【 J O A T 】
jack - of - all - trades
通称、”JOAT(ジョート)”
世界に誇る日本の傭兵集団
【何でも屋】と謳っており、世界中からの依頼を
引き受けており、謳い文句の【何でも屋】の名の通り、
どの様な特殊な依頼にも拘わらず、
受けた依頼は、必ずこなす と評判の会社だ。
最近では、本当に特殊な依頼しか来なく
戦争屋だとか しか言われなくなっているが、その
―――――――ガチャ、ガチャ、ドサッ、ウィィィィン
「日本が誇る大企業に何で・・・・俺がってオイ、聞いてんのか?」
横たわっている俺の足元から鳴り響く機械の音
丁度、その女の顔が見える所まで頭を起こして呼びかける。
「―――――――あぁん?何か、言ったかニートが」
作業を一旦止めて、此方に振り向いたかと思ったら
凄い形相をして、作業の邪魔だ しゃべんな ガキ と言い捨てられる。
オーケー、オーケー 少し冷静になろう
ってか、前言撤回させてくれ
ニートじゃなかったら口説いている程のいい女 だと
さっき、心の中で言っていたが、前言撤回だ。
コイツは、クソ女 それと、後 俺はもうニートじゃないんだろうが
その酷い口振りに、ムッ ときて体を起こそうとする。
ガタン! と起き上がったと同時に足が ガチャンと鳴る。
「御前、何様だy・・・・・・!?」
メガネ女へ と言いかけて、凍りつく。
顔を引きつらせながらも冷笑して、此方を見据える美女もとい鬼が一名。
拳をピクピク と震わせながら俺へとニッコリしている。
「作業中だ、動くなって言っただろうがッ!!クソガキが!!」
(゚д゚)・・・・・・・・・・・・・・・・\(^o^)/
「ア・・・ア”ア”ア”ァァァァァッッ!!??」
―――――――声にならない痛みが奔る。
そのまま振り下ろされた拳がダイレクトにマイサンに直撃なされた。
ズギューン、とリアルでそんな音が聞こえた気がした。
「・・・・・・・・・・さ、さらば・・・俺の息子」
ちんだな・・・と、心の中で呟いて オワタ と悟る。
―――――――ポテ、
そのままベッドに、また倒れこんで
俺の意識はそこで完全に、ブラックアウトした。
ババババババババババババ
―――――――うるさい、
バババババババババババババババババババババ
「―――――おい、青年」
ビュオオオオオオオオオ と顔に当たる猛烈な風
「うぅん・・・・ん・・・・・あれ?ここは?」
ババババババババババババババババババ
相変わらず、顔に当たる猛烈な風
そして、目の前に居るゴーグルをかけた人が
何か、知らんが俺を呼んでいる。
風が強すぎて、まともに目が開けられん。
バババババババババババババババババ
何かが、旋回するような音が耳にひびく とても、うるさい
「おい、自分 大丈夫か?今から、あの中に飛び込むんやろ?」
ババババババババババババババババ
「はぁ?何を言ってるんですか?貴方は
っていうか、ここどこなんすか?」
寝ぼけ眼で、目をこすりながら 目の前の男性に尋ねる。
「んー?きいとらへんのか?ここは、ヘリコプターの中や。
んで、外見てみぃーよ?自分の仕事は、あの中に飛び込んで
中にのこっとる人を助けてくる事や んじゃ、頑張ってこいよ!」
そう、ゴーグルをかけた男性が言った瞬間 ヘリコプターが
急旋回をして、ぐるん と回って傾く。
「はぁ!?って ちょ、おま・・・」
そのままヘリコプターから振り落とされる俺
って、マジで!?これ、何 夢だよな!?オイ!?
ビュオオオオオオオオオオオ と風に吹き付けられる中
空中を降下しながら、下を見る。
そこには、高層ビルが炎上している姿が・・・・・・って、
「ふ、ふ ざ け ん な ぁ ぁ ぁ っ っ !!」
空に響く、無残な声
そんな俺の「これは、夢であって欲しい」とかいう
願いはどうやら神に無視されたらしいのだろうか、
そのビルの光景を見て、絶望する。
真下には、炎上している高層ビルの屋上。
そして、パラシュートも何も無しにヘリコプターから
突き落とされた生身の俺。
これは、何という死亡フラグなんだって おいいいいいい!?
―――――――ドゴォォォッッ!!
響く凄まじい衝撃音。
燃え盛る屋上の中央に、何か隕石でも落ちたのかと思わせられる
凹みができている。
「―――――クゥゥゥゥ・・・・・・ッ!!」
全身に、衝撃が走る。 ってか、生きてるのが不思議だって
そうか、俺はサイボーグ だったんだな はははははは
流石に、ここまでふっとんでるとおかしな事にも
慣れてきたのか 慣れた というより、壊れた 【俺】
そもそも、自分がサイボーグになっているってのに実感がわかねぇ・・・
そう言って、自分の足を見る。
それは、紛れもない人間の足 ちゃんと皮膚だってついてるし
機械みたいに、ガチャガチャ と歩いても音は鳴らない。
だが、自身が純粋な人間だっていうのも もう信じれなくなっていた。
一応、常識という物ぐらいは知っている。
普通、人間はあんな高い所から振り落とされたら
綺麗に、地面に着地しようが死ぬか、足の骨がバラバラ だ。
だけど、こうして元気に立っている。
加えて、ふっとんだ と聞いた筈の左腕が
以前と変わらず、そのままの状態である。
オーケー どうやら、俺は(夢の中)では、サイボーグの様だ
燃え盛る中、何故か冷静に自分の体のあちこちを
不思議そうに、コツン コツン と俺は、調べる。
「ん?」
そうやって、自身の体がどうなってんのか調べていると
ズボンのポケットに何か 折りたたまれた紙みたいな物が
入っているのが分かった。
火がまわりにあるせいか、辺りはとっても明るいので
ガサガサっと、取り出してソレを見てみる。
【- 紙に書かれてある内容 -】
よう、ガキ 多分、今頃 ヘリコプターの中だろうが
この紙を良く見てもらいたい。
初めての御前の仕事だ 頑張って来い。
仕事内容は、今 火事で炎上している高層ビルの六階に
居ると思われる 社長の子供 を助ける事だ。
レスキューでも投げ出すくらいに、無理な仕事内容だが
大丈夫!私の自慢のサイボーグである御前ならば、
火なんざ物ともせず に進んでいけるだろうさ ハッハッハ
んじゃ、精々 頑張ってくれ
追伸:右腕だけはサイボーグ化してないから
人間らしく生きたいならば、精々火傷程度で済ましておけ
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
その手紙を見て、数秒間黙る。
そうして、溜息だけついて
ポイっと、燃え盛る火の中に紙を投げ入れる。
「畜生、あの女 帰ったら叩きのめしてやる
人を勝手に、火の中へと送り込みやがって・・・」
ペっと、唾を吐く。
ゴキゴキっと首を捻りながら、屋上にある扉まで歩き
思い切り、俺は 扉をぶち蹴って燃え盛る火の中へと入っていった。