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【始】00.Prologue

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【1】


 たくさんあそんで、とってもくたくたになったぼくは、どろだらけで、おうちにかえります。
 おかあさんがきょうのよるごはんはカレーだといってました。とってもたのしみ。
 もうすぐおひさまもいなくなっちゃうから、いそいでかえらなくっちゃ。
 はしってたら、おうちのちかくで、おんなのこがないていました。
「どうしてないてるの?」
 おんなのこはなにもいわないので、ぼくはしゃがみました。
「ないてるだけじゃ、なにもわからないよ」
 でもおんなのこはなにもいってくれません。
「おーい、武史。もう帰るぞー」
 ながれおにいちゃんがむかえにきてくれたのに、ぼくはおんなのこのことがきになります。
「でも……このこないてるよ?」
「ん? 友達か?」
「んーん。でも、ずっとないてる」
「どうしたんだい? そんなに泣いて」
 ながれおにいちゃんがおんなのこにはなしかけると、おんなのこはながれおにいちゃんをみていました。
「武史は先に帰ってな。この子は俺が送っていくよ」
 ながれおにいちゃんがかえっていいといったので、ぼくはおうちにかえりました――

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