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第一章・スクール水着の変化の歴史

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 スクール水着の変化の歴史を辿る前に、まずスクール水着の定義を明らかにしておこう。
 スクール水着とは、その名の通り学校(School)の体育教育における水泳授業において使用される着衣であり、水着の一種に分類される。ビキニ水着を始めとする他の水着とは一線を画するその高いデザイン性と芸術性は、我々スクール水着愛好家を惹き付けてならない。
 スクール水着がいかに優れているかを具体的に検証するのは第二章まで待っていただくとして、この章ではスクール水着がどのような変遷を辿ってきたかを順を追って説明する。
 なお、この章においてはネット百科事典ウィキペディアのスクール水着の項目を大いに参考にさせていただいたので、スクール水着の純粋なデータのみを求めている方はそちらを参照していただければと思う。ただ、ウィキペディアにおけるスクール水着の項目はそれなりに充実し、スクール水着支持者が一般にも少なからず存在することを如実に表してはいたものの、スクール水着が持つ独自の魅力やそれに関する事例はまったくといっていいほど書かれていなかった。恐らくは独自研究を禁ずるというウィキペディアのガイドラインが影響しているのではないかと思われるが(ウィキペディアのルールは新都社とは比べ物にならないほど厳しい。誤解しないでもらいたいが、僕は決して新都社をルールが緩いとして非難しているわけではない。むしろ常識に囚われない自由な創作活動が可能である新都社には好感を抱いていて、だからこそこうして新都社で小説家や評論家の真似事をさせていただいているわけである)、それにしても淡々とデータのみが綴られた内容には一言物申させてもらいたいと思う。
 まず、スクール水着の秘める魅力、言うなれば『萌え』は、すでにここ日本においてはアニメや漫画、ゲームといったサブカルチャー系のエンターテインメント作品の影響もあって急速に浸透し、もはや一つのジャンルとして確かな地位を確立させているわけであり、そのことにありとあらゆる知識と教養の集合体であるべきウィキペディアが一言も触れていないのは嘆かわしいばかりである。
 というわけで、『スクール水着の優位性』においては、データは参考程度の記述とし、それに関する僕自身の主観を織り交ぜる方式を取らせていただこうと思う。
 始めに、スクール水着の概要について触れる。
 まずは色だが、これは紺色と黒色の地位が圧倒的であり、その地位と存在感は磐石である。特に紺色はイコールでスクール水着を連想する者も少なくないほど一般的な色であり、スクール水着愛好家の中にはスクール水着は紺以外認めないとするほどの強硬派もいる。
 その理由としては、紺色や黒色がもたらすコントラストが挙げられるだろう。
 少女の白い肌とは対照的な紺や黒といった暗く重厚な色合いは、逆に少女の肌をより一層引き立てる効果を発揮することが知られており(これを僕は『ギャップ効果』と呼んでいる)、紺や黒に次いでよく見られる色である青や水色、緑や赤、えんじなどを採用した水着ではそれが不可能であることから、紺(あるいは紺と黒)を信奉する者は後を絶たないのである。
 かくいう僕も紺色と黒色こそがスクール水着における王道であり、それ以外の色は亜種、言うなればキワモノだという考えの持ち主ではあるが、それでもそれらの色がスクール水着の色として失格かと問われれば迷うことなくノーと答えるだろう。
 亜種には亜種の、キワモノにはキワモノの良さがある。
 例えば少女の白い肌を活かすとなれば、ピンク系統の水着も効果覿面だろう。少女の肌とのコントラストによってのみ価値を発揮する紺・黒系統の水着とは違い、ピンクにはそれ単色にも可愛らしいというイメージがあり、それゆえにピンクこそがスクール水着の主流に相応しいと推すものも少なくない。
 さらに言うなら、これらの色は少女の肌が白、あるいは標準的な肌色であることを前提とした『王道』であり、こんがりと日焼けした小麦色の肌を持つ少女には、これらの水着を着せても白・肌色の少女の場合ほどの効果は見られない。
 ならばどうするのかと言うと、この場合は白色の水着を採用するのである。
 白ならば、ギャップ効果を小麦色の少女にも発生させることが可能であり、また白はピンクほどではないものの可愛らしいイメージを持ち、また少女には欠かせない要素である純粋さ・清廉さを示す色でもある。
 ただし嘆かわしいことに、白は濡れるとすぐに乳首やアンダーヘアが透けるという理由から、学校指定水着のカラーとしては敬遠されがちであり、どちらかというとAVのコスチュームとして採用されることのほうが多い。ただし、旬を過ぎた女性が媚を売った表情で破廉恥な露出を行うような映像作品においては、スクール水着の価値も台無しになっているため、同志諸君にはたとえ白のスクール水着を着用した女性が見たくなったとしても、その手のAVには手を出さないことをお勧めする。そもそもAVはスクール水着を着ようがメイド服を着ようが巫女服を着ようが、最後には結局脱がしてしまうのである。また、我々が求めるのはコスプレとしてのスクール水着ではなく、小・中・高の少女たちが純粋に体育の授業における義務として身に付けるスクール水着であるため、AVでは(それが小・中・高のプールの隠し撮りでもない限りは)その興奮と達成感を味わうことはできないのだ。
 だいぶ話は逸れたが、もう一つ、紺や黒を強く押す者の主張を紹介する。
 それは、またしてもコントラストによるギャップ効果の話である。
 紺や黒のスクール水着は少女の肌だけではなく、我々男性が絶頂時に放出するいわゆる精液とも対を成し、視覚的な感動を与えてくれるというものだ。
 確かに白を始めとする明るい系統の水着では、精液をかけたときに若干目立ちにくくなることは目に見えている。スクール水着を着た少女の、その水着の上に射精することにより、美しいものを自らのもので汚したという背徳感とそれに伴う達成感、優越感を味わいたいと切に願う男性にとって、紺・黒はまさに必須条件なのである。
 だが、近年では事故防止の目的からか、水中で目立つオレンジ色を採用する学校が増えているのだという。僕はオレンジには特に思い入れもないのでここでは詳しくは語らないが、オレンジ色のスクール水着を信奉する者にとっては、ようやく報われる日が来たといったところだろうか。
 なお、スクール水着の素材は基本的にナイロンやポリエステルなどの化学繊維だが、日本のみならず東アジアにおいてはスクール水着はある程度普遍性を帯びた、共通のものらしい。外国の少女がスクール水着を着ている姿に興奮するという嗜好を持っている方は、旅行するなら東アジア圏内の国をお勧めする。なお完全に話は逸れるが日本は特定アジアと呼ばれる中国・韓国・北朝鮮の反日三国以外のアジア諸国からは、先の大戦で結果的に欧米列強の支配から解放してくれた国だとして概ね良好な評価を受けているので、それらの国を訪れるのをお勧めする。ただし、せっかく偉大なる先人たちの尊い犠牲の下で培われたその評価が覆ることのないよう、くれぐれも良識に基づいた行動を行うこと。
 では、前置きはこれくらいにして具体的なスクール水着の種類について記述したいと思うが、予想以上に前置きが長引いてしまったため、第一章は内容を二分割することにした。
 なお、私事ではあるが僕は本日、一年生の男女が混合で水泳の授業を受けたことを知り、今、大変憤っている。僕たちの学年は一年・二年と徹底した男女別水泳授業を行ってきた上、今年もまたその方針を貫くことを明らかにされているため、明日から始まる水泳の授業に臨む気力はすでにほとんど失せている。
 皆さんも僕と同じ悔しさを味わうことのないよう、少女たちのスクール水着姿は見れるうちに存分に見、記憶の中に鮮明に焼き付けておくことをお勧めする。
 では、第一章の前半はこれにて幕とする。
 さて、第一章の後半では予定通りスクール水着の種類について語らせていただくとするが、まず近年におけるスクール水着の目覚ましいモデルチェンジには驚嘆せざるを得ないだろうということを記述しておく。男子生徒用のスクール水着が戦後まったくと言っていいほど変化せず、昔と変わらぬまま今に受け継がれているのに対し、女子生徒用のスクール水着は今日においては旧・旧旧・新・競泳・スパッツの五タイプに大別できるほどの充実ぶりである。これはもちろん、現場のニーズによるものが大きい。突き詰めてみれば学校教育における体育教科、その中のごく限られた単元であるところの水泳授業でしか使用されることのない(もちろん、海水浴や市民プールでスクール水着を着用する女性も少なからずいるが、本格的に水泳を嗜む者以外は、基本的に年齢を重ねるうちにビキニなどに移行していくのが自然である)スクール水着に、これだけ多くの種類が存在することはある意味異常なのである。もちろん、我々スクール水着愛好家としては喜ばしい限りではあるが、そういった個人的な思い入れ抜きで考えてみれば、その尋常でなさに嫌でも気付かされる。
 これは、一言で言うと男女の意識の違いである。
 男子にとっては自身が着用するスクール水着などあくまでもただのスクール水着である。それ以上でもそれ以下でもなく、そこには必要最低限の水着としての機能さえあればいい。と、多くの男子はそう考えている。ゆえに、男子用のスクール水着は変化もしなければ進化もしなかった。男子がそれを望まなかったからである。
 しかし女子は違った。皆さんも知っての通り、女性とは自分が異性を含む他人からどう見られているかを過度に気にする人種である。それゆえに女性は男性以上に自己を磨き、また少しでも自分を良く見せようとする努力を惜しまない。そんな彼女らが、たとえ水泳授業でしか縁のないものであろうと、自身が身に付けるものであるスクール水着にファッション性を求めないはずがないのだ。女子は自身を美しく見せたい。可憐に見せたい。だからスクール水着にもそれ相応のものを求める。ゆえに女子生徒用のスクール水着は、女子たちの需要に応えて日々進化を続けてきた。その結果が、前述の五つのタイプ化である。
 まず旧タイプだが、これはその名の通りかなり前から存在するタイプの水着である。
 前側の股間部の布が下腹部と一体ではなく分割されており、下腹部の裏側で重ねられて筒状に縫い合わせてあるのだ。前から見るとスカートのように見える、と言えば、大体どのような形状をしているのかイメージできる方も多いだろう。ゆえにまたの名前をスカート型、あるいはダブルフロントという。その独特の形状の理由には諸説あり、「身長の伸びや運動に応じての布地の伸縮をある程度許容するため」「胸元から入る水流を股間部で逃がすため」などが有力である。また、このタイプの多くは背面がU字型となっている。伸縮性に乏しいという弱点があり、それを補おうとした結果分厚くなってしまったものも多かったという。ちなみに余談ではあるが、ここまでの記述で股間部や下腹部といった単語に過剰な反応を見せた者は僕の同志である。
 続いて時系列的には入れ替わるものの、旧旧タイプを紹介しよう。
 スカート状の上半身部とブルマー状の下半身部が分離していて、旧タイプとは違いスカートが後ろにも存在している。ちなみに旧タイプが旧タイプと呼ばれるようになってから、このタイプはそれに伴って旧旧タイプと呼ばれ始めたわけであり、それまでは特に名称はなかったようである。このタイプの内部構造は独特であり、上半身部を脇の下辺りまでめくり上げることが可能になっている。ただし上半身部内側に全周にわたり裏布が配してあり、さらにその裏布に下半身部上端が縫い合わされているため、残念ながら上半身部をめくり上げても肌が露出することはなく、また下半身部のみを脱ぐことはできない。旧旧タイプとはいえ、少女の裸体を隠し守るだけの機能は十二分に備わっていたということである。なお、このタイプはその独特の形状からか、サブカルチャー作品においてよく描かれることの多いタイプでもある。ただしこのタイプの一般における認知度は極めて低い。
 続いて新タイプであるが、これはスクール水着と言われたときに多くの人が思い浮かべるタイプであろう。一般的なワンピース水着同様に前部の布と後部の布が底部で縫い合わされており、股間部は分割されていない。また背面の形状はU字型以外にもY字型も存在する。下半身部の形状は競泳タイプとある程度類似するものの、素材の差ゆえか競泳タイプよりゴワゴワするものも多い。ちなみに私事ではあるが、僕は本日、ついに念願だった同級生女子のスクール水着姿を、グラウンドでソフトボールをしながらではあるが目撃することができた。手元に双眼鏡あるいはデジタルカメラがなかったことだけが心残りではあるが、可憐な少女達と奇跡の布とのコラボレーションを目の当たりにすることができたので十分満足している。この感動は高校生活三年間の中でも特に輝かしいものとして永遠に記憶されることだろう。
 話を戻して、次は競泳タイプである。
 これは要するに競泳水着のデザインを踏襲したスクール水着で、他のスクール水着とは違いさほどシンプルではないといった点が挙げられる。とはいえ健全な学校教育を問題なく実施するための都合上、背中の開きはさほど広くない製品が多い。ただしこのタイプが一番、紺や黒以外の様々な色を使用することが多いという点は評価すべきである。また、一般的な競泳水着に学校のロゴを入れたりオリジナルデザインにするなどしてスクール水着として使用する場合もあり、その場合は学校指定水着らしからぬハイレグなボトムラインとなることも多い。ローレグよりもハイレグという方がいれば、台湾に行くといい。台湾では、比較的強いハイレグカットを導入した例もあるようである。
 最後にスパッツタイプではあるが、これが現時点では最も新しいタイプの水着である。
 ボトムラインをスパッツ状とし太ももを半ばまで覆う形状にしていて、「ユニタード水着」という別名も持っている。トップとボトムを分割しセパレーツとしたり、トップに半袖を追加したりと独自の進化を遂げているので、今後新しいタイプの水着が出現するとしたら、このタイプをベースにしたものになる可能性が高いと、僕はそう踏んでいる。
 女子生徒用のスクール水着は以上であるが、男子生徒用のスクール水着に関しては特に語ることはない。ボックス型、ビキニ・ブリーフ型、トランクス型が存在するようだが、まあ実質的にほとんど同じようなものであるし、どれもこれも女子におけるビキニ水着同様、下着の型を転用したに過ぎないので魅力には乏しい。
 なので以上をもって第一章『スクール水着の変化の歴史』を終わりとさせていただく。
 次章ではいよいよ本格的に、ビキニ水着を比較対象とすることでスクール水着の素晴らしさを浮き彫りにしていこうと思う。
3, 2

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