墓参りから一週間後のことだった。
吉田から、最近見つかったという「絹子ちゃんの手紙」を見せてもらったのだ。
その手紙にはこう書いてあった
菊蔵さん、私も菊蔵さんのことが好きです><
だから両想いなんです!嬉しいです><
でもね、私、見えない不可抗力だとかそういうせいで
死ななきゃならなくなっちゃったんです。
ごめんなさい。これはどういうわけなのかは、
自分でもわからないの。だから、死ななきゃ
ならないの。ごめんなさい。
あなたと別れるのは本当に辛いです。
これは遺書です。
吉田 絹子
その手紙を読んでから、1か月が経った。菊蔵は最初はとても落ち込んでいて、学校にいけなかったらしいが、
今は吹っ切れて学校にも行けて、割と楽しくやっているらしい。とても喜ばしいことだ。
そして、僕たちもうまくやっている。苗ちゃんは本当にかわいい。
もし、これから先、僕たちの誰かが(僕かもしれない)が、「未知なる不可抗力」によって死んでしまったとする。
もし、これから先、僕たちの住むこの世界が、「未知なる不可抗力」によって侵されたとする。
僕たちは、うまくやっていけると思う。いや、うまくやっていくいしかないのだ。
そして、僕たちの今は、とても楽しい。
だから、
これでいいのだ。
これで、いいのだ。