄だ。
ヌグはこの星を自分の作った命で溢れさせようとしている。
その為に雌が必要だったのだが、ヌグは好みとこだわりが強い、最初のひとりは自分の好みの雌にしたかった。
なのでタイヨウ、キタカゼよりも活性化するのが遅かったのである。
そして、さんざん迷っていたら何やらこの星にいる邪魔な何かのテレパシーを察知し、追跡してみた所おっぱいが大きい好みの娘だったのでそれを最初の雌にする事にして、自分の下へおびき寄せたのだ。

「んっんぎいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい♡♡」

抗えない快楽と絶頂の爆発で脳を壊され、泡を吹き、股間から潮を吹いて悶絶するメン・ボウ。
彼女の膣や子宮はつくりかえられヌグの子を産めるようにされてしまう。

「ぎ、ぎひいいいいいいいいいいいいいいいいいん♡」

メン・ボウの子宮を犯す触手からどぶりと白い液体が吹き出した。
彼女に最初の命が宿る。



タイヨウの熱線が甲皇国の作った石造りの砦を焼いていく。
ミシュガルド大陸にたどり着いたタイヨウは、まず甲皇国がミシュガルドに送った調査隊の陣地を襲っていた。
戦闘機や大砲の迎撃は爆弾も砲弾も精密に迎撃できる太陽の熱線の前には無力であり、容赦のない破壊が続いている。
同じくキタカゼはアルフヘイムのアーミーキャンプを襲っていた。
巨大な竜巻のようになったキタカゼは飛竜も亜人も家畜もモンスターも関係なく吸い上げ、切り刻む。
封印の呪文や攻撃魔術が何度も何度も攻撃しているが、実体のないキタカゼが相手ではその体を素通りするばかりで効果は見られない。
メン・ボウがヌグに捕らえられ、三日ほどが経過していた。
タイヨウ、キタカゼはカーリ・マータのテレパシーを傍受したヌグからこの地に自分たちに抗いうる存在がいる旨を伝えられ、それを叩くためにこの大陸へと渡ってきたのである。
やがて甲皇国とアルフヘイムの軍勢を壊滅させたタイヨウとキタカゼはヌグの下へ向かう。
万全の体制、三対一で自分たちに対抗しうる存在、カーリ・マータを倒すためだ。

だが、ヌグの下へ到着したタイヨウとキタカゼは驚愕する。
自分たちと同等の力を持つはずの存在、ヌグが、その真っ白い触手の塊の体を両断、焼却されて滅びつつあったからだ。
そしてタイヨウとキタカゼは見た、ヌグを踏みつけ、おっぱいの大きいダークエルフを手に守る、黒い機械の巨人の姿を。



ヌグにより凌辱されたメン・ボウはクリーチャーを産み落としてしまう。
産まれたクリーチャーはヌグの意思を受け、外界で暴れ狂うはずだった、が、ヌグは一つ誤算をしていた。
ヌグがメン・ボウに産ませたクリーチャーはカーリ・マータのテレパシーの感度が高すぎたのだ。
それはメン・ボウの因子とヌグの因子が複雑に絡み合ったが故の奇跡である。
そして感度が高すぎるがゆえにクリーチャーはカーリ・マータに操られてしまう。
操られたクリーチャーはその強靭な身体能力を持ってヌグの下からメン・ボウを救出し、彼女を連れてカーリ・マータの呼ぶ地を目指した。
追いすがるヌグだったが、ヌグよりもクリーチャーの方が早くカーリ・マータの下へと到着する。
カーリ・マータの神通力でメン・ボウを回復させ、彼女が夢で見た岩を操作させた。。
そして、それが蘇る。
古代ミシュガルド文明が量産した、宇宙からの災厄に対抗する機甲闘人。
その名も、ブシンラインが!



核兵器も超魔法も効かないはずのヌグを倒して見せたブシンラインに、タイヨウとキタカゼは脅威を感じた、が、タイヨウとキタカゼには勝算があった。
ブシンラインは一機、こちらは二つの災厄だ。
各々多少力が劣っていたとしても、数の力で勝つ事ができると。
が、その目論見はご破算となる。

カーリ・マータが加勢したからだ。

ブシンラインに集中していたキタカゼに背後からカーリ・マータが襲い掛かる。
実体を持たないキタカゼだったが、それはカーリ・マータも同じ事。
カーリ・マータはキタカゼを侵食し、その思考を吸収し始める。
そのタイミングでブシンラインがメン・ボウを地上に下ろし、腕に光の剣を出現させてタイヨウへと切りかかった。
渾身の熱線で迎え撃つタイヨウだったが、ブシンラインの装甲が融解するよりも、タイヨウが切り裂かれる方が早い。
ブシンラインはタイヨウを一太刀で両断し、無散させた。
同時、カーリ・マータもキタカゼを吸収し、消滅させる。
ニーテリアを襲う危機が消えた瞬間だった。



戦いが終わり、ブシンラインは荒野に戻って再び眠りにつき、カーリ・マータは草原にてまた開拓者を待つ。
後に残されたメン・ボウは溜息を一つ、自らの矮小さを痛感するのだった。
そんなメン・ボウの肩を叩き、慰めるクリーチャー。
一応息子なわけだから、養わねばならないのだろうか?
そんな疑問はおそらく、ニーテリア規模で見れば些細な事なのだろう。
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