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「貴方は美しい」
 無言の重圧に耐えかねて、俺はとにかく色々言った。
「貴方を見るだけで俺はいつも心が張り裂ける思いだった」
 つーか正直、隣の席だったから最初にターゲットにしただけで、実はこの子の名前も知らない。それなのに告白なんて凄い失礼な話だ。世界の為とは言え心が痛む。
「貴方の美しいバストも魅力的だ。ヒップのラインもたまらない」
 適当に言いつつ見てみるが、実際の所結構な美人だ。大人しそうな顔つきで眼鏡をかけており、髪は軽く後ろで束ねている。おっぱいも神女程ではないが、俺らの年代からするとかなり大きい方だ。尻は座っているのでよく見えんが。
(あー、こりゃ無理だなぁ。ハードル高そうだなぁ)
 清楚そうな外見の上美人。いきなり告白して成功する確率はかなり低いと言わざるをえない。


「どうか僕の愛を受け入れてもらえないだろうか」

 とにかく色々言うがまったく女の子からは反応が無い。無いと言うか、うつむいて顔を真っ赤にしたままなので反応を読み取りようが無いのだ。後ろから俺の臭い台詞に笑い転げる神女の声だけは聞こえる。あいつ殴りたい。
「あ、あの……」
 ついに女の子が口を開く。
 まずい。
 どう考えても断られるフラグだ。

「とにかくおっぱいだけ揉まして貰えないだろうか!!!」


 焦った俺がつい本音を言うと。
 

 ワンテンポ遅れて平手が飛んできた。
 


 やはり後ろからは神女が笑い転げる声だけ聞こえてきた。
 あいつ殺したい。









「まあいい。次の女だ」
 俺はざっと眼鏡の彼女に背を向け、次の女の子に向き直った。
 世界の命運が俺にかかっているのだ。
 頬を張らしてクラス中で笑いものにされたぐらいで止まる事はできない。
 もとより俺はクラス中全員に告白する事も辞さない覚悟で挑んでいた。
 


 こうして俺はクラスの女子12人全員に告白し、全て玉砕するという、一つの記録を作って一限目を終えた。
 その頃には俺の頬は両側が真っ赤に張れており、神女は愛も変わらず俺の席の上でおっぱいをぷるぷる揺らして笑っていた。
 
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