とあるエロフィギュアに一目惚れしました。
でももうどこにも売ってないやつでした。
x.comで所有者のアカウントを片っ端からフォローしました。
くる日もくる日もその子の写真で抜いてました。
複数サイトにメールを登録して再入荷があればお知らせしてもらえるようにして、
メルカリ、ヤフオク、駿河屋……のタブを常に開いておいて、
毎日何回も更新ボタンを押してました。
それが2、3週間続きました。
たまらなくなってメーカーさんに再販希望のメールを出しました。
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ご担当者 さま
お世話になっております。いつもクオリティの高いフィギュアを提供してくださりありがとうございます。（メーカー）様の「（商品名）」ですが、一目惚れいたしました。ですが、時すでに遅く、どこのサイトでも売り切れとなっており、中古市場を探してもなく、とても切ない思いでおります。運がなかったことが悪いのですが、これから手に入るとしても、誰かに触れられたものであることはたまらなく悔しく、やりきれないです。色々な事情があることかと察せられますが、もしも叶うならば、「（商品名）」の再販を強く希望いたします。長くなりまして申し訳ございません。何卒よろしくお願いいたします。
（本名）
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返事は来ませんでした。
この失恋の痛みのために、友達に話を聞いてもらいました。
「僕が恋をしたのはこの子だよ」って、
過去にヤフオクでその子が出品された時のページを友達に見せました。
そしてふと、出品者の情報は見ていなかったことに気づきました。
リンクを踏んだら、
なんと、
いま現在もその子が出品されていました。
実はヤフオクの普通の検索条件ではエロ商品がヒットしないようになっていたのです。
カテゴリを「アダルト」にして検索すると、他にも出品があり、合計2件出ていました。
僕は、どちらも新品未開封だし10万円以上出費してどちらも買おうと思いました。
恋した相手だからです。（妻になんて言うかは決めていません。今も……）
とりあえず現在価格が安い方に入札して3万円で最高額入札者になりました。
その時、メールが1通届きました。
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（本名） 様
大変お世話になっております。
（メーカー）でございます。
お問い合わせいただきましてありがとうございます。
弊社製品中でも大変ご好評を頂いた製品でして、社内でも再販若しくはスケールアップが出来ないか検討をしております。
現時点でスケジュール等をお伝えが出来ず誠に申し訳ございません。
決定いたしましたら公式Xアカウント等にて発表致しますので、ご確認いただけますと幸いでございます。
他にご質問等ございましたら、お気軽にお問い合わせ頂けますと幸いです。
用件のみにて恐縮ではございますが、
今後とも（メーカー）を宜しくお願い致します。
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嬉しくて小便が漏れました。
待つこと実に1週間です。
嬉しいニュースは同時に来ます。
ただし、嬉しくても迷ってしまうことはあります。
今の出品されたものを買わず再販を待つかどうかです。
そこで再び迷ってしまい、x.comであらかじめ接触しておいたエロフィギュア界の重鎮に相談しました。
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僕：
「こんばんは！」
重鎮：
「どうしたんだ？」
僕：
「突然すみません。相談に乗って欲しいことがありまして。」
重鎮：
「内容によるが，私で良いのか？」
僕：
「はい……」
「（メーカー）様の「（商品名）」という商品なんですが、
メーカー様に再販希望をお伝えしたところこうお返事が返ってきたんです：」
（再販検討中とのメーカー様のメールを引用）
「中古市場では5万円でやりとりされているものであり、
今の時点でこれを買っておくべきか、
またはこのメールの内容にかけて、再販を待つか。
それを悩んでいるんです。（重鎮）様ならどうされますか？」
重鎮：
「（その子の画像）」
「この子のことで間違いない？」
僕：
「はい」
重鎮：
「５万円の価値はないです。写真で見ればすごく良さそうに見えますが，局部の作りは甘いし，全体的な演出も３Dプリンタによる制約で，台無しになっている部分が多いです。自分だけ買って他人に勧めないのはずるいとお考えでしょうが，私はここのメーカーに手ひどく痛めつけられているので，信用していないのです。例えば，合格点をつけたこの子をスケールダウンさせた１／６や１／８が販売されたら間違いなく不合格品です。３Dプリンタの造形表現は１／４スケールでのみ合格水準に達する特性があり，この子は運が良かっただけです。５万円の価値はないと断言できます。むしろ，ここのメーカーは後から出るシリーズに期待すべきです。」
「（他のフィギュアの販売サイトのリンク）」
「私が今予約している子ですが，この子は『（商品名）』の後継シリーズなので，出来は間違いなく良くなるはずです。３Dプリンタには特性があってポーズによっては成形痕がどうしても消えないレベルで発生します。今，私が購入している子たちは，メーカーが試作品として製造しているモノであって，どのポーズが安く，良い造形で，成形痕ができないようにできるかのデータを収集している段階です。その実験につきあうか覚悟があれば，止めませんが，どう考えてもその資金でPVC製の間違いない微乳たちを買う方がお得です。この子の魅力は，次のシリーズで必ず超えてきます。５万円あれば２人もお迎えできますよ。というのが私の感想と意見です。」
僕：
「ご回答いただきましてありがとうございます。大変参考になりました。確かに、（メーカー）様はなかなか悪名高いというか、ネットで商品に対する低評価をよく見ました。しかし、データを集めて改善されていく今後の商品に期待できるのですね。今回は中古や転売価格のものは諦めて、再販されればラッキーということで、今後の動向を追いたいと思います。間違いない微乳を」
重鎮：
「（ニッコリした絵文字）」
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というわけで、再販を待つことに分があることが分かりました。
ただし僕はこの子に恋をしているので、この子じゃなきゃダメなわけで、
後継シリーズの造形のいいフィギュアを買っても幸せになれないと思いました。
なので現実的な落とし所として、5万円未満で落札しようと。
そう思っていたとき、メーカー様からもう1通届きました。
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（本名）様
大変お世話になっております。
（メーカー）でございます。
昨日のご連絡にて検討段階とお伝えしておりましたが、先ほど製造工場より1/3スケールでの製造可能の報告と
実物サイズの原型が届きました。
現時点で過去サイズの再販は未定ですが、取り急ぎご報告させていただきました。
近日中にX等で発表致しますので、合わせてご確認いただけますと幸いでございます。
何卒よろしくお願い申し上げます。
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嬉しくてウンコが漏れました。
再販、いや、今まで1/4スケールと1/6スケールしかなかったのに、
より大きな1/3スケールが市場に出る可能性が濃厚になってきたのです。
それがわかったので、1/3だけ買うことを心に決めました。
なので、今4万円で競り合っていたオークションはもう僕が負けることにしました。
それを友達に言ったら
「お前それインサイダー取引だよ」
と言われました。