昼休み、生徒たちがチチクリあう校舎、その最上階では極秘会議が行われていた。
最初に口火を切ったのは、髭を腰まで蓄えた怪しい風貌の男だった。
多摩川「さて会議をはじめるとしよう。議題だが……」
中津川「れひのぉ、てんくぉせぃい」
多摩川「中津川君、昼間から飲酒するのはやめたまえ」
中津川「はひぃい」
酔っ払いに目を向けて呆れ果てた顔が揃う中、アラフォー雑誌を脇に抱えた女が咳ばらいをした。川木保芸、家庭科教員である。
川木保「ゴホン、つまり中津川先生は、我々のミッションを、あのミニスカ転校生が暴きに来たと、こうおっしゃるのですね」
オカッパ頭に組まれた腕。全身をカラスのごとく黒い服で覆い、ボトムスに日の丸をキュビズムであしらったスカート。かつてはパリのプレタポルテデザイナーの下で服飾を学ぶも、あまりに前衛的なセンスは紙一重でセンスなしとみなされ田舎に下野、今は家庭科教員としてこの学校に勤務している。
多摩川「ふんむ、我々のミッション、それは極秘埋に進めなければならぬ。そのためには多少の犠牲など。川木保君、やってくれるかね?」
川木保「ええ、あれなる小娘、男子生徒たちに色目遣って……まったく気に入らない、始末はおまかせ下さいまし」
多摩川「これこれ、生徒をそのように。主もワルよのぉ、フハハハハ」
川木保「まあ、多摩川先生こそ」
多摩川・川木保「フハハハハハ」
中津川「フヒハヒハ」