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『[https://neetsha.jp/inside/comic.php?id=23053&story=51/ 三居沢狐火事件]』とは[[28]]によるWeb漫画である。『別冊少女きぼん』にて2020年12月より連載。
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『[https://neetsha.jp/inside/comic.php?id=23053&story=51/ 三居沢狐火事件]』(さんきょざわ きつねびじけん)とは[[28]]によるWeb漫画である。『別冊少女きぼん』にて2020年12月より連載。
  
  
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==概要==
 
==概要==
明治21年の仙台を舞台にした推理物。
+
:明治21年の仙台を舞台にした推理物。
 +
:推理物の分類的には「社会派ミステリ」。
 +
:当時の仙台の文化や風習などを主人公・佐藤景臣と一緒に体験しつつ、佐藤が社会の暗部に首をつっこんで怖い思いをしたり、守護神使たちが佐藤の背中の何かと密かに攻防したり、最終的には佐藤が刺されて瀕死になる様子を眺めてお楽しみください。
  
 
===注意事項===
 
===注意事項===
かつて実在した地名・人名・固有名詞と、架空の個人名・団体名などが入り乱れているため、史実と異なる場合がある。
+
:かつて実在した地名・人名・固有名詞と、架空の個人名・団体名などが入り乱れているため、史実と異なる場合があります。
史実で名前がある人物はこの漫画の人物とは一切関係ありません。
+
:史実で名前がある人物はこの漫画の人物とは一切関係ありません。
 +
:作者の不勉強で明治時代の生活が上手く表現できていない部分も多々あります、ご了承ください。
  
===あらすじ===
+
==あらすじ==
# 帝都ジャアナル記者の佐藤景臣は、東北本線に乗って仙台へとやってくる。滞在予定の国見家の使用人・木常紺に案内され、軽く仙台の街をめぐる。
+
===第一幕===
# 国見家の当主・国見重尚と会話し、観光がてら国見の仕事について助言を頼まれる佐藤。夜半、不思議な女性に接待を受ける。
+
;6/29
# 佐藤は、出資に国見が関わっている宮城紡績工場を見学して社長から意味深な言葉をもらう。また、国見が経営するカッフェに寄り昼食をとる。
+
:帝都ジャアナル記者の佐藤景臣は、東北線に乗って仙台へとやってくる。滞在予定の国見家の使用人・木常紺に案内され、軽く仙台の街をめぐる。
# 夕刻、大崎八幡宮にて夏越の大祓を取材する。
+
:国見家の当主・国見重尚と会話し、観光がてら国見の仕事について助言を頼まれる佐藤。夜半、不思議な女性に接待を受ける。
 +
;6/30
 +
:佐藤は、出資に国見が関わっている宮城紡績工場を見学して社長から意味深な言葉をもらう。また、国見が経営するカッフェに寄り昼食をとる。
 +
:夕刻、大崎八幡宮にて夏越の大祓を取材。その後国見邸に戻ると、国見重尚・その妻千代・娼妓玉藻が佐藤を待っていた。
 +
;7/1
 +
:国見重尚との会話で、紡績工場の経営改善に電気を導入しようとしていたことを知る佐藤。昼に国見春之の案内で常盤銀華楼へ行くと、玉藻に唐突なお願いをされる
 +
:佐藤は遊郭の裏面を知り意気消沈する。純心な佐藤に紺は感銘を受け、友人同士となる。夜の夕食会には大勢の人間が集まった。
 +
:宴もたけなわといった頃、突然女中が駆け込んできて「狐火が出た」という。外に出ると烏崎山の頂上付近に光るものがあった。狐火の正体を知った佐藤は屋敷の人々に知らせて回る。その途中で首吊り死体を見つける。
 +
:国見重尚のあっさりとした態度等に悶々とし眠れない佐藤は、相澤の部屋にたどり着く。会話の中で様々なことを思い出し、玉藻は自殺ではなかったのかもと考える。
 +
===第二幕===
 +
;7/2
 +
:寝坊して早々、国見氏と巡査に呼び出され玉藻殺害の下手人として疑われる。玉藻に処分を依頼された巻紙が殺害動機かもしれないと思い当たる。
 +
:本日の宿である大泉屋の取材を行っている最中、例の巻紙と同じ素材のものに行きあたる。紺に事情を話し、二人で事件を解決しようと考えるうちに相澤惣之助の存在が浮かぶ。
 +
:手がかりを求めて銀華楼に行く途中、きち楼の娼妓を見て文化の違いを感じる佐藤。常盤遊郭へ潜入し、沙羅に巻紙を見せると「身請け用の勘定表に似ている」と言われる。
  
 
==登場人物==
 
==登場人物==
 +
【※印の人物は史実にも名前が挙がっている人物。史実本人と漫画の登場人物とは一切関係がない事をご了承ください】
  
 
===帝都ジャアナル===
 
===帝都ジャアナル===
;佐藤景臣
+
;佐藤 景臣(さとう・かげおみ)
:甘党の帝都ジャアナル記者。編集長の無茶振りで仙台に旅することに。赤い髪に緑の着物、着物の柄は立涌。
+
:甘党の帝都ジャアナル記者。編集長の無茶振りで仙台に旅することに。赤い髪に立涌柄の羽織。人に対する常識がなく、思ったことをすぐ口に出しがち。
;岡倉忠造
+
;岡倉 忠造
:編集長。国見重尚とは旧知の仲。ヘビースモーカー。
+
:編集長。国見重尚とは旧知の仲。ヘビースモーカー。過去に佐藤を拾い、以降世話してあげている。
;倉木
+
;緑銀 倉木
:編集助手。佐藤にだけアタリが強い。
+
:編集助手。佐藤にだけアタリが強い。毒舌でナチュラルに嘘つき。
  
 
===国見家===
 
===国見家===
;国見重尚
+
;国見 重尚
 
:国見家当主。せんべいが大好きな地主。常盤町総元締めの一人であり、一等店「銀華楼」を経営している。ほかに貸馬業・カッフェ経営・紡績会社に出資など、手広く行っている。
 
:国見家当主。せんべいが大好きな地主。常盤町総元締めの一人であり、一等店「銀華楼」を経営している。ほかに貸馬業・カッフェ経営・紡績会社に出資など、手広く行っている。
;国見春之
+
;国見 春之
:長男。二高生。思春期をこじらせている。
+
:長男。二高生(現在の大学2年生程度)。思春期というか反抗期。玉藻に恋している。
;国見千代
+
;国見 千代
:本妻。今年7人目の子供を産んだばかり。
+
:本妻。重尚とは常盤の利権がからんだ政略結婚。今年3月に7人目の子供を産んだばかり。
 +
;国見 与兵衛(故人)
 +
:算術が達者な先代のじいさん。
  
 
===国見家使用人===
 
===国見家使用人===
;木常紺
+
;木常 紺
 
:使用人。滞在中の佐藤の世話係として一緒に行動する。なにやら人ではないような不思議な雰囲気をかもし出している。
 
:使用人。滞在中の佐藤の世話係として一緒に行動する。なにやら人ではないような不思議な雰囲気をかもし出している。
 
;銀子
 
;銀子
:女中頭。紺とは幼馴染といっても過言ではない仲。
+
:女中頭。紺とは幼馴染。
 
;ゆき江
 
;ゆき江
:女中。国見に来て三年目。
+
:女中。国見家に来て三年目、わりと天然なドジっ子。
;相澤惣之助
+
;相澤 惣之助
:書生。男色家。
+
:書生。国見家の帳簿管理やカッフェの運営、旦那様の夜の世話もする男色家。関西地方出身。
 +
;こずえ
 +
:女中。主に別邸で千代の子育てサポートを行う。
  
 
===宮城紡績会社===
 
===宮城紡績会社===
;菅克復
+
;菅 克復(※)
:社長。自分にも他人にも厳しい性格をしている。
+
:社長。自分にも他人にも厳しい性格をしている。経営が傾いている会社をなんとかしようと、電灯器の導入を試みる。
;武田範義
+
;武田 範義
:職員。
+
:職員。大柄で力持ち。豪快に笑う人柄。実は第一話で食い逃げの佐藤を取り押さえた中にいた。
;山口五郎
+
;山口 五郎
:職員。
+
:職員。猫に引っかかれたため、頬にガーゼをはっている。
 
+
;伊藤 清次郎(※)
===銀華楼===
+
:水力発電技術者。相澤惣之助に「いつでも戻ってこい」と声をかけ、既知の様子をみせる。
;玉藻
 
:常盤町一等店・銀華楼の稼ぎ頭。遊郭からの外出を特別に許可されている。
 
  
 
===八幡様===
 
===八幡様===
;沼田仲
+
;沼田 仲(※)
:社掌(現在の宮司にあたる役職)。
+
:八幡様の社家である沼田の当主であり、社掌(現在の宮司にあたる役職)。結構なやり手。
;矢白鳩
+
;矢白 鳩
:白く長い髪をしている。なにやら人ではないような不思議な雰囲気をかもし出している。
+
:白く長い髪、趣味で巫女の格好をしている男性。なにやら人ではないような不思議な雰囲気をかもし出している。
  
 +
===常盤町===
 +
;玉藻
 +
:常盤町一等店・銀華楼の稼ぎ頭。おかしな言動をよくするため、狐憑きと噂されている。遊郭からの常時外出を特別に許可されている。
 +
;沙羅
 +
:銀華楼の二番手。クールビューティーな情報通とみせかけ、気苦労が多い玉藻のお守り役。
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;柚子橙
 +
:銀華楼の新人見習い。ピン子ちゃんと呼ばれて、配膳など小間使いの仕事をしている。
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;なかまりさん
 +
:銀華楼の娼妓の世話を一手に引き受けるおばちゃん。元々は舞鶴楼の酌取女だったが旦那様にスカウトされ今に至る。
 +
;熊谷 玄六
 +
:銀華楼の番頭。外での呼び込みや客の下足の管理・売り上げの一時保管などを担う。
 +
;小野寺 三吉
 +
:きち楼の楼主。国見のところの銀華楼とは良い関係を持っており、娼妓同士の交流もある。
 +
;唐梨子
 +
:常盤町三等店・きち楼の娼妓。あまりに人気がなく、お茶ひき女郎と揶揄されている。
 +
;石垣 鑄太郎(※)
 +
:常盤町総元締めの一人。昌二楼の楼主で、常盤の楼主たちの相談まとめ役。
 +
;針生 惣助(※)
 +
:常盤町総元締めの一人。侠気(おとこぎ)あるヤクザ。遊郭の開祖・針生庄之助の義弟。
  
==作中の注釈==
+
===仙台商人会===
 +
;小西 利兵衛(※)
 +
:豪商で投資家。国見重尚とは十年来の友人。織物や紙などの流通を手掛けている。
 +
;桜井 伊之助(※)
 +
:老舗の薬屋。国見重尚とは十年来の友人。相澤に薬を処方している。
 +
;大泉 梅次郎(※)
 +
:国分町大泉旅館の亭主。紺を可愛いペットのように思っている。
  
===第一話===
+
===警察署===
:「かつては馬車で三泊四日」のくだりは、五泊六日と書かれている書籍もある。これは、徐々に鉄道を延ばしていったためと思われる。
+
;津治 良作(※)
:漫画内の仙台駅舎は明治27年建造。明治21年当時は木造平屋建ての駅舎だった。
+
:国分町・警察本署の二等巡査。国見家の面々とは知り合い。
:和菓子店「玉澤」は現在、のれん分けをした2店舗がある。この漫画内に描かれているほうの玉澤は「九重本舗玉澤」で、九重や霜柱が有名。
 
:当時のずんだ餅は、餅の上にずんだ餡をぽってり乗せるタイプが主流であった。作者が直前にさいちのおはぎを食べたためにこうなってしまった。
 
:仙台四郎については諸説あり、必ずしも作中の話と同一ではない。
 
:和菓子店「賣茶翁」は、現代では珍しい電話番号非公開の店。明治時代と同じように、当日足で来て買ってくださいというコンセプトで今も営業している。
 
:現在、仙台城大手門復元の話が浮上している。十年後くらいにはこの漫画と同じような大手門が登場するかも知れない。
 
:百貨店「藤崎」の屋上には恵比寿さんをまつっている小さな神社がある。藤崎の前身の「得可主屋(えびすや)」からきているものと思われる。
 
:松原街道はその名の通り、街道沿いに松の木が植えられていた。
 
:国見家の場所は現在の仙台市青葉区国見二丁目。史実では全く開拓されておらず、森と大きめの沼だけがあった。
 
  
===第二話===
+
===秋津家===
:国見別邸の大きさや窓の参考は、現存する宮城県榴ヶ岡公園内・旧歩兵第四連隊兵舎。
+
;秋津 影隠(あきつ・かげおに)
:当時の内閣府は黒田内閣、大日本帝国憲法を制定するために、様々な物事の是非が問われている時代であった。
+
:死装束。体には複数の痣、手には縄の痕があり、生まれてこの方儀式の時以外は蔵に閉じ込められている。自我はほぼない。
:時を同じくして婦人運動が盛り上がりをみせ、女性の社会進出の波は仙台にまで及んでいた。
+
;女
:旧制第二高等学校は、作中では説明を省いたが、史実では一高・三高・山口高等中学校に次ぐ第四番目の設立であった。
+
:影隠を連れて逃げ、桜の木の下で心中をはかる。
:「若者組」とは現代でいう青年会と消防団を合わせたものであり、地域に住む40歳までの男衆で構成された。
 
:閨中の接待については、身内の未婚女性が行うのが常識であった。また、基本的に常盤の女性は外出禁止で、玉藻だけが特殊な例。
 
:当時は、童貞で結婚する事は珍しくなかった。性病に対する薬は乏しく、死に至る病でもあったことから「童貞=性病の危険がない」という事で安心して子供を作ることができたため。
 
 
 
===第三話===
 
:夏越しの大祓は1年の半分が過ぎた6月30日に、年越しの大祓は12月31日に行う。現代では年越しの方しか知らない人が多いが、実は現代でも6月30日に祓をやっている神社は多い。
 
:菅克復は常に紋付袴の格好で、古武士のような風貌であったと伝えられる。紋が確定できなかったため「管」姓で一般的な梅の紋にした。
 
:ミュール紡績機は非常に高価であった。作者が計算したところ、現在の価値でいうと1台1億五千万円くらい。計算違いじゃないかなと目を疑った。計算違いかも知れない。
 
:宮城紡績会社建設にあたって出資した地主についての名簿資料はないが、数十名にのぼったとみられる。
 
:牛越橋は当時木組みで高さのある橋であった。現代ではそんなに高さはない。橋の下の牛越緑地は毎年芋煮やバーベキューをする人々で賑わっている。
 
:宮城紡績会社の建物は外観が一枚絵で残されている。左側には地下から広瀬川に排水するための堀があった。
 
:宮城紡績会社の跡地は現在、バスの営業所となっている。柵の所にある松が、一本だけ現在でも残されている。
 
:ミュール紡績機は当時千錘が稼働していた。本当は当初2千錘までそろえたが、故障が相次ぎどんどん少なくなっていた。修理できる技術者がいなかったためである。
 
:工場の駆動部である特注のタービンは、建設時、運んでいる最中に牛越橋から落としてしまったことがある。なかなか引き上げられず、三か月ほど広瀬川で寝ていた。この面白逸話は残念ながらページの都合で入らなかった。
 
:当時はまだ、現代のカフェと同じようなシステムや概念はなかった。現代で言うネットカフェに似たシステムの可否茶館は、料金の高さなども相まって5年もたたずに潰れてしまった。
 
:書生という言葉は、寄宿の貧乏学生のほか、住み込みで働きつつ独立の勉強をしている人間も指した。
 
:コッペパンは明治時代に唯一パンを製造販売していた鍛冶町の「蛸屋」から仕入れているという設定。
 
:こンてほ語り野郎が!おだづなよっ(仙台弁)→(標準語)この嘘つき野郎が!調子こくなよ!
 
 
 
===第四話===
 
:十符(とふ)というのは細長い葉で、乾くと独特のまだら模様が浮き出る(らしい)。これを編んで様々な工芸品を売っていた。現在では生産されていない。
 
:いぎなりがおるわ(仙台弁)→(標準語)マジでテンションだだ下がり
 
:~~ちゃや!(仙台弁)→(標準語)~~だろうが!
 
:初代藩主伊達政宗公が指揮をとり建造された神社と城6か所は、線をひくと仙台を囲むように六芒星の形となる。八幡様も主要神社のひとつ。
 
:まれびと(客人)とはもともと来訪神のこと。旅人も神と同じように歓待するようになったことから、異邦の旅人を指す言葉として定着した。
 
  
  
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;[https://neetsha.jp/inside/comic.php?id=23053&story=51/ 三居沢狐火事件]
 
;[https://neetsha.jp/inside/comic.php?id=23053&story=51/ 三居沢狐火事件]
 
;[https://so3ro.web.fc2.com/ SO3RO(作者サイト)]
 
;[https://so3ro.web.fc2.com/ SO3RO(作者サイト)]
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==主要参考文献・協力==
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:「電狸翁夜話 : 仙台昔話(伊藤清次郎 述 ; 小西利兵衛 編)」「仙台花街繁昌記(田村昭 編)」「みちのく仙台常盤町 小田原遊廓随想録(千葉由香)」「
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続・東北開発夜話(岡田益吉)」「水力発電は仙台から始まった(逸見英夫)」「はじめての男着物(木下 勝博)」「仙台の珍談奇談(田村昭 編)」「仙台はじめて物語(逸見英夫)」
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:大崎八幡宮 庶務課 N様 ご協力ありがとうございました。
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:仙台市 建設局百年の杜推進部河川課 広瀬川創生室 室長 I様 ご協力ありがとうございました。
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:メディアテーク仙台市図書館 郷土資料 U様 ご協力ありがとうございました。
  
  
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2023年8月14日 (月) 20:45時点における最新版

三居沢狐火事件』(さんきょざわ きつねびじけん)とは28によるWeb漫画である。『別冊少女きぼん』にて2020年12月より連載。


三居沢狐火事件
作者名 (28)
掲載誌 (別冊少女きぼん)
概要 (推理)
掲載期間 (2020/12/28)〜
サイトURL [ ]



概要

明治21年の仙台を舞台にした推理物。
推理物の分類的には「社会派ミステリ」。
当時の仙台の文化や風習などを主人公・佐藤景臣と一緒に体験しつつ、佐藤が社会の暗部に首をつっこんで怖い思いをしたり、守護神使たちが佐藤の背中の何かと密かに攻防したり、最終的には佐藤が刺されて瀕死になる様子を眺めてお楽しみください。

注意事項

かつて実在した地名・人名・固有名詞と、架空の個人名・団体名などが入り乱れているため、史実と異なる場合があります。
史実で名前がある人物はこの漫画の人物とは一切関係ありません。
作者の不勉強で明治時代の生活が上手く表現できていない部分も多々あります、ご了承ください。

あらすじ

第一幕

6/29
帝都ジャアナル記者の佐藤景臣は、東北線に乗って仙台へとやってくる。滞在予定の国見家の使用人・木常紺に案内され、軽く仙台の街をめぐる。
国見家の当主・国見重尚と会話し、観光がてら国見の仕事について助言を頼まれる佐藤。夜半、不思議な女性に接待を受ける。
6/30
佐藤は、出資に国見が関わっている宮城紡績工場を見学して社長から意味深な言葉をもらう。また、国見が経営するカッフェに寄り昼食をとる。
夕刻、大崎八幡宮にて夏越の大祓を取材。その後国見邸に戻ると、国見重尚・その妻千代・娼妓玉藻が佐藤を待っていた。
7/1
国見重尚との会話で、紡績工場の経営改善に電気を導入しようとしていたことを知る佐藤。昼に国見春之の案内で常盤銀華楼へ行くと、玉藻に唐突なお願いをされる
佐藤は遊郭の裏面を知り意気消沈する。純心な佐藤に紺は感銘を受け、友人同士となる。夜の夕食会には大勢の人間が集まった。
宴もたけなわといった頃、突然女中が駆け込んできて「狐火が出た」という。外に出ると烏崎山の頂上付近に光るものがあった。狐火の正体を知った佐藤は屋敷の人々に知らせて回る。その途中で首吊り死体を見つける。
国見重尚のあっさりとした態度等に悶々とし眠れない佐藤は、相澤の部屋にたどり着く。会話の中で様々なことを思い出し、玉藻は自殺ではなかったのかもと考える。

第二幕

7/2
寝坊して早々、国見氏と巡査に呼び出され玉藻殺害の下手人として疑われる。玉藻に処分を依頼された巻紙が殺害動機かもしれないと思い当たる。
本日の宿である大泉屋の取材を行っている最中、例の巻紙と同じ素材のものに行きあたる。紺に事情を話し、二人で事件を解決しようと考えるうちに相澤惣之助の存在が浮かぶ。
手がかりを求めて銀華楼に行く途中、きち楼の娼妓を見て文化の違いを感じる佐藤。常盤遊郭へ潜入し、沙羅に巻紙を見せると「身請け用の勘定表に似ている」と言われる。

登場人物

【※印の人物は史実にも名前が挙がっている人物。史実本人と漫画の登場人物とは一切関係がない事をご了承ください】

帝都ジャアナル

佐藤 景臣(さとう・かげおみ)
甘党の帝都ジャアナル記者。編集長の無茶振りで仙台に旅することに。赤い髪に立涌柄の羽織。人に対する常識がなく、思ったことをすぐ口に出しがち。
岡倉 忠造
編集長。国見重尚とは旧知の仲。ヘビースモーカー。過去に佐藤を拾い、以降世話してあげている。
緑銀 倉木
編集助手。佐藤にだけアタリが強い。毒舌でナチュラルに嘘つき。

国見家

国見 重尚
国見家当主。せんべいが大好きな地主。常盤町総元締めの一人であり、一等店「銀華楼」を経営している。ほかに貸馬業・カッフェ経営・紡績会社に出資など、手広く行っている。
国見 春之
長男。二高生(現在の大学2年生程度)。思春期というか反抗期。玉藻に恋している。
国見 千代
本妻。重尚とは常盤の利権がからんだ政略結婚。今年3月に7人目の子供を産んだばかり。
国見 与兵衛(故人)
算術が達者な先代のじいさん。

国見家使用人

木常 紺
使用人。滞在中の佐藤の世話係として一緒に行動する。なにやら人ではないような不思議な雰囲気をかもし出している。
銀子
女中頭。紺とは幼馴染。
ゆき江
女中。国見家に来て三年目、わりと天然なドジっ子。
相澤 惣之助
書生。国見家の帳簿管理やカッフェの運営、旦那様の夜の世話もする男色家。関西地方出身。
こずえ
女中。主に別邸で千代の子育てサポートを行う。

宮城紡績会社

菅 克復(※)
社長。自分にも他人にも厳しい性格をしている。経営が傾いている会社をなんとかしようと、電灯器の導入を試みる。
武田 範義
職員。大柄で力持ち。豪快に笑う人柄。実は第一話で食い逃げの佐藤を取り押さえた中にいた。
山口 五郎
職員。猫に引っかかれたため、頬にガーゼをはっている。
伊藤 清次郎(※)
水力発電技術者。相澤惣之助に「いつでも戻ってこい」と声をかけ、既知の様子をみせる。

八幡様

沼田 仲(※)
八幡様の社家である沼田の当主であり、社掌(現在の宮司にあたる役職)。結構なやり手。
矢白 鳩
白く長い髪、趣味で巫女の格好をしている男性。なにやら人ではないような不思議な雰囲気をかもし出している。

常盤町

玉藻
常盤町一等店・銀華楼の稼ぎ頭。おかしな言動をよくするため、狐憑きと噂されている。遊郭からの常時外出を特別に許可されている。
沙羅
銀華楼の二番手。クールビューティーな情報通とみせかけ、気苦労が多い玉藻のお守り役。
柚子橙
銀華楼の新人見習い。ピン子ちゃんと呼ばれて、配膳など小間使いの仕事をしている。
なかまりさん
銀華楼の娼妓の世話を一手に引き受けるおばちゃん。元々は舞鶴楼の酌取女だったが旦那様にスカウトされ今に至る。
熊谷 玄六
銀華楼の番頭。外での呼び込みや客の下足の管理・売り上げの一時保管などを担う。
小野寺 三吉
きち楼の楼主。国見のところの銀華楼とは良い関係を持っており、娼妓同士の交流もある。
唐梨子
常盤町三等店・きち楼の娼妓。あまりに人気がなく、お茶ひき女郎と揶揄されている。
石垣 鑄太郎(※)
常盤町総元締めの一人。昌二楼の楼主で、常盤の楼主たちの相談まとめ役。
針生 惣助(※)
常盤町総元締めの一人。侠気(おとこぎ)あるヤクザ。遊郭の開祖・針生庄之助の義弟。

仙台商人会

小西 利兵衛(※)
豪商で投資家。国見重尚とは十年来の友人。織物や紙などの流通を手掛けている。
桜井 伊之助(※)
老舗の薬屋。国見重尚とは十年来の友人。相澤に薬を処方している。
大泉 梅次郎(※)
国分町大泉旅館の亭主。紺を可愛いペットのように思っている。

警察署

津治 良作(※)
国分町・警察本署の二等巡査。国見家の面々とは知り合い。

秋津家

秋津 影隠(あきつ・かげおに)
死装束。体には複数の痣、手には縄の痕があり、生まれてこの方儀式の時以外は蔵に閉じ込められている。自我はほぼない。
影隠を連れて逃げ、桜の木の下で心中をはかる。


外部リンク

三居沢狐火事件
SO3RO(作者サイト)


主要参考文献・協力

「電狸翁夜話 : 仙台昔話(伊藤清次郎 述 ; 小西利兵衛 編)」「仙台花街繁昌記(田村昭 編)」「みちのく仙台常盤町 小田原遊廓随想録(千葉由香)」「

続・東北開発夜話(岡田益吉)」「水力発電は仙台から始まった(逸見英夫)」「はじめての男着物(木下 勝博)」「仙台の珍談奇談(田村昭 編)」「仙台はじめて物語(逸見英夫)」

大崎八幡宮 庶務課 N様 ご協力ありがとうございました。
仙台市 建設局百年の杜推進部河川課 広瀬川創生室 室長 I様 ご協力ありがとうございました。
メディアテーク仙台市図書館 郷土資料 U様 ご協力ありがとうございました。