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━オレと妹━

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突然だがオレは非リア充だ

当然

彼女もおろか友達すらいない

そして

両親もいない

唯一いるのは小学生の妹だけだ


第3話
─オレと妹─


日にちは月曜日
時刻は7時
家を出ないといけない時間は7時30分

全て準備が整ってあるオレは暇だった
だから寝転がってテレビでも見てようかなあ

って思ってたら


「おら~早く学校行けよボケ」


と妹が

鼻くそほじりながら耳かきをしている妹が
オレにそんなコトを言って来たんだ

だからオレは・・・


「ボ、ボケとは何だ??!え~?!10歳年上の兄上に対して!え~~??!ボケ
とは?!え~~~?!なんなんですか~~~??え~~~~??妹よ~~~!」


と姿勢を正し言ってやったんだけど

「ああぁ?!言わなかったけ?この前~??てか昨日!
てめえは兄じゃねえ!奴隷だ!
って」

と言われてしまった
そしてオレは


「う・・・・
そうだった・・・・」


・・・何も
何も・・・・
何も言えなかった・・・・

オレはこういう気が強い系のヤツは苦手なんだ
つい、ついひれ伏してしまう

だから妹から言われた通りオレは
時間がたっぷりあるにも関わらず玄関に向かっていった

当然妹は出迎えをしてくれない
なんたって家族ではないから

奴隷と支配者
そういう関係だから・・・

当然そういうのはない・・・


「お兄ちゃん!!」


と思ったのに


「行ってらっしゃい」


突然妹が玄関に出て来て
今まで聞いたことがない、今からも発するはずもなかろうワードを口にした

つい
つい
突然の出来事に
つい
つい・・・
オレは涙が出た
ボロボロ・・・
ボロボロと
ボロボロと・・・

雫を顔から落としていたら
妹がオレの頭に何かを落としてきた、パラパラと


「な、なにを落としたんだい?」


妹は天使のような笑顔でこう言って来た


「おまじない」


へ?


「塩を頭の上にかけると、良いコトが起きるんだよ」


・・・・・


「今日良いコト起きるといいね。」


・・・・・


ボロボロボロボロボロボロボロボロボロ


「ありがとう、じゃ行ってくるね!!」


ボロボロ泣きながらドアを閉めて妹に別れを告げる
あの間だけ家族になれた気がした
7年間の間ずっとオレと妹は【奴隷と支配者の関係】だった
けどあの間だけは
あの時間だけは誰が言おうと「家族の関係」だった
オレはとても気分が良い
きっと今日は良いコトが起きる
そんな気がした
っていうか起きる

妹がおまじないをしてくれたから!!




自転車、電車、バス
という交通手段を使ってオレは学校に向かうのだが
良いこと尽くしだった


まず自転車なんだけど
オレは毎日タイムを計っている
最高記録が30秒なんだが
中々タイムを敗れずにいた
けど
妹の塩パワーでオレはそいつを破ることができたんだ
しかもなんと圧倒的に

12秒だぜ?

すげえだろ
てか新記録じゃね?
100mを12秒だぜ?
早くね??


そして電車
いつもむさくるしいのに

今日は女子高生ばっか!!

全員部巣だったけど!!
全員おっさんよりかは遥かにマシ!!


そしてバス
いつもばあさんに席ゆずると
「もうちょっと早くに譲りなさいよ!アバズレ!!」
「あたしゃそんな衰えてないよ!アバズレ!!」
って蹴飛ばされるんだけど
今日は
「なんであんたみたいなキモヲタがこんなバスに乗るかねえ
マヂありえないわ・・・アバズレ・・・・」

って言われただけで蹴飛ばされなかった!!

ラッキー!!



とまあそんな感じでラッキークッキーもんじゃ焼き~なオレな訳だ!!
あ、今のゆとりには分からないネタだったね
すまんすまん
まあ~
悔しい~気になる~~~
ってヤツはヤフーでググってくれ
一発で出てくると思うから


ラッキークッキーもんじゃ焼き~なオレは教室に足を踏み入れようと
教室のドアを開ける
ワクワクテカテカワクワクテカテカだ!

ブラああああああああああしゃああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああ

バケツが落ちてきた
大量のH2Oがオレ目がけてダイヴした

教室に足を踏み入れた俺は窓側、一番後ろの席
すなわちオレの机に向かう
制服がビチャ・・・ビチャ・・・・
と音を立てている
それに対抗するかの様に
上履きがくぇぇあ・・・くぇぇあ・・・・・・
と音を立てる

ツインリード(二重奏)ってヤツだ!!

クラスの奴らが哀れみの目でオレのツインリードを聴いている
だがオレはそんなコト気にせずツインリードを演奏し続ける
窓側、一番後ろの席
オレの机に着いた
そして座る

「びっっちょゃ!!」

その音と共にオレのツインリードは終止符を打った


そしてその終止符が打たれた後
今度は別の演奏者が歌い始めた
そう、それはそれはとてもとても下品でえげつない
誰も聴きたくない様な汚い歌

「ぎゃはははははははははははははははははは!!!」

4人のDQNによる大合唱が教室中に響き渡る
観客全員引き気味
俺はもう、慣れまくってるから何も思わず

演奏は続く


「新学期早々こいつマヂぱねえしいいいいいいい」
「超ワラだよなああああああああああ」
「毎回毎回コーサイすぎいいいいいい」
「テラワロスwテラワロスwwwうぇwうぇwwwうぇwうぇwwうぇww」


本当に同じ日本人?って思うよ
何語喋ってるんだよ

さらに演奏は続く

「おら~~~てめえら~~~~席に着けだぽ~~~~NN!!」

「・・・先公だ、席に着こうぜ」
「ああ」

と思いきや
演奏が止んだ



あれ?終わり?
何もしてこな・・・い・・・?
え、もしかして
これって


やっぱり俺はラッキーなんだ!!
ラッキークッキーもんじゃ焼きなんだ!!!



「ああ~おまえら~~~聞いてくれ~
ホールムーム始める前にまずおまえらに言いたいことがあるんだぽ~NN」

なんだなんだと教室がざわめく
けどオレはざわめかない
何故なら俺はCOOL、とってもCOOLだから
というのはウソで
いやウソではないけど
もっと別の理由がある
それは

そんなことどうでも良いくらい俺は嬉しいのだ!

本当に今日はラッキークッキーもんじゃ焼きな日だ
妹に出迎えされるし
妹におまじないかけられちゃうし
妹に天使の様な笑顔を向けられちゃうし
新記録出せたし
撫す女子高生に囲まれたし
おばあちゃんに優しくしてもらったし
いつも華厳の滝の後、DQN達がオレの席を囲んで
カツ上げしてきたり
ズボンを脱がされ盗られ一日中それで過ごせと言われたり
「ごはんが!ごはんが!ススムくん!!」
とか言って
オレにごはんがススムくんをかけてオレを食べようとしたり
そういう嫌なコトを毎日毎日こりずにこりずに
やってくるってのに
今日は華厳の滝だけで済んだ
いやでも
もしかしたらこれから嫌なコトをするかもしれない
けど
けど!
今日のオレは最強
最強なんだ!
妹塩パワーを持った俺は無敵最強なんだ!!
そう!
無敵最強なのさ!
ハッハッハッハッハッハッハ!!!
どんなコトが起きたって
そのパワーで何とかしてやるゼ!!
ハッハッハッハッハッハッハッハッハッハ!!!!

といきり立ってたら
知らない間に教室が
ざわざわ・・・・ざわざわ・・・・
・・・・ざわ・・・・ざ・・・・
ざわざわ・・・

様子が様子で無くなっていた

オレは何だ?
と思い
隣のヤツに
「何があったの?」
って聞いた
妄想をした

何があったのか本当に気になってしまったので
周りに目を向けまくる
先生中心に目を向けまくる

「じゃ、入ってきてぽ~~~~~~~NN」













オレは目を疑った



第3話
─オレと妹─
       ─終─



第4話
─君とお弁当─
  に続く。

6

火柱基次 先生に励ましのお便りを送ろう!!

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