当然。
良からぬ期待に身を翻弄された僕を、誰が責め立てることが出来ようか。
責め立てることが出来る人間がいるとすれば、それは「色っぽく甘酸っぱい展開は期待出来ない」と忠告したにも関わらず、宛ら西洋のネジ巻き人形の如く最低限の関節の駆動だけで参上仕った僕を、《新しいジャンルの金縛りか何かかい?》といつものように斜に構えた微笑で迎え入れた梔子高くらいだろう。
マジで、そんな展開は欠片も無かった。
である以上、その日その場所で展開された話や出来事を事細かに書き記す事に何ら意味など持つものかと僕は主張したいのだが、とりあえずという名目の下、渋々と書き綴ろうではないか。
計らずも、今回の珍騒動に関しての、すっきり明快な回答とは言わずとも多大なヒントと成り得る話を聞けたことだし、だ。