【1】
たくさんあそんで、とってもくたくたになったぼくは、どろだらけで、おうちにかえります。
おかあさんがきょうのよるごはんはカレーだといってました。とってもたのしみ。
もうすぐおひさまもいなくなっちゃうから、いそいでかえらなくっちゃ。
はしってたら、おうちのちかくで、おんなのこがないていました。
「どうしてないてるの?」
おんなのこはなにもいわないので、ぼくはしゃがみました。
「ないてるだけじゃ、なにもわからないよ」
でもおんなのこはなにもいってくれません。
「おーい、武史。もう帰るぞー」
ながれおにいちゃんがむかえにきてくれたのに、ぼくはおんなのこのことがきになります。
「でも……このこないてるよ?」
「ん? 友達か?」
「んーん。でも、ずっとないてる」
「どうしたんだい? そんなに泣いて」
ながれおにいちゃんがおんなのこにはなしかけると、おんなのこはながれおにいちゃんをみていました。
「武史は先に帰ってな。この子は俺が送っていくよ」
ながれおにいちゃんがかえっていいといったので、ぼくはおうちにかえりました――