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「白い」

俺はうつ伏せになりながら呟いた。
暇潰しに歯軋りをしてみる。
すぐに飽きた。
むくりと起き上がってみて周りをグルッと
見てみるものの、見渡す限りの白 後トイレ
「・・・やっぱりそうだよなぁ」
とまた呟いて床に身体を落とす。

「ドコなんだろうなぁ・・・ココ」

思い返せば・・・恐らくだが昨日の夜。
パソコンでネットサーフィンしている最中にあるウィンドウがピョコンと表示された。

『かくれんぼう しませんか?』

「何だこれ」
ウィルス対策は完璧なハズだったが急に表示された窓。
特にエロサイトを徘徊してたワケではない。
「何かノートン先生働けよなー」
と愚痴りながらウィルススキャンしてみる、が
「・・・あれ?ウィルス入ってねーや」
余計に謎は深くなる。じゃあコレはどうして表示されたのだろうか、と
警戒しつつも説明文を読んでみる。

「一週間の内鬼に一度も見つかる事がなく
逃げ切った者には1000万円!!
尚鬼から逃げる時間は一日1時間
その間の23時間はナニをしようと自由です。
待遇良~」

「ナニコレ」
あまりの馬鹿馬鹿しさにププッと笑ってしまった。
「でもこんな広告でクリックするヤツなんかいるのか?」
アホくさいと言い捨て窓を消そうとする。

カチッ
ピョコン

「あ?」

カチッ
ピョコン

「うぜぇw」

「カチカチカチッ」
「ピョコピョコピョコ」



・・・そうか。消せないのか。コレはウザいな。
チッと小さく舌打ちすると少々考え込んだ。

もしかして新種のウィルスか。
でもノートン先生も他のウィルス対策もバッチリだし一度
・・・見てみるかな。

軽い悪戯心でカーソルを[OK]にまでもっていき
「まぁ大丈夫だろ」
と吐き捨ててクリックした。












そして気が付けばこの現状だ。
ナニがナンだかさっぱりだな。

どうせ夢だろうと思い頬もつねり眼もゴシゴシとこすってみたものの
特に変わりなし。
どうすりゃいいんだろうな
ともう一度見渡してみる。

確認出来るのは鍵の掛かった扉
和式トイレ
冷蔵庫
ベッド
電子時計

・・・だけ。
本当にそれだけなのだ。
後はただひたすら白い壁部屋の広さは大体畳6畳・・・よりもうちょっと大きいだろうか。


「冷蔵庫の中は・・・水が入った500mlのペットボトル何本か。
後は・・・ウイダーインゼリーか。」

食料の量的に持って一週間・・・一週間?

「かくれんぼ・・・」


まさかな
いやだが・・・

・・・考えたくないな。


「頭が回らないし寝るか」
とベッドに目を向けると白い何かがある事に気づく。

「手紙・・・?」
丁重に張られたシールを剥がし封を解き中の紙を取り出す。
2, 1

  

「ようこそ かくれんぼうへ
ココでは名前の通りかくれんぼうをしてもらいます
時間は毎時23時から24時の間
それ以外の時間は部屋内でなら何をして頂こうと自由です。
何か希望がありましたらこの手紙の裏ににご記入ください。
尚鬼に見つかり捕まった場合は死ね」

「・・・」
溜め息をついて手紙を握り潰す。
「・・・確定・・・か」
時計を眺める。
静かにだが確実に時間を進めていくサマを見届けた。
「22時30分」
手紙の通りなら後30分で かくれんぼ とやらが始まるのであろう。
「うおおおおおおおおおおおお!!!!」

意味も無く叫んでみたものの反射音も無く静粛が身を包む。
やるしかないのであろう。

俺、「風見 雄太」は絶望と恐怖を覚えた。
3

肉 先生に励ましのお便りを送ろう!!

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