私は電車を降りた。
人/人/人/人。みな一同に同じ出口に向かい、寒空の下私達はバスへ向かう。
ここにいる誰かは私と4年間過ごすかもしれないのか・・・な~んて思いながらバスへ乗車。
バスには全国から来た猛者が・・・いや、そう表現すると大袈裟かな?
各地から受験という戦場を潜り抜けた精鋭達が乗っていた。
そうこのバスは大学行き。そして、このバスの終点は私たちの新生活というスタートを迎える。
一昨日から決めていたことがある。
大学に入ったら運動部に入ろう。
まだ具体的には決まってないけど新入生投稿日に新入生勧誘バーゲンがあるからその時にきめれば良い。
4年間体を動かし勉学にも励み、文武両道な生活をするんだ!と心に誓った。
それが本当の私の願望かどうか?と言ったらYes!とは言いきれないかも・・・だけどさっ
バスは終点についた。そこにあるのは都内から30分離れた理系大学。
偏差値は50~60前後ソコソコ。就職率で見たらそれは素晴らしいものがあった。
だから受験したんだよね。
とり合えず入って卒業すれば親に心配を掛けるのはおさらばできそうだもの。
この年になってもう、親に面倒はかけられない。まだ19歳だけど。
バスを降りるとチラシを持った人たちが私達を囲った。
チラシ/迎える/囲う/この三拍子が揃えば誰でも上級生とわかる。
「弓道部でーす。おねがいします!」
「サッカー部で一緒に汗を流そう!」
「茶道部いかがー?」「で・・・で、電子計算部よろしくです。」
そんな一団・・・・う~ん5m以上勧誘合戦は続いてたかも。
そこを潜り抜けると両手には大量のチラシ/還元/初心者/一緒に/4年間
決まり文句ばかりのチラシ。至って普通。それをバックに押し込め教室に足を運んだ。
今日来たのも身体測定とかではなく学科ガイダンスという1年間のプロローグを聞きに行く日だ。
別に部活に入りに態々来たわけじゃない。チャンスなんていっぱいあるもの。
教室に着く/黒板/座席表/示す先は今日一日の私の席。
座席表に指定された場所に腰を下ろす/辺りを見渡す。
疎らに席に座っている。登校初日にしていきなり友達!っていうのも少ない。
少し例外として、高校とか予備校で一緒だった人達は3人ぐらいのグループを作っていた。
人間観察を終え、さっき貰ったチラシをバックから取り出す。
剣道部/弓道部/空手部/建築研究会/ダンス同好会/・・・etc
いたって普通ね。特に奇妙奇天烈な物も無い。
「部活何にするの?」
突然話かけられる。
私は声のする方に姿勢を変えた。
そこには男子生徒。後ろの席に座っている。ビシッと決めた髪型/ジャケット/若干おしゃれ。
「いや、まだだけど?」
「そっかー。4年間所属するんだから慎重に考えるよなー」
「あの、お名前は?」
「あ、ああ、俺は後藤」
ん?後藤?私の苗字とかけ離れている
「この席ってランダムなんだね。」
「あーそうだねぇ。何でだろ?それとも何か意味があるのか?」
さぁ?わからないや。そんなのどうでもいい事だ。気にしない。
私は後藤という話しやすい男と他愛もない話をした。出身地とか趣味とか音楽の話とかね。
そのうち席もいっぱいになった。200人ぐらい?
時間になると教授が入ってきて、1時間だらだらと単位の話/今後の予定/とか説明していた。
もちろん私はその1時間を睡眠に費やした。
私は後藤に起こされた。
後藤は私にガイダンスはが終わった事を告げ、こう言った。
「大ホールで部活の発表があるらしいぜ?行かないか?」
チラシだけでは活動内容というのは不透明だし、面白い先輩とかも話せるかもよ?
と付け加え。二人でホールに向かう。その途中、桐島と名乗る男に話しかけられ
ホールに向かう事を言ったら付いてきた。桃太郎/犬/猿/といったところだろうか?
大ホールは様々な学科から集合した男女がごった返しだった。
しばらくすると、いきなり暗くなり前の壇上で部活ごとに先輩たちが部活をアピール
空手部/瓦を割る
野球部/実績をアピール
軽音部/演奏
などなど、自分の誇れる部活を精一杯アピールしていた。
桐島や後藤は空手やらバスケやら言っていた。
そして、最後の部活。
これが私との運命的な出会いになるとは思ってもいなかった。