ネタノート

そのいち　とりひき？

　やぁ、こんにちは。私と少し取り引きをしてみませんか？
え？何を取り引きするのかですって？
お見受けしたところ貴方は疲れたお顔をしておられる。
失礼ですが、なにか失敗してしまいましたか。
　ははぁ、女性に手を出した挙句に結婚詐欺に借金ですか。お気の毒です。
では、こういうものはいかがでしょう。私は貴方に「成功」を差し上げましょう。
その代わり貴方の「大切なもの」を私は頂戴していきます。
毎週末に私が貴方の元を訪れます。取り引きはそのときにしましょう。

　さて、私と貴方が契約を交わしてからもう三年も経ちましたね。早いものです。
随分とまあ、ご立派になられましたね。あのときはあんなに落ちぶれていたのに。
あはは、口が軽いのは昔からでしてね？気分を損ねたなら謝りましょう。
え？取り引きを今行う？いいでしょう。丁度、三年が限度だと伝えに参った所ですから。
では貴方の大切なものを頂戴しますね。おや、 秘書などお呼びして、いかがなさるおつもりですか？
　ほう、これはこれは。見事な物ですね。純金の塊ですか？ですがね、私にとってお金なんて不要なんですよ。
そんなものより、もっと、ずっと、ずうっと、大切なものですよ。誰もが持っている、たった一つのモノです・・・
え、取り引きを中止したい？今更何を仰る。それに、先ほども申しましたでしょう？三年が限度なのですよ。
　
　大人でしょう？ご自分のやられたことぐらい、責任をお持ちなさい。


　誰にとっても命は大切。なのに人間は金の方が大事らしい。
そんな人間だからこそ私は仕事がしやすいというものだ。
そういえば申し遅れておりましたね。私は死神でございます。

そのに　にれんぞく

　果ての果てまでも追い掛け回してやる…！
　俺の安息を手に入れるためにも、貴様の息の根を止めるまで、俺は戦う！！
　パチリ、と音を立てて明かりがついた。
　「何やってんの？こんな夜中に」
　「いや、蚊がさ・・・」
　
　俺の中に満ち溢れるこの憤り…！ぶつけるのは貴様しかいない！！
　俺の怒りを受けてみろ！
　「バンバン、バンバンうるさいなあ！」
　「だって、あのすみっこを見てみろ！ゴキブリだぞ、ゴキブリ！！」

そのさん　ぼくのいきるみち

　僕の生きる道は僕が決める。
でも、僕の生きる道ってどんな道だろう。
　人に指図されるのは嫌いだから、無頼こそが僕の生きる道？
でも、僕は家族と関係を断ち切れないと思うから、きっとこれは僕の生きる道じゃないと思う。
　じゃあ、そういうのを断ち切るのが僕の生きる道？
でもでも、これも違うと思う。一人で生きて、一人で死ぬなんて、そんなの寂しすぎる。
だからこれも、僕の生きる道じゃないと思う。
　だったら、いろいろ悩まないで過ごすのが、僕の生きる道？
だとしたら、それは僕が僕でなくなると思う。悩まない僕なんて、僕じゃない。
だから、そんなのは僕の生きる道じゃない。
　じゃあ、僕は…僕はどんな生き方をしたいのだろう？僕はどんな道を歩んでゆきたいのだろう？
枝分かれした道の収束点。それこそが僕の生きる道だった。