ある日 父が金魚に変身する。
僕は毎日父に餌をあげる当番になる。
ある日一回だけ餌をあげる事を
忘れてしまい母にひどく叱られる。
僕はイライラしながら
「勝手に金魚になった父さんが悪いんだ!」
と母に言い返す。
すると母は
「あなたも金魚になってしまうかもしれないのよ」
と静かに言う。
「ならないよ!なってたまるもんか!」
僕は叫び 父の方を見る。
父はビー玉のように虚ろな昏い目で僕を見返す。