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本の中の大きなペニス

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 松田優作主演「探偵物語」第五話「夜汽車で来たあいつ」に、若き日の水谷豊が出ていた。ドラマ放映は1979~1980年。当時の年齢では松田優作30歳、水谷豊27歳。改めて水谷豊のプロフィールを見ると、今年で72歳になるそうだ。妻が観ている「相棒」に出ている姿を見ると、とても70超えには見えない。

 松田優作演じる探偵工藤俊作に、水谷豊演じる地方から出てきた公務員が、妹探しを依頼する。禁酒禁煙の誓いを破って酔っ払い、工藤と仲良くなっていく。松田優作がギター、コーラス、水谷豊がボーカルでで井上陽水「心もよう」を歌う場面が最高であった。YouTubeにあったので貼っておく。

https://www.youtube.com/watch?v=UsEoG0cKSCU

 私はこの日、妻と子どもたちを送り出した後、二時間ばかり横になっていた。悪夢とともに早朝目覚めると、最近の中では一番の頭痛に苦しめられたせいだ。洗濯物だけでも早めに干しておかないと、とどうにか起き出せたのは、起爆剤として人間椅子の曲を流したからだ。洗濯物を干した後は昼食のお供に探偵物語を見て回復していった。子どもたちの布団は敷きっぱなしで、取り込んだ昨日の洗濯物も放りっぱなしで、布団にかけようとしていたレイコップの電源もつけっぱなしだった。日課のちんちん小説は朝一で書き終えていた。

 水谷豊と妹さんの再会シーンに涙を流した後、井上陽水「心もよう」を聴きながら洗い物をした。普通に会話しようとすると喉が痛んで咳込むのは治らないが、歌う場合は腹から声を出すせいか咳にはならなかった。サビ以外の難易度が高く、他の曲にしようと思い、娘が見ていた動画で米津玄師「死神」が流れていたのを思い出し、リピート再生する。続いて「Loser」に変え、歌詞の一部を「声がら」と見間違えたことから、「抜け殻」のように人の声が残る「声がら」というアイデアを思いつき、それで一編書く。

「声がら」
https://note.com/dorobe56/n/n891194705b50

 その後どうにか残りの家事を済ませて、読みかけだった岡部えつ「夢に抱かれて見る夢は」を読み終える。

 このところの不調は、寒暖差が激しいのが理由だけでなく、フルタイムで妻が働くようになったため、家に一人きりになったせいもあるかもしれない。誰かが近くにいる間は気を張ってそれなりを保っていられるが、一人になると本来の体調が表に出てくる、というような。

 次に読む本をいろいろ検索する。なんとなく小説-その他-小説-その他、と読みたいが、フィールドワーク系のノンフィクションを読む体力がないと感じられもする。「笑いのカイブツ」が映画化もされたツチヤタカユキ「前夜」を読み始めた。お笑いに人生を賭け続けて燃え尽きた、作者の自伝的小説「笑いのカイブツ」のその後の話。発売後に3万部売れたが次回作の依頼はどこからもこなくて、あちこち海外を巡って印税を使いつぶしていく。北海道に流れて女のヒモになり、ウーバーイーツを始めるも初日で事故って配達途中で帰ってしまい、「何ができるの」と女になじられる。

 主人公は巨根である。つまりは大きなちんちんの持ち主である。北海道で出会った女性はそのサイズが苦痛であったらしく、痛みを緩和する薬を飲みながら主人公とセックスをする。彼女に捨てられ、関西に戻った作者に新たにできる彼女にはそのような描写はないので、性器のサイズの相性は重要なことだと考えさせられる。大きければいいってものではない。11.6㎝で十分であると自分に言い聞かせる。

「笑いのカイブツ」で書かれたような、狂気じみたネタ作り生活に主人公は戻っていく。自分にはこれしかできないと開き直っていく。その結果吉本新喜劇の台本作家の地位を勝ち取っていく。初採用までに通例三年かかるところを、三ヵ月で結果を出す。

 学校から帰ってきた息子は「疲れてるから今日は公園なし!」と宣言した。公園遊びのために回復させていた体力を温存して、のんびり過ごす息子の横で「前夜」を読み終えた。無理してちんちん小説のためのネタ出しはしないまま翌朝を迎えた。本の中に出てきた大きなちんちんについて語るために、水谷豊の出てきた「探偵物語」のことから書き始めた。
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