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レモンの甘さ

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この世のあらゆる生物の快楽追求行為として存在するものそれはセックス。
だが時としてそれは快楽以上の物を生み出してしまうという諸刃の剣。
そんな中ある一定の生物にしか与えられない偉大な行為がある。

そう、それはオナニー・・・


俺はどこにでもいる普通の高校生、名前は尾名西 泰造
普通に学校に通い、普通に部活をこなし、普通に塾に行く
家族の前、友達の前、先生の前、近所のおばちゃんの前、コンビニの店員の前、
そう、普通の人間の前ではどんなことがあろうとも普通の高校生を演じている。
だが俺には誰にも知られていないもう一つの顔がある。
そう、オナニーマスターと呼ばれる称号を与えられたオナニスト泰造という顔だ。

「キーンコーンカーンコーン・・・まだ校舎に残っている生徒は速やかに下校してください」

一日の終りをつげるチャイムが今鳴り終わった、時間は午後5時30分。
俺は部活に汗を流し丁度休憩をとっていた。
水を補給しながらマネージャーが作ってくれたレモンの砂糖漬けを口にほおばった。
実に甘い、その甘さに酔いしれながらこれからやってくる偉大なる行為を想像し股間を少し膨らませて
いた。

「ふふふ、俺は変態だ」

そう心の中で呟きながらまたひとつレモンを口にした。さっきよりも甘く感じた。
時間は流れ部活終了の時がやってきた。

「はい、集合!」

キャプテンが皆を集めた。

「今日はこれまでとします、各自片付けをちゃんとしてから帰ってくださいね」
あとこないだ山田君の胴着が武道館に落ちていて皆川さんが片付けといてくれたみたいです
山田君お礼を言っておいてくださいね」

皆川とは先に触れたレモンの砂糖漬けをいつも作ってきてくれるマネージャーの1人だ。

「マジっすか!?あー道理でなんか臭くないなーと思ってたんすよw皆川サンキューw」

山田がそう言うと皆川は少し恥ずかしそうにこくりとうなずいた。
どうでもいいが説明しておくと山田は俺の隣のクラスのお調子者のデブだ。いつも額に汗をかき
近づくと臭う、強烈に臭うにも関らず自分はそれを意識していないらしく周りに多大な被害を与えている。
本当にどうでもいいが、こいつは俺にやけに慣れなれしく接してくる。正直うざい。

「泰造!今日一緒に帰ろうぜ^^」

山田の糞デブが俺様を誘ってきやがった。
今日は週に一度あるオナニスト泰造にならなければならない大事な日
例えなんびとだろうともこの偉大な儀式を邪魔するものは許されない。
邪魔をするものであればどんな手を使おうともそいつを死にいたらしめる。
例えそれが神であろうとも・・・

しかし俺はただの人間からしてみたら普通の高校生だ、奴を刺激しないように丁寧に断る。

「おー悪い、俺ちょっと一人で残って練習するんだ、地区大会近いしさー」

完璧だ、これで奴は俺をもう誘うまい、山田は練習が嫌いだ、
【じゃあ俺も一緒に残って練習するよ^^】とはまず間違いなくいうわけがない。
案の定奴はそれならと颯爽と1人で帰っていった。

「ふふふ、これで第一の関門は突破だ」

心の中でニヤリと笑った。

辺りを見回すと残りの部員が3人ほどまだ帰る準備をしていた。
その中にキャプテンもいる。キャプテンはうちの部員の中で唯一中学の時に県大会で
3位になったことがあるという人物でその親しみやすいお釈迦様の用なルックス、言動で後輩から全幅の信頼を寄せている。
キャプテンが右と言ったら右を向き左と言ったら左を向く。忠実な僕と言った所か。
俺ももちろん表面上はキャプテンに全幅の信頼を寄せていた。

「泰造君も練習熱心ですねー!」

胴着を自分の鞄にしまいながらキャプテンが俺に話し掛けてきた。

「いや、やっぱり地区大会頑張りたいんで練習あるのみっすよ!」
「まああんまり無理しない程度に頑張ってくださいね!それでは」

そういうとキャプテンと僕2人は部室のドアを開け帰っていった。
その瞬間俺は笑みをこぼした。

「ふはははははははは!!!第二の関門突破だ、俺に不可能はない」

誰もいない部室で笑いながら1人で呟いた。
さぁ、お楽しみはこれからだ。
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