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第1話〜すべての始まり〜

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そう、100年前……。
大魔導師ゼックと呼ばれる者ががあるものを作り出してしまったのです。それは魔具リーフ。
魔具リーフは、願い事を1つだけ叶える事ができるのです。
それが元である一部の人達が争いを起こしました。ゼックはその争いの元であるリーフを、
魔法で未来へ送ってそれは収まりました。しかし、禁忌の時空の魔法を使ったことを天上界は快く思っていませんでした。
そして、天上神の王が未来を消さなければいけないと人間界へ降り立ち、世界を破壊し始めました。
それを抑えたのは四神(青龍・朱雀・白虎・玄武)でした。四神は倒した神を三種の神器の中に封印をしました。


世界は一つの大陸から形成され、周りは海に覆われている。大陸の最南端に位置する国"ラーン"
その国は、ラクネリック道場というものを開いている。ラクネリックとは剣術と魔法が合わさった流儀である。
人々は大魔道師ゼックが著した"魔法のすべて"という本で、幼い時より勉強を始め大人になる頃には一通りの魔法を習得していた。
そして、生活では火をつけるときや発電・伝達など、魔法が一般的に使われるようになり、人々の生活は楽になっていた。

パシィン、パシィン 竹刀と竹刀がぶつかる音が、広々としたホールに響き渡る。
ここ、ラクネリック道場は先生が3人で、生徒が10人という小さな道場。
ホールでは、2人で試合をしていた。今週の1位を決めるための試合。
2人竹刀で打ち合っていた。1人の少年は16.17歳ぐらいで髪は黒色に少し茶色がかっている。
そして特徴的なものは瞳。吸い込まれそうに魅力的で何より深く、海のような青色の瞳。
もう1人は瞳が虹色に輝いていた。それだけで不思議な存在なのに、普段あまり誰とも話していないのが
さらに彼を不思議な存在にしていた。審判である3人の先生が、鋭いまなざしで2人を見る。
その時、虹色の瞳の少年が竹刀を振り上げる。鋭く空を切る音がし、青色の瞳の少年の目前で竹刀は止まる。
「くそぉ~また負けた~」
青色の瞳の少年は悔しそうに頭を抑える。それを見て虹色の瞳の少年は笑って、道場を後にする。
「なんだよ。あいつ……むかつく」
「ガルフ惜しかったな」
先生の1人、ルオ先生が話しかけてくる。表情は本当に残念といった感じだ。
「先生! 稽古をしてください!」
「ん? ああいいぞ。その代わりアイス買ってくれよ?」
「……ルオ先生。先生なんだから」
「ははは。そうだな、ガルフ。じゃあ、やるぞ!」
「はい!」
ガルフは早くやりたいといった感じで、練習場の方に走っていく。
「ん?」
不意にルオは視線を感じて振り向く。が窓の外には誰もいない。見間違いだったかと小さく呟き、首をかしげ黒く長めの髪が揺らす。
「ルオ先生? どうしたんですか?」
「あ、いや。何も無いさ……」
ルオは窓を見つめ、ガルフの後を追い練習場に入る。

「奴か? ガルフ……いや、バルコ」
「そうです。どうしますか?」
「とりあえず、奴は邪魔だ。消そう」
「……わかりました」

「ガルフそんなんじゃだめだ! もっと足を使いなさい!」
「あ、キリタ先生」
キリタと呼ばれた男は竹刀を片手に、2人の稽古を見ていた。短く揃えられた髪形がとても似合っている。
「ルオさん。もっとキツク教えてあげてください」
ルオ先生はちらとガルフを見、笑って答える。
「はい。厳しくいきます」
「えー。ひどいよ~キリタ先生」
キリタは真剣な表情でガルフを見つめる。
「強くなるんだろ? な?」
ガルフは力強くうなずく。キリタはそれを見て笑う。
「さぁ。再開だ。ガルフ」
「はい!」
ガルフの声は、二人以外がいなくなった練習場に響き渡った。

「あー疲れました。ね? 先生」
「ああ。本当に……」
ルオはため息混じりに、うなずく。あれから三時間も付き合ってくれたんだから、仕方ないと言えば仕方ないだろう。
「これでディアンにも勝ってやる!」
ルオはどちらも自分の生徒であるから、片方に肩入れすることはできない。苦笑してごまかす。
「ガルフ……」
「先生?」
ルオは空を仰いでいる。ガルフもまねする。
「星はきれいだな……何もかも忘れれる」
橋を渡り終えた二人は、それぞれの帰途につくために分かれた。
「また明日稽古してくださいね! 先生」
「ああ! 明日はボコボコにしてやる」
笑い声を含んだルオの声が、近くの家から出ている楽しそうな話し声をかき消した。

「分かっているよ。君たち」
ルオは突然止まり、人がいないのにしゃべりだす。
「ばれてしまいましたね。さすが……」
「何用ですか? 場合によっては……」
「何ですか?」
ルオは振り返り呪文を唱える。暗い夜道に赤い光が輝く。
「バーニング・フレイ」
手のひらから、赤く燃える炎の玉が放たれた。唸りを上げて飛んでいく。
謎の男は、ひらりと身をかわしルオの背後に回りこむ。
「ガルフとやりあってもらう」
背後から男が頭を触る。光が迸る(ほとばしる)ルオは急いで振り返り手を向ける。
が、もう誰もいない。ルオはあがった息を整えて、再び歩き出す。家に向って。

ガルフは家に着く。家といってもアパートだ。
ラクネリック道場に通うために、ジェイドから引っ越してきたのだ。鍵を開けノブを回し扉を開けて中に入った。
部屋は座っていても全てのものに手が届くぐらい狭い。ごみがあちこちに散乱して汚く散らかった部屋。
ガルフは疲れていたので、何も考えずにベットに飛び込む。そして1分もかからず眠りにつく。
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