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兄オタ/しう

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兄オタ  遠い未来の話の巻




 たくさんの拍手、サングラスの初老の老人はいつまでたっても変わらないなぁ。
 変わらないと言えば、目から黒い真珠を流すトットちゃんは今いくつなんだろう。
 もしかしたら老婆型アンドロイドで、実は人間では無いのかもしれない。
 髪型も顔も相変わらずのまま、お昼には彼女の部屋にゲストを呼び、土曜九時からは実はマッチョな紳士が司会のクイズ番組で元野球選手でゆで卵が大好きなあの人に絡んでいるのかもしれない。
 2022年の未来ではそう言う技術が流行っているのかもしれない。

「いいねぇ、今回の曲も。普段はどんな事して夏過ごしてるの?」
「いつもはバンドのメンバーとじっと家でゲームとかして遊んでいます」
「いや!それリーダーだけだろ」
 TOKIOもみんな40代越えたのにこのテンション、ジャニーズはすごいや。
 おなじみの曲が流れてCM。
 スポンサーも聞いた事無い会社の聞いた事無い商品。
 それは新型の洗濯機のCMだった。
 未来では洗濯機は、本当に全自動になって脱いだ瞬間洗濯機が脱いだ服を回収して一分で洗浄、乾燥、アイロンがけまでしてくれるのか、何と言う技術力。

 おっ、CMが終わった
「今夜のゲストはANIOTAさんです」
 盛大な拍手の中『ANIOTA』と書かれたテロップが表示された。
「どうも、お久しぶりですタモさん」
「何、もう一年ぶりだっけ?」
「はい、丁度昨年曲を出した時に出させて頂いて以来ですね」
「前回の曲『富士の樹海』も大ヒットしたよねぇ」
「はい、皆さんのおかげです。ありがとうございます」
 ANIOTAさぁーん、という黄色い声援に優しく手を振るANIOTA。
「今回の曲はどんな感じの曲なの?」
「はい、前回は富士の樹海オフを仲間たちとした時の遭難の思い出からインスピしたんですが、今回は部屋を真っ暗にして畳の目の数を数えていた時にインスピりました」
 サングラスの人が口を開けたまま”次の言葉が浮かばない”って表情した。
「あぁ、そうなの?…畳の目数えるの大変じゃない?」
 司会的に大変なんだろうけどたぶん今すっごい頑張ってると思う。
「はい、ひとつの畳に8900ぐらいあったんですが、途中で数を間違えてしまい二回ほどやり直しました」
「……」
「あっ、4畳までいったんですが途中で目の前に神が降臨してきて、12畳全部とはいかなかったんですよね」
「……」
「目の前がスパークしました。えっ…ああ、神って言うのは私が呼んでるだけで、正式にはインスピの神って呼んでるんですよ。いつも部屋でぼぉーっとしていると後ろに変な気配を感じるんですよ。いや!怖くないですよ。彼女は8歳くらいの幼女なんですよ、小学校上がりたてくらいな瞳が美しく輝いている少女で、私は彼女の事を『もえちゃ…」
「では、新曲お願いします」
「えっ…あっはい。では新曲『部屋と風呂とじめっとした台所と萌ちゃん8歳女子は俺の嫁』です。





『部屋と風呂とじめっとした台所と萌ちゃん8歳女子は俺の嫁』


 Woh, Wohwohwoh サマーデイズ
 Woh,Wohwohwohwoh 真実の眼

 誇れるもんが 絶対あるって
 余計な事は考えちゃいけないぜ
 洗わない 台所の食器が
 異様な匂いはなってるぅ
 やる事無いけど 暇じゃない
 俺達はみんな天使の子供

 Say!SaySaySay!!
 みんな(主に部屋の中にたまに現れる透明な人たちへ) 勇気を持って叫ぶんだぜ!

{サビA}
 
 We are not loser, We are champion.
 だってそうだろう? 俺の目の前に8歳女子
 I have imagine girl, I hold & love my girl.
 そうさ萌ちゃんは俺の嫁!

{メロ}
 うっすら見えてる彼女は、きっと他の人には見えないだろう
 つまりは俺だけの女の子 すなわち俺の嫁ぇー!


{サビB}
  We are not loser, We are champion.
 だってそうだろう? お風呂にも一緒に入るんだぜ
 I have imagine girl, I hold & love my girl.
 違法じゃなぁーいさ!
 俺達の Ture Love☆





 パチッ…
 パチ…パチ…
  
 
 
 



「そこで目の前が真っ暗になって…そして眼がさめた…」
「…お前大丈夫か…」
 友達は俺から少し距離をとった。




▼終わり▼











 
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