ひきこもりで、ニートで、今年で20歳になる鈴木君が居た。
鈴木君は、地方都市に住んでいる。家族構成は姉・母・父の4人家族。
父はサラリーマン。姉はOL。母はパートをしている。
鈴木君だっていきなりニートになったわけじゃない。
鈴木君は、中学時代にいじめられたことがきっかけで不登校になった。
中学3年の途中から学校へ行き、なんとか全日制高校に進学するも、やはりいじめられて不登校、そして退学になった。
彼は自分以外の全ての人間を恨んだ。なぜ僕をいじめるんだ。僕は何も悪いことなどしていないのに。
彼の同級生は大学生活を満喫しているだろうか。それとも就職しているだろうか。結婚しているだろうか。
彼は自分の人生をめちゃくちゃにした人間を憎んでいた。俺をこんな風にしたくせに、自分だけ幸せになりやがって。
彼は、そう思っていた。
彼だけが、そう思っていた。