「シエル 〜Deus ex machina」「ト キ ナ」「マンコ」
第5回
・お題
「シエル ~Deus ex machina」(猫人魚)
「ト キ ナ」(池戸葉若)
「マンコ」(漫☆小太郎)
カタカナ三文字で、というお題の回。
しかし蓋を開けてみるとシエルにレビューが集中する結果に。
長編になると3つレビューするのが負担になってしまうので、
お題によって作品数を変えた方がいいのでは?と議論が出ました。
次回からはお題が2つになるみたいです。
○「シエル ~Deus ex machina」(猫人魚)
654 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:09/11/23 01:17:39 ID:4bA6WOip
シエル
長いけどつっかかることなく気分よく読めた。読むと綺麗な涙を出せる。
特に第一章が好き。その後はなぜシエルがお客の女学生に入れ込むのか
(逆はともかく)よく考えればわからぬが、気にせず読み進めれば十分感動。
御曹司との恋愛譚もキュート。夏さんはちょっとかわいそうだがしかたない。
シエルが復活したときにあまり大事にされてなかったきがしないでもない。
これからシエルが悪い人みたいになってゆくみたいで悲しい。小学生みたいな
感想言ってるだけだけどw読者にこれをさせられるのは文章力が高いから。
難しいこと考えずに作中世界に没頭できる。とても良くできたいいはなし。
シエルを一番大事にしてくれたのはやっぱり最初で最後のご主人さまだった
658 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:09/11/23 02:31:17 ID:aKJ2ikAs
とりあえず「シエル」は読ませてもらったからレビューするお。
正直言って、今までで1番読み進んでいくうちに評価が変わった作品。
名作だと思う。
まずは序章が取っ付きにくいかな、と。
あれで見る気を無くした方がいるならもったいないな。
最初は何だか時代設定が上手く生かせてなかったり、
まあ色々細かい所をツッコミたくなる衝動が押さえられなかったし、
レビューするためじゃなかったら途中で挫折してたと思う。
それでも三~四章くらいから印象が変わってきた。
そりゃもう今までの展開が「もしかしたらわざと下手に書いてたんじゃないの?」
なんて思えるほど驚かされたり泣かされたり鳥肌が立ったり。
まあでも展開が進むにつれて、一章が恋しくなる不思議。
文章も特に違和感なく読める。
すごい上手い、とは言えないまでも変に飾ってないから自然にスラスラと読める。
あとは前の人も言ってたけど、シエルが悪者になっていきそうで寂しいと言うか悲しい。
あと一つ注文させてもらうなら、会話文なんだけど、
誰がどの言葉を喋ってるのかがわからなくなるときがある。
男と女とかならまだわかるんだけど、男と男が喋ってるときはよくわかんない。
しかしよくこんなすごい作品考えたなぁ、と思った。
誉め過ぎかもしれないけど、是非とも読んでもらいたい作品。
663 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:09/11/23 15:57:03 ID:0IPqY7NC
シエル ~Deus ex machina
24世紀になっても技術ばかり発達してるが人間はあまり進歩してないんだな
文章は軽い感じで読みやすい。でも↑と()はいらないと思う
状況描写は淡々としてるわけではなく主人公がひとりごと言ってるみたいだ、でもそれがこの話の持ち味だろう
時代背景の説明が少なすぎるのが気になった
正直、普通に読んだら途中でやめちゃう
最後まで読ませる何かがほしい
と、一章を途中まではこんな感想だった。でも、一章を読み終わってからは自然に次々読んでいけた。読みたいと思った。
一話ごと、きれいに話がまとまっているしつながっている。文章もうまいと思う。
七章まで読むと一番最初のご主人さまが懐かしく感じる。本当に胸が痛くなる。
時系列がわかりにくいのが残念なところ。
この作品は綺麗に終わってほしいと思うよ。
675 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:09/11/26 13:55:05 ID:Cqionvmq
とりあえず、長かったシエルを読み終えたので投下
未来の話、だからなんとなく未来っぽいものを出そうとして、
結果それほど重要でもないアイテムがいくつか出てきていた。
俺は個人的に深読みしながら読むタイプなので、出てきたからには
何か意味があるのかと思ってたら、何の意味もなかった。
アンドロイドが普通に受け入れられてる時点で十分未来なんだから、
それ以上未来っぽさを出そうとしなくてもいいのではと思った。
はっきりわかる伏線と、細かい伏線が色々張られていて、それを
探るのは楽しかった。含みのあるセリフとかも多くて、もしかしたら
それが他の人の感想にあったみたいな、読んでるうちに一章が懐かしく
なる原因なのかもしれない。
俺は七章が一番好きだった。もしかしたらこれは、読む人によって
好きな章が分かれるのかも。狙ってやってるのかは分からないが、
実際上には一章が好きって人もいるし、三、四がいいって人もいる。
まあ七章が好きだけど、アイかわいいな~とか思ってたりもしたので、
術中にはまってる気がして悔しい。
物語の上でしょうがないのかもしれないが、思い入れができそうなキャラが
案外あっさりと死んでしまうので、人によって泣き所も変わるかもしれない。
これをどう完結させるのかは分からないが、救いのある終わりにしてほしい。
○「ト キ ナ」(池戸葉若)
654 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:09/11/23 01:17:39 ID:4bA6WOip
トキナ
読書の上級者向けな感じ。ギャルゲーかと思いきや背筋が凍る系。
難しい語彙が多く単位ページあたり読解スピードが遅くなったが、
文章が濃密なぶん、どのような状況になっているのかがよくわかる。辞書必携。
確かに序が高度な国語力と忍耐力を要求する。この作品の最も難解な部分では。
ヒロインの美しさもサブヒロインの複雑な気持ちも格闘の緊迫感も日常風景も
ぜんぶこれでもかというくらい描写されていてそれが全て正確に意味をわかって
読解することができればとっても魅力的な作品に映ると思う。隠喩が秀逸。
トキナはかわいくてこわくてふしぎな子。本物の金髪は嫌いだけどトキナは好き
○「マンコ」(漫☆小太郎)
654 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:09/11/23 01:17:39 ID:4bA6WOip
マンコ
ネタじゃない。真面目な歴史物。短いので文藝初心者にもおすすめかも。
めでたしめでたしとかすっきりとかいうウェルメイドの大衆作品と異なり
本質的に不合理な現実世界、史実に基づいて作られたものであるからして
究極的にはなんとも言いようのなさが支配するお話であろうか。
その中にも、歴史の謎を解明する、謎に一定の解釈を与えるという点で
単なる理不尽なでたらめ話に堕することなく読み手の精神に清涼を与える。
深刻な場面でマンコっていう名前がでるとちょっとわらう。