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プロローグ

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机と椅子しかない部屋でカルテを見ている20代らしき男性が居た。
片手には珈琲があり、やる気が無いのかそれとも徹夜続きで眠いのか欠伸をしている。
「おっはよーございます院長」
「ん……おはよう」
何時の間にか入ってきた看護婦にそう、眠そうに返事をする。
「大体なんでこの僕がこんな事をせにゃならんのかね? 答えて見たまえよ灯君」
「えぇと私にそんなこと言われても……強いて言うなら妹さんのせいでは?」
困った風に言う灯と呼ばれた看護婦の言葉に院長が眉間にしわを寄せる。
彼はこの恋病病棟の院長遠山暁(さとし)である。
彼の妹遠山茜は2年前大量殺人を犯し死亡者数100を超える大惨事を起こした犯人である。
しかし今だ犯行理由は不明で全く口を割ろうとしない。
現在はこの恋病病棟のE棟で保護されている。
「君も随分痛いところをつくね。あの妹のおかげでこんなに素晴らしいお仕事が出来て私は感激だよ! たくっ!」
そう毒づきながらもしっかり目を通し仕事をしているところ眠気で苛々しているだけのようである。
「ああ少し遊びに行ってくる。後の事は暁(あきら)君に任すと言っておいてくれ」
「えっ? ちょ、ちょと待って下さいよ!」
そう言って灯の言う事も聞かず出て行ってしまった暁院長。
「ゲーセン行って、温泉行って……あ、おすしも食べたいなぁ。うーんフランスとか……」
訂正。ただ遊びたいだけのようだ。
「てっことで副院長よろしくです」
「……なんで俺が。いい加減にして欲しいよ」
彼は恋病病棟の副院長である十川暁。
同じ名前ということだけで院長には気に入られている。
まぁ、有能では在るのだが彼はオタクという隠れた性質を持っている。
「今日は魔女ッ子萌えタンの放送日なのに。シスターメイドもあるから録画できないよ……どうしてくれるんだ」
「そ、そんなこと言われても」
軽く舌打ちして椅子に座る暁。
やる気無さげに前髪を弄くる。
「院長は?」
「えーと。多分海外です」
今度は大きく舌打ちして灯に向き直る。
「仕方ないな。美夏ちゃんはどこだったけ?」
「B病棟です」
「あー、あー……あぁー。帰ります」
素早く立ち扉へ向う。その間約2秒。
「まっ、待ってください!」
扉を高速で開けようとするがそれより速く灯が暁の腕を掴む。
彼女はちなみに空手六段である。
「痛い! 痛い痛い痛い!」
「ちゃんとやってください」
灯が掴む腕がメキメキ言っているが彼女は気づいていない。
「ふ、副院長に向って何をするんだ!」
ピシッ!
「▲○×☆△▽※??+*@!!」
何かヒビが入ったような音がしたが気のせいだろう。
と、灯は判断した。
「お、折れる! やるから離してくれぇぇぇ!!」
ぱっと離す。
さっきまで痛かったのに驚いた事に痛みは全く無かった。
唯単に余りの痛さで痛くないだけかもしれないが。
「と、とりあえず。僕の調査の話でも聞いてくれ」
「間島美夏のですか?」
「ああ。情報が色々役に立つから聞いておいた方がいいと思うよ。この仕事は患者を知らないとどうしようもないから」
こくんと頷いたのを見て暁は間島美香に付いて語りだした。
3, 2

  

次回予告!
萌えタンはあくのだいまおー萌えみタンとついに対決!
萌えみタンの必殺きょぬー攻撃に萌えタンは大苦戦!
ひんぬーステータスで萌えタンは勝てるのか!?
次回第十二話決戦! 第三東京都市!

本当の予告
間島美香についてです。やっとメインです。こっちもメインだけど。
4

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