プロローグ 始まりと別れ
「咲!待てよ・・・お前は俺が愛していたんじゃないのか?お前までそっちに行っちゃだめだ!」
俺は何か悪いことをしたのだろうか・・・・・
「カイム・・・・男の人はもういらないの!女の人だけで子供が作れるの!」
ああ・・・遠ざかっていく・・・・・
いつも俺の近くにいて笑ってくれていた人が・・・・
「でも・・・俺は咲を愛していた・・・咲もそうだろ!そういっていたじゃないか!」
「状況が変わったの!あなたと私は敵同士!殺しあう仲なの!本とは今殺さなきゃならないのに見逃してるのよ!あたしだってカイムを殺したくない!」
ああ・・・・・
止められない・・・・・
「ならこっちにくるんだ!っ!!これは・・・・」
「あなたのようなまだ普通の人間の動きを封じるぐらいならこれで十分・・・」
体が動かない・・・・・
咲の意思で離れていく・・・・・
今度は操られてない・・・・・
「行・・・・くな・・・」
「さようなら・・・・・あたしの最後に愛した人間・・・・・」
今分かれたら次に会えるのはいったい何年後なんだ・・・・・?
もう会えないんじゃないのか・・・?
咲・・・・・行かないでくれよ・・・・そっちに行ったらあと72年は会えないんだぞ・・・なんで・・・・俺がどこかで間違えてこうなったのか・・・?
カイムが横たわる地面は冷たく、何もなかった。ただあるといえば近くに転がっている男たちの腕や足などの体の一部だけ・・・・女のものはほとんどない。
ああ・・・・悪魔が迎えに来てる・・・
わかる・・・悪魔だ・・・・・間違いなく悪魔・・・・
何でこんな目にあったんだ???
もういやだ・・・・
「おまえ・・・生きているのか・・・」
「あ・・・ばぁ・・・が・・」
これでなるんだ・・・・
ああこんなオカルト1年前は誰が信じただろう・・・・・
俺は悪魔になろうとしている・・・・・