ニノベたん二歳
あんねー。
ねー。
ニノベねー。にしゃい。
にしゃい。
へへー。
いっしゃいちがうの。
もうころもじゃないの。
ぜんぜんころもじゃない。
おっぱいいらない。
はんこーき。
ぬすんだマイクでうたいだすの。
とーきーのーすぎゆくままーにー。
さわらけんぢうたいまくるの。
やこうせーの生き物がおよそさんびき!
ゆらゆらていこくもうたいまくるの。
ねーねーきいてきいてきってきっき。
ニノベねー、小説かくの。
「娯楽のコンテンツを生産する仕事の中で、小説家は最も個人的な職種の一つといえる。音楽のように仲間を必要としないし、漫画のようにアシスタントもいらない。同じ文章でも、ノンフィクションのように文献調査や取材をする必要も少ない。元手はまったくかからないし、いつでも書ける。(中略)絵を描くこと、曲を作ること、あるいは詩を書くこと、などに比べても、小説は敷居が低い。道具の使い方を覚える必要もないし、なによりも、非常に自由でルールがない。何をどう書いても良い」
って森博嗣先生も『小説家という職業(集英社新書 2010)』の中で書いてたし、ニノベでも書けると思うの。
にしゃいだからまだもじ書けないとかねー、そんなのねー、かんけいないの!
もちろん主人公はニノベにしゃい。
ニノベの通う女子高にやってきた新任教師との禁断の恋愛話。
せんせーはすごいおどろくの。
「どうして高校に二歳児が!」ってね。
ところがニノベはてんさいなうえにびしょうじょだから問題ないんだな、これが。
ちなみにせんせいは前科十六犯の大量殺人犯なんだー。
あぶないね、こわいね、スリルだねー。
ラストは鳥取の荒野にぽつんと建つ無人の教会で二人だけの結婚式。
「旅の途中で新たに七十二人殺しちゃったこんな俺でも、いいかな?」
「私こそ、まだまだふつつか者の二歳児ですが、末永くよろしくお願いいたします」
誓いのキスがね、ファーストキスなの。
二人とも。
ニノベね。
じつはね。
つよがってるけど、泣き虫なの。
おねしょもするし。
ほんとはときどきおっぱいが恋しくなるの。
吸いたいし。
もみたいし。
誰も話を聞いてくれなかったり、無視されたりしちゃうと、こっそりぽろぽろ泣いてるの。
だから、これを読んでくれた人がいたら、何か書いてくれたら、うれしいな、っておもうの。
そしたらね。
泣いちゃうの。
うれしくて。
あんねー。
ねー。
ニノベねー。にしゃい。
らいねんは、しゃんしゃい。
さらいねんはー。
んー。
えーと。
とにかくねー。
これからも、よろしくね!
またね!