昔々、あるところで桃太郎とおじいさんとおばあさんが一緒に暮らしていました。
桃太郎は、鬼が島の鬼が都で金品を奪ったりするなどといった悪行をしていると聞いて、鬼退治に行くことを決めました。
おじいさんとおばあさんは桃太郎が鬼退治に行くことを聞いて、大変驚きました。
おばあさんは、桃太郎のためにきびだんごを三つ作って袋に入れて桃太郎にあげました。
おじいさんは、桃太郎に剣や日本一のももたろうと書かれた旗などを身につけさせました。
桃太郎は、おじいさんとおばあさんに見送られながら、鬼退治に出発しました。
桃太郎が道を歩いていると、犬が
「ももたろうさん、ももたろうさん、おこしにつけたきびだんご。おにがしまにいっしょにいきますから、ひとつわたしにちょうだいな」と言いました。
桃太郎はきびだんごを一つ、犬にあげました。
「いきましょう。いきましょう。おにがしまにいっしょにいきましょう」
桃太郎と犬が道を歩いていると、猿が
「ももたろうさん、ももたろうさん、おこしにつけたきびだんご。おにがしまにいっしょにいきますから、ひとつわたしにちょうだいな」と言いました。
桃太郎はきびだんごを一つ、猿にあげました。
「いきましょう。いきましょう。おにがしまにいっしょにいきましょう」
桃太郎と犬と猿が道を歩いていると、雉が
「ももたろうさん、ももたろうさん、おこしにつけたきびだんご。おにがしまにいっしょにいきますから、ひとつわたしにちょうだいな」と言いました。
桃太郎はきびだんごを一つ、雉にあげました。
「いきましょう。いきましょう。おにがしまにいっしょにいきましょう」
きびだんごを入れた袋の中は空になりました。袋を裏返しにしても何もでてきません。
桃太郎と犬と猿と雉はとうとう鬼が島にたどりつきました。
すると、犬と猿と雉は
「ももたろうさん、ももたろうさん。わたしたちはたしかにいっしょにおにがしまにいきました。ここでわたしたちのやくめはおわりです。さようなら」と言いました。
桃太郎は最後にこういいました。
「まだ、お前たちはきびだんご三つ分の仕事をしていない。最後にきびだんご三つ分の仕事をしてもらうぞ」
桃太郎は鬼を退治することに成功しました。鬼の持っていた財宝を持ち帰り、おじいさんとおばあさんの元に帰ってきました。
おばあさんは
「桃太郎、よく帰ってきましたね。さっそくたくさんご馳走を作って祝いましょう」と言いました。
すると、桃太郎は
「今はお腹がいっぱいです。明日にしてください」と言いました。