リボルバーエフェクト (原作:バタフライエフェクト)/顎男
コンビ打ちをした二人は喫茶店に集まって勝ちを分配する――そんな古い習慣ではないけれど、石油王ラリア・ヤゾフと代打ちジョン・ドゥの二人は帰り道にカフェの扉をくぐった。時刻は夕刻深く、店内に人影はない。
逢魔ヶ時ですね――と夕日に目を細めてジョンドゥが呟いた。そうね、とラリアは答えた。もうすぐ夜になるわ。
静かなんだか明るいんだか決めかねるBGMを耳にしながら、ボックス席に腰を下ろす。座るなりラリアが葉巻を取り出して吹かし始める。
「いつも思うんですが」とジョンドゥはニコニコ笑っている。「注意されたりしないんですか?」
「え?」
「葉巻。セーラー服で街中ですよ」
「ああ」とラリアは今気づいたと言わんばかりに視線を下ろした。
「べつにいいのよ、誰にも迷惑かけてないし。それに今時、わざわざ自分から厄介事に首を突っ込むバカがいる? みんなつまらないことで刺されたりするくらいなら、見なかったフリして店の看板でも眺めるわよ」
「なるほど、三十六計逃げるにしかず、ですね」
「なにそれ? しかず?」
なんでもありませんよ、あ、コーヒーひとつ――とジョンドゥが店員に呼びかけたのでラリアも手を挙げて紅茶を頼んだ。ジョンドゥがとぼけたように口をすぼめた。
「ミルクじゃなくていいんですか」
有無を言わさず殴りつけようとしたがジョンドゥはヒラリと身をかわしてしまう。まったくもって可愛げがない。
「私はね、太りにくい体質なの。牛乳なんかいくら飲んだって無駄――」と自分で言っていて悲しくなり浮かしていた腰をストンと下ろした。
「すいません、本気で落ち込ませる気はなかったのですが」
よっぽどひどい顔をしていたのかジョンドゥが心配げに顔を覗き込んで来、ラリアは慌ててぶんぶんと手を振った。
「いいわよ、もう。あ、眩しいからブラインド下げて」
ハイハイ仰せのままに、とジョンがヒモを引き夕日を輪切にした。
こうした落ち着き払ったジョンドゥの挙動を見ていると、自分の言動や思考は実は彼にすべて操作されているのではないか――とラリアは思う時がある。思えば出会ってから、彼が驚き戸惑うところを見たことがあるだろうか。
いつかびっくりして目を丸くしてる彼を見てみたいな――などと考えながら頬杖を突いて紅茶を待っていると、気の弱そうなバイトのボーイがやってきて、
「お、お待たせしました」
とカップを二つ置いた。ジョンドゥは笑っている。
なみなみと注がれたミルクを前にして石油王ラリア・ヤゾフのコメカミを走る血管がブチ切れた。
可哀想に店の奥に連行されてしまったボーイに黙祷を捧げると、ジョンドゥは自分に来たコーヒーに口をつけた。
苦いが、それでいい。甘いと口に残って鬱陶しい。口の中にいつまでもその日に飲食したものの味が残っているのは好きではない。
ラリアの怒声が店員の住居らしき方角から轟々と響き渡ってくるのをBGMにしながら、ジョンドゥは束の間の休息に浸っていた。
もう一日が終わる、そんな意識を持っていたのかどうか、ジョンはその人物の接近に気がつかなかった。また、視界に入ってからも自らの通う高校の制服姿を見て特に敵性因子ではないと判断を下した。
それが誤りだった。
女子生徒は店内をとことこと進んでくると当たり前のようにラリアの座っていた席、ジョンの対面に腰かけるとミルクを一口飲んだ。
初めまして、と彼女は小首を傾げ、ジョンもこちらこそよろしく、なんて返事をした。ところで、と上目に相手を視界にロック。
「誰ですか?」
「君の敵――」
毒々しいほど黒い銃口が、非日常の到来を告げた。
「安全装置が外れてませんよ」
ジョンドゥが余裕たっぷりに眼鏡のつるを押し上げながら言うと、少女はアハハと笑ってコルト・パイソンの狙いを逸らした。
「オートマは嫌いでさ、銃もバイクもマニュアルだよ」
ジョンは感心したようにウンウン頷いた。
「いい心がけだと思います。機械任せはよくありませんから。
ということで、どうでしょう。銃ではなく素手でファイトしてみませんか?」
少女の肩が小刻みに震えた。冗談を言ったつもりはないのだが。
「わたし、負けないよ? でも遠慮しとく。今日はケンカしに来たんじゃない」
いつの間にか、銃口がジョンを再び捉えている。
その闇に問いかけるようにジョンが口を開いた。
「では、何をしに」
「奪いに」
「奪う?」
店の奥から、ラリアの甲高い声が鳴り響いている。ボーイが何か口答えをしてしまったらしい。
少女がそちらを窺うように首を伸ばした。隠れている獲物を見つけたハイエナのような視線だった。
ジョンの拳がテーブルの下、密かに握り締められた。
「なにが目的ですか。お金なら、いくらでも払いますよ」
「お金? そうだなぁ、いくらくらいなのかな?」
少女が顎を捻って考え込むポーズを見せる。
「彼女の値段は、さ」
「いくら積んでもいいですよ」
それを聞いて少女がくすぐったそうに身を悶えさせた。
「な、なんてラブラブなんだ! わたしは感動した!」それでも銃口は向けたまま。
不気味な少女だ、とジョンは思っていた。拳銃の脅威に屈服はしていなかったが、少女の目的や正体にまったく想像が働かない。
この様子では金も目的ではないらしい。ではなぜ自分たちに近づいた。
自分たちの活動を邪魔に思う組が差し向けた暗殺者? それにしては仕事の過程に無駄が多すぎる。さっきのんきにオーダー待ちをしていた時、外の通りからガラス越しに二人まとめて殺せたはずだ。
まったく重さを感じさせない銃の取り扱いから、ジョンは彼女の腕のおおよそを見抜いていた。
「ええと、なんだか話がよく見えないんですが。とりあえず誰なんです? お金がいらないなら、殺しに来たと?」
「命はいらない。くれるならもらうけど」
「それで?」
「わかってるくせに」少女はじれったそうに微笑んだ。ブラインドを開けてこの光景を通行人がいたら、普通のカップルにでも見えるのかもしれない。
少女がぐっと身を乗り出して顔を近づけてきた。胸元から白い肌がちらりと見えた。
「同じ匂いを感じない?」
「あいにく、鼻が詰まってまして」
「いじわる」
「冗談ですよ。ですが」
拒絶するように少女を押し返すと、ジョンドゥは静かに卓に肘を突いた。
にっと笑って少女に言い放つ。
「僕は、負けませんよ」
「勝つことと負けることは違うよ、ジョンドゥ君」
じっと二人は睨み合う。
穏やかな会話の裏に、ひりつくような殺意をこめて。
「で、何で勝負するんです。麻雀ですか。確かちょうど向かいに雀荘があったはずですが」
「麻雀、得意なんだってね」
「いえいえ、まだまだ未熟者で教わることの方が多いですよ」
「あはは、ホントに腰が低いんだ。噂通り」
「僕のことを聞いてるようですね。どこかの組の代打ちか何かですか?」
「いいや。わたしはただのチンピラだよ」
ジョンはまじまじと女子高生の格好をした少女を観察した。
ライアは勝気で強そうな美人だが、少女はどこか儚げにも、無邪気にも見える容姿をしていた。どちらが好みかアンケートを取ったら面白そうだ、とジョンはのんきに考えた。
「あなたはこの世でチンピラという言葉から最も程遠い印象を受けますが」
「褒められてるのかな?」
「ええ、もちろん」
「ありがと。でもこれからやるゲームは、見かけほどお行儀よくないんだ」
「と、言いますと?」
少女はスカートに左手を突っ込むと七枚の百円玉を取り出し、卓に置いた。
「ミルクはそんなに高くないですから、お気になさらずに」
「違うし! これ使って遊ぶんだよ!」
「分かりました。だからどうか銃を振り回さないでください」
どうどう、とウマをなだめるようにジェスチャーするジョンを少女は頬を軽く膨らませて睨む。
「今度からかったら撃ってやるから」
「やめてください」
普段なら愛らしく思える仕草も凶器を持っては形無しだ。
「それで、ルールは?」
「簡単だよ。子どもだってできる。ただ底なしなだけで」と少女はパッと顔を明るくさせて、まるで友達の自慢話のように語る。
「わたしはこの七枚の百円玉を、表か裏で並べて積んである。当たり前だけど。で、君はそれを当てる。
この拳銃には六発の弾丸が入ってる。君が当てるたびに、一発ずつ君にあげよう。それがわたしの賭けるもの」
「不満ですね。僕が不利すぎる。一発でも残していたら意味が無い」
「これぐらいやってみせてくれないと、わたしはわざわざ出張してきた甲斐がないよ。
それじゃ、こうしよう。わたしはラリアさんを撃つ時、目を瞑っている。六発全部使えば確実に殺せるけど、一発か二発だったら殺し損ねるかもしれない。どう?」
「それ以上の譲歩なんて、するつもりがないんでしょう」
「あたぼうよ」
「いいですよ、やりましょう。ただ、いくつかハッキリさせたいことがあります。いま、一番上の七枚目の百円玉は桜の模様を向けていますが、これは表? それとも裏?」
「表ってことにしとこう。よく知らないけど。数字が書いてある方が裏で。オッケー?」
「オッケーです。それと、途中でラリアさんが戻ってきてしまったら?」
「その場で撃つ」少女の眼球は固まったように動かない。
「その時をタイムリミットにしよう。さ、急がないと大事な彼女が蜂の巣にされちゃうよ?」
「させません」
「なら、やってみせなよ」
顎で示された百円玉の塔に、ジョンはすっと手を差し伸べた。
その果てに沈んでいる勝利を拾い上げるために。
自分なら、どんな風に配置するだろうか。
まず、すべてが裏、あるいは一番初めの裏以外がすべて表。
この一貫系は大抵の人間を仕留められるだろう。誰がそんな見え見えの配置をするだろうか。
しかし一発勝負のこの時において、その戦略は必勝法になりうる。
桜の模様の次は、数字か桜か。
この少女は自分を名うてのギャンブラーと聞いて挑戦しに来たのだという。
その相手に、単純な一貫を仕掛けてくるだろうか。それで勝ってもあまりにも味気ない。もっと工夫を凝らしたくなるのが人間のサガではないだろうか。
それにある程度のランダム性、たとえば桜桜桜百では少女は四度目もジョンが桜を予想すると思い罠のつもりで百を置き、ジョンもまたその思考に辿り着き回避する可能性が高い。それ以外であっても、偶然を頼りに気の向くまま表裏を言い募っていたらゴール、ということもないわけではない。
その偶然を一貫は封殺している。一貫は確固たる意志なくしては張れない道なのだ。
けれど、だからといって確証などないのだ。
この少女がただのギャンブルジャンキーで、セオリーなんて無視していい加減に配置している最悪のケースだってありうる。
もっと少女のことが知りたかった。データが圧倒的に不足している。
この手の人格が投影されるゲームは相手のことをより知り尽くした方が勝つのだ。
情報戦という見地から、自分はすでに敗北している。相手は自分のことを細かに研究してきたはずだ。
少女はすでに銃口を下ろしていた。余裕の表れに他ならない。
博打はナメられた方が負ける。ハッタリをかませなくなるからだ。
相手の心を追い詰められなくなったら、勝ちの芽はもうないのだ。
なにか手がかりになることはないものか――とジョンは少女を観察してみる。そんな時間はないけれど、惜しんで負ければ相手の思う壺だ。
ふと少女の胸元に目がいった。普段見慣れているラリアのものと無意識に比べ、正しい発育とはこういうものかと感じ入った。
すっと塔を手で覆うようにすると、
「裏」
と言って一番上の百円玉をどかした。
百の文字が、ぬらぬらと光っている。
「ふふふ」と少女が制服の下に着ているTシャツを人差し指で引っ掛けた。
本来は首の後ろの襟にあるはずのタグが、前向きの外側にあった。
「凄いね」
「気づきますよ、そりゃあね」
「違うよ。大切なのは気づいた後なんだ」
「まあ、あなたがミスリードしてくる可能性はありましたが、あなたはむしろそうやって深読みしていく相手を殺しそうだと思いまして」
「わたしって悪い女に見えるんだなぁ」
「違うんですか?」
少女は答えず、ぴっと塔を指差した。
「じゃ、次いこうか」
「ええ」
いつの間に抜いたのか、卓の上に弾丸がひとつ転がっていた――。
今度は店員の怒鳴り声が轟いた。一瞬の沈黙の後、ライア・ヤゾフという名の火山が大爆発し棚に飾られたカップがびりびりと振動した。
「こっわー。君、尻に敷かれてるでしょ」
少女が怯えたように身をすくませる。ジョンは親しげに肩をすくめてみせたが、心中は微塵も相手に気を許してはいない。
「そうでもないですよ。あれで可愛いところもあるんです」
「あーもう、本人に言ってあげなよ、それ。喜ぶよ」
「まさか。僕と彼女はあくまでスポンサーと競走馬の関係ですよ」
「ニブチンめ……」
「は?」
「いいから選びなよ、撃っちゃうぞ」
「いいえ、もうその必要はありません」
「なぜ?」
「僕の勝ちですから」
死神の鎌の形に、ジョンの唇が歪んだ。
塔に手を伸ばすと
「裏」
人差し指で一番上の硬貨を払うと、百の文字。
「裏」
何を頼りにしているのか、迷うこともなく再び決定。
百の文字。
少女が生唾を飲み込むのを視界の端に捉えながらジョンは
「裏」
またも当てた。
(次も裏。考えるまでもない)
ジョンの思考には微塵も疑念が混ざっていない。
その理由は、さっきの一瞬。
手で塔を覆った時、反対の手ですべての硬貨を裏返したのだ。
触れた瞬間にコインの配置は見なくてもわかる。麻雀の盲牌ができて、硬貨でできぬ理由がない。
カジノなどで手馴れたプレイヤーがコインをひっくり返して弄んでいるが、その高速バージョン。
ただ指で硬貨の腹を探るよりも一気にひっくり返す方が速いためすべてを裏返したのだ。
だから本来は表の位置で配置されていたものが、少女の目の前で裏として暴かれている。さぞや驚いているだろう。
負かしてしまうと暴れられるかもしれないから、彼女がいつ銃の引き金を絞るか見ておかねば――
だが、ジョンのこの心配は杞憂となった。
少女は顔を上げて、にっこりと微笑んだ。ジョンの背後に向かって。
「初めまして、ライアさん。そして」
コマ送りのように、銃口がジョンから逸れていた。
「さよなら」
「っ!」
ジョンはラリアの名を叫びながら振り返った。
……誰もいない。
息が漏れないように腹に力をこめながら振り返ると、ジョンの手元にあったはずの塔は、少女の手元に引き寄せられていた。
残り三枚。わずかにずれて積んである。
「君みたいに上手くはできなかったけど、ま、上出来でしょ?」
「……ええ、僕が師匠だったら免許皆伝してあげてもいいです」
「やった、嬉しい! ありがと、ジョンくん!」
「……どういたしまして」
「ね、ジョンドゥっていい名前だよね」
「そうですか? 身元不明という意味ですが……」
「後片付けが楽そうでしょ?」
こいつをライアに会わせてはならない。絶対に。
ジョンは歯を食いしばって残りの三枚に熱い視線をぶつけた。
なにもかも、振り出しに戻ってしまったらしい。
勝機を逃した時の感覚が、ジョンの背中に忍び寄っていた。
もうここから先は運に頼っても仕方ない、そう身の内から湧いてくる逃避への誘惑をなんとか押さえ込み、ジョンドゥは必死に生き残りへの道を模索していた。
残り三枚ということは、潜らなければならない扉は二枚ということになる。
これが一枚だったら二分の一を信じて勝負! と行っていたかもしれない。しかし二枚だ。
四つの扉のうち、一つしかラリアの元へ通じていない。
それとも一緒に地獄の門を潜るか。それなら三箇所も通じている。
笑えない冗談だ。
いっそ、最初に考えたように彼女に踊りかかって拳銃を奪ってしまおうか。それが一番、現実的に思えた。自分は男だし、力負けするとは思えない。
だが、彼女の目つき、動き、そして闘気――それらから総合的に判断して、自分は恐らくテーブルを横断する途中で心臓を撃ち抜かれる。
どうすればいい。
彼女はいったいどの扉を選んだのだ。
一番上には百の数字が輝いている。自分が最後に開いた硬貨がそのままになっている。
「考えてる、考えてる」
もうジョンは答えない。その余裕はない。
「何をしに来たのか……君はわたしに聞いたよね」
なにか活路はないのか。
「わたしは、真実を知りたい。人の本当の気持ちが知りたい。
そのためには、こんな風に勝負するのが一番手っ取り早いんだ」
「…………」
「さあ、見せてよ。君の真実を。
わたしはただ、それだけを望んでる」
ラリアと店員の口論が、さっきから聞こえない。
自分が集中しているからか、それとも――
ジョンは決断を下した。最後の一瞬、唐突に閃いた可能性。
それにすべてを賭けた。
「裏……そして裏だ。
君はコイン返しをしていない……!」
時が止まってしまったかのように、少女は動かない。
リーチ勝負で麻雀牌をめくる時のように、生と死が混在する瞬間が流れ……
少女が静かに、シリンダーを開いた。
二つの弾丸が滑り落ち、涼しげな音を立ててミルクのカップの中を跳ね返った。
チンチロリンのように。
それが決着の鐘だった。
「っっっっっとに頭に来た。この店二度と来ないわ。いくわよジョン! ……ってなにそれ? 弾丸?」
肩を怒らせながら戻ってきたライアをジョンは少しぼーっとして見上げた。彼女を見て、じわじわと生存の実感が湧いてくる。
「疲れました」
「は? なんで?」
「ずっとあなたのことを考えていたので」
ぱあんと頭をはたかれた。ロシアでは無礼に当たるのかもしれない。
「で、これはなんなのよ」
ラリアはカップの中に転がっている弾丸をつまむと蛍光灯に照らした。
いつの間にか日は落ち、店内はより一層薄暗くなっている。ブラインドから入ってくるのは夕日ではなく街灯の頼りない灯りに変わっていた。
「今日の戦利品ですよ。あげます」
「ふうん。ま、くれるっていうならもらってあげないこともないけど?」
店を出て、しばらくしてからラリアが言った。
弾丸を満月にかぶせるようにして持ち上げ、
「でもアンタ、モデルガンの趣味なんてあったの?」
その時、初めてライア・ヤゾフはお抱えの代打ちが驚愕するのを目の当たりにした。
この日、誰よりも得がたい経験を手にしたのは、実は彼女だったのかもしれない。
【FIN】