今日で僕があの娘のストーカーを始めて2週間が経つ。
真っ白な肌に綺麗な黒髪、真っ黒な瞳と端正な顔立ち、絵に描いたようなヒロインだった。
この娘は僕の知らないところでどんな生活をしているんだろう?
始まりはそんなところだった。
今では僕は彼女のちょっとしたオタクとなった。
鎖骨のすこし下にある黒子のこと、携帯の待ち受け画面のこと、飼っている猫のこと、
昨日読んでいた文庫本のこと、中学時代のあだ名のこと、付き合っていた彼氏のこと・・・
彼女を知るたびにまた知らないことが増えていって、それも知りたいからまた調べてを繰り返す内に
とうとう彼女の全てを僕は知ってしまった。知りたくないことも。
彼女の手首の傷のこと。
知りたくなかったことの一つ目。
彼女が援助交際をしていること。
知りたくなかったことの二つ目。
彼女が堕胎手術を受けていたこと。
知りたくなかったことの三つ目。
それでも僕はあの娘のことが大好きでしかたがなかった。
いくら嫌いになりたくても嫌いになれなくて、その度自分が厭になって
また彼女を好きな僕を再認識する。再認識するんだ。
明日は勇気を出して彼女に告白しよう。