いかにも気難しそうな男が黒板に呪文のような方程式を書き連ねている。
世界中の数学者達が束になっても解けない問題が
今一人の男によって解き明かされようとしている。
男が最後の数字を書き込んだ時、黒板が怪しく光る。
複雑に絡んだ数式の間から絶世の美女の姿をした悪魔が現れる。
悪魔は男にもたれかかり、甘ったるい声で
魂を代償に願いをかなえてやるとお決まりの台詞をささやく。
男は眉ひとつ動かさずに後ろを指差さす。
そこには男と契約を結ぶべく大勢の悪魔達が椅子に座って
男の用事がすむのを待っている。
悪魔はそれを見て目を丸くし男に何か言いかけたが
他の悪魔達からの見えない重圧を受けて仕方がなしに空いてた席に腰をかける。
男は大儀そうに黒板に書いたものを消すとまた新たな問題を解き始める。