ただ、さっきのやり取りの合間に、体はいつもどおり動くようになった。
私は素早く起き上がると、叫び声を上げて走りだした。
そして、答えを出すことの出来ない、この私。
従業員用の制服を脱ぎ、畳んでかばんの中にしまう。裏口に回り、ドアを開けた。
犬のような、けれども鋭くとがった顔をした生き物が中に入っていた。
逃げよう。逃げよう。逃げよう。胸が高鳴る。
この感情は一体何なんだ。
目の前に繰り広げられたトライディザスターをデスペルする余裕も無いわけで。
あまつさえ思考まで停止しているわけで。
やっぱそうだよね・・。
少しだけゆっくりしすぎたかな?
色々と三人の間での喧騒や交差があったけれども、結局少女は元の鞘に収まってしまったし、少年と親友は仲違いのまま終わってしまった。
玄関の横にある表札には二文字が丁寧な字で書きいれられていた。
そこで、物語は終わってしまった。