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プロローグ

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そこは常に夜明けの様な青暗い、薄寝ぼけた場所だ。
力を失って久しく、何年も日の光が真上から射した事がない。

静かに波の打ち寄せる浜辺で遊ぶ子供が二人見える、近くでそれを眺めている両親も見える。
パラソルを広げ、バスケットにはサンドイッチが入っている。
母親が呼びかけると子供達が駆け寄って来た、背格好がとてもよく似ている。二人は双子だ。
双子の姉は手に持った貝殻を母親に手渡し、弟はサンドイッチにかぶりついた。
父親は今日という日に感謝しながら双子に微笑みかけた。
誰にも壊すことの出来ない、例え明るい日差しが二度と射さなくとも揺るぐことの無い、ごく普通の幸せがそこにはあった。








..............................無限旅行
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