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エピローグ

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 全ては終わった。
 キースは少女を助けて密かに白邑を脱出した。ロゥランが捨て身で助けた命を、無為にすることなどできなかった。近場の邑に一度彼女を匿うと、太子の陣に戻って誓いを果たせなかったことを詫びた。
 だが、ニバール太子は笑って彼を許した。
「なに、あの男の死体なら、森の奥で発見された。お前の付き人が発見したんだ」
 ロゥランを発見したのは、実はキースを探していたフェルだった。
 フェルは、キースにその時の様子を語った。
「キース様を探して森の中を歩いていたら、先生がお亡くなりになっているのを発見しました。ただ――」
 フェルはわずかに言いよどんだ。
「信じられないかもしれませんが、先生の前にあった大木が、粉々に砕けていたのです」
 途端に、キースは再び胸の痛みに襲われた。
 かつてロゥランが話してくれたことを思い出した。

 不射の術は、本当にあったのである。
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