七海、ほんとにおつかれさまでした。それまで抱えていた激しい痛みがまるで嘘だったみたいに、瞳を閉じたあなたは最後ににっこり微笑みながら旅立っていきましたね。ともすれば未だすやすや寝息でも立てていそうなくらいに、それはそれは穏やかそうな顔でしたよ。あんな七海の顔しばらく見ていなかったものだから、母さん思わずホッとしてしまいました。
なあんて、こんなこと言ったら怒られちゃうか。ごめんね。
今日まで命のともしびを消さないよう精一杯生ききった七海に、母さんこれからごめんねとありがとうを送ります。それから約束するね。どんなに苦しくても泣かなかった七海を見習って、母さんも絶対泣かないよ。父さんは駄目、もうぐじゅぐじゅだったもの。男の子は弱虫なのよね。女の子のほうが強いものね。
思えば七海にははじめっからずっと苦労を掛けっぱなしだったなあ。私のおなかにいる時、先生から七海に課せられた重い重いハンディを聞いて、父さんとふたり目の前が真っ暗になったのを今でもはっきり覚えています。おうちに帰って、暗い部屋で一緒にぼんやりしました。心のそこから悲しいとき、人間は涙を流す力すらも出ないって、そのt
泣かないって、やくそくしたのに
あたしもだめだごめんなさいしなきゃいけないな
かあさんととうさんのところにうまれてきてくれて ありがとう
ちいさなななみとすごしたじかんは きらきらたからものだよ