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作者   :[[玄界灘 潮]]
 
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サイトURL:[http://masterkakko.web.fc2.com/ 戦歌の楽隊]
 
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一章は1439年、百年戦争末期のフランスブルゴーニュ地方が舞台。
 
一章は1439年、百年戦争末期のフランスブルゴーニュ地方が舞台。
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二章は10年戻って1429年、イギリス軍に包囲されるオルレアンが舞台。
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二章は10年戻って1429年、イングランド軍に包囲されるオルレアンが舞台。
  
 
以降、1453年の百年戦争終結までを数章に分けて描いていく予定。
 
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2章登場人物紹介
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===私生児(バタール)ジャン(1402~1468)===
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:「オルレアンの私生児(ル・バタール・ドルレアン)」と渾名される、
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:オルレアン公シャルルの腹違いの弟。
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:先代ブルゴーニュ公ジャンとの政争に敗れ暗殺された父・先代オルレアン公ルイは、
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:先王シャルル6世の弟。今上シャルル7世とは従兄弟の関係にあり、その信頼も厚い。
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:モン・サン・ミシェルでの篭城戦など、弱冠27歳にして各地で孤軍奮闘を続ける
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:フランス軍屈指の勇将。イングランド軍に捕らえられ捕虜となっている兄公にかわり
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:オルレアン防衛戦の指揮を執る。 
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:*ちなみに兄オルレアン公(シャルル・ドルレアン)は、捕虜となっている間に「獄中の歌」を残し、中世最大の詩人とも呼ばれる。
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:*リュック・ベッソンの映画では「デュノワ伯ジャン」となっているが、実際に彼がデュノワ伯となるのはもう少し後の話。デュノワ伯にした方が色々やりやすくはありますが、ベッソン版との差別化のためにも史実の呼称を採用しました。ちなみに彼は、最終的にシャルル7世の侍従長(宰相)にまで昇進します。
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:*モデルはFFTのザルバッグ。
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===「憤怒(ラ・イール)」エチエンヌ・ド・ヴィニョル(1390頃~1443)===
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:ラ・イールと通称されるフランス軍きっての猛将。南仏ガスコーニュ出身の元傭兵隊長。
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:赤いマントにカウベルをいくつもくくりつけ戦場を駆ける。
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===ジル・ド・レェ(1404~1440)===
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:ジル・ド・レ、ジル・ド・レイとも表記される。
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:両親・祖父はフランスを代表する大貴族。近い将来それらをすべて引き継ぎ、
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:フランス最大の財力を持つ大領主となることを約束された男。
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:シャルル7世第一の側近、ラ・トレモイユ侍従長の従兄弟でもあり、
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:宮廷内でも次期大元帥の筆頭候補とうわさされる。
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:王国の危機に際し、私兵の騎馬軍200騎を率い参戦する齢25の若武者。
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:*モデルはプリンス。
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===サントライユ(ジャン・ポトン・ド・サントライユ)===
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:フランスの将軍。ガスコーニュの傭兵隊長出身で、ラ・イールとは旧知。
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:各地を転戦し功績を上げ、後にフランス元帥に任命される。
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===ゴークール===
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: オルレアン代官。私生児ジャンとともに主無きオルレアン公領の経営に尽力する。
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===ジャン・ドーロン===
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:ジャンヌの副官(というか、お目付け役?)として付き従う武官。
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:それ以外あまり記録の残っていない人。
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:ただし創作物ではかなり脚色されて大活躍することが多い。
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:リュック・ベッソン版ではシャルル7世に変装してジャンヌを試す役、
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:ジャック・リヴェット版ではジャンヌの恋人になっている。
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===サフォーク伯(ウィリアム・オブ・サフォーク、後に初代サフォーク公)===
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:イングランドの将軍、政治家。前任のソルズベリ伯の戦死後、タルボット、
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:トマス・スケールズらとともにフランス方面の軍の指揮を取る。
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:後にイングランド王の側近となり独裁体制を敷くが、対フランス戦略の失敗により失脚、暗殺される。
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===ジョン・タルボット===
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:イングランドの将軍。ジャンヌ登場後、劣勢に立たされたイングランド軍を率い、
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:百年戦争終結までの長きに渡りフランス軍を苦しめた名将。
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:*モデルはPOGUESのシェイン・マガウアン。
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===ヨランド・ダラゴン(ヨランダ・ダラゴナ、ヨランド・ダンジュー)===
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:スペインのアラゴン王家の出身で、夫は先代アンジュー公ルイ。
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:長子ルネは現アンジュー公、娘マリはシャルル七世の后。
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:王の義母としてシャルル七世に数々の助言を与える、フランスの影の実力者。
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:王家の威信を取り戻すため、イングランドの打倒を強く望んでいる。
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・私生児(バタール)ジャン(1402~1468)
 
  
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===ラ・トレモイユ===
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:シャルル七世の信任厚い侍従長(当時のフランスでは官僚の最上位に位置するため、ニュアンス的には宰相に近い)。
  
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:劣勢のフランスの生き残りをかけて、ブルゴーニュ・ブルターニュ両公家やイングランドとの外交に腐心する。
 「オルレアンの私生児(バタール・ドルレアン)」と渾名される、
 
  
 オルレアン公シャルルの腹違いの弟。
 
  
 先代ブルゴーニュ公ジャンとの政争に敗れ暗殺された父・先代オルレアン公ルイは、
 
  
 先王シャルル6世の弟。今上シャルル7世とは従兄弟の関係にあり、信頼厚い。
 
  
 モン・サン・ミシェルでの篭城戦など、弱冠27歳にして各地で孤軍奮闘を続ける
+
===シャルル七世===
 +
:フランス王。後に勝利王と呼ばれることになるが、このときは26歳の青年。
  
 フランス軍屈指の勇将。イギリスに捕らえられ捕虜となっている兄公にかわり、
+
:国土の半ばを占領されたまま、反撃もできずブールジュにこもる彼のことを、
 +
:民は「ブールジュ王」と揶揄した。
  
 此度オルレアン防衛戦の指揮を執る。 
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:実母イザボー(シャルル6世妃)は彼を「不義の子である」と言い、
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:ブルゴーニュ公と連名でイングランド王にフランスの王位を譲る条約を結んでしまった。
  
 *ちなみに、兄オルレアン公は中世最大の詩人と呼ばれるシャルル・ドルレアン
+
:そのことがコンプレックスになっていたともいわれる。
  
  と同一人物である。 
 
  
 
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===イザボー・ド・バヴィエール===
 
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:人呼んで「淫乱王妃」。
  
・「憤怒(ラ・イール)」エチエンヌ・ド・ヴィニョル(1390頃~1453)
+
:精神薄弱であった「狂王」シャルル六世を尻目に、王弟オルレアン公(バタール・ジャンの父)
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:と関係を結び、国政を壟断する。
  
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:オルレアン公がブルゴーニュ公(一部のクロエの祖父)らに暗殺されると、
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:次はそのブルゴーニュ公を愛人にし、ともにフランス王位をイングランドに譲り渡す算段をする。
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:(そのブルゴーニュ公もまた王太子シャルルの部下によって暗殺され、シャルルとブルゴーニュ公家の決裂が決定的になる。)
  
 
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:「フランスは女(イザボー)によって破滅し、娘(ジャンヌ)によって救われた」
 ラ・イールと通称されるフランス軍きっての猛将。南仏ガスコーニュ出身の
+
:という言葉が後になって流布された。
  
 元傭兵隊長。赤いマントにカウベルをいくつもくくりつけ戦場を駆ける。
 
  
  
  
  
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===リッシュモン伯(アルチュール・ド・リッシュモン)===
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:フランス王国大元帥(軍事上の最高司令官)。
  
・ジル・ド・レェ(1404~1440)
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:百年戦争後半期のフランスを支えた、当代随一の名将。
  
 
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:しかしこのときは、政敵ラ・トレモイユ侍従長らの讒言により宮廷を追われ、妻の所領に隠棲している。
 ジル・ド・レ、ジル・ド・レイとも表記される。
 
  
 両親・祖父はフランスを代表する大貴族。近い将来それらをすべて引き継ぎ、
+
:中立の立場を崩さないブルターニュ公の実弟であり、妻は公然と敵対するブルゴーニュ公
 +
:フィリップの姉である。(血はつながらないが、クロエの叔父ということになる。)
  
 フランス最大の財力を持つ大領主となることを約束された男。
+
:さらにアザンクールの敗戦でイングランドの捕虜になっていた時期もあったため、
 +
:裏切りを疑われたものと思われる。
 +
:*ちなみに、リッシュモンとはイングランドのリッチモンドのフランス読みである。
  
 シャルル7世第一の側近、ラ・トレモイユ侍従長の従兄弟でもあり、
+
:しかし彼が実際にイングランドに領地を持っているわけではない。
  
 宮廷内でも次期大元帥の筆頭候補とうわさされる。
+
:ブルターニュ公家はノルマン・コンクエストでイングランドを占領・支配した
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:ノルマンディー公ウィリアムの家臣の家系であり、
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:その際下賜されたリッチモンド伯の称号だけが、公家の子弟の間で使用されているものである。
  
 王国の危機に際し、私兵の騎馬軍200騎を率い参戦する25歳の若武者。
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2016年3月8日 (火) 19:35時点における最新版

作品情報

作者   :玄界灘 潮

掲載誌  :ヤングVIP

ジャンル :中世戦記漫画

掲載期間 :2007 5/14~

サイトURL:戦歌の楽隊

*wiki整形してくれた人、ありがとう!

解説

一章は1439年、百年戦争末期のフランスブルゴーニュ地方が舞台。 小さな傭兵団の首領ニルスの活躍を描く。


二章は10年戻って1429年、イングランド軍に包囲されるオルレアンが舞台。

以降、1453年の百年戦争終結までを数章に分けて描いていく予定。


2章登場人物紹介

私生児(バタール)ジャン(1402~1468)

「オルレアンの私生児(ル・バタール・ドルレアン)」と渾名される、
オルレアン公シャルルの腹違いの弟。
先代ブルゴーニュ公ジャンとの政争に敗れ暗殺された父・先代オルレアン公ルイは、
先王シャルル6世の弟。今上シャルル7世とは従兄弟の関係にあり、その信頼も厚い。
モン・サン・ミシェルでの篭城戦など、弱冠27歳にして各地で孤軍奮闘を続ける
フランス軍屈指の勇将。イングランド軍に捕らえられ捕虜となっている兄公にかわり
オルレアン防衛戦の指揮を執る。 
  • ちなみに兄オルレアン公(シャルル・ドルレアン)は、捕虜となっている間に「獄中の歌」を残し、中世最大の詩人とも呼ばれる。
  • リュック・ベッソンの映画では「デュノワ伯ジャン」となっているが、実際に彼がデュノワ伯となるのはもう少し後の話。デュノワ伯にした方が色々やりやすくはありますが、ベッソン版との差別化のためにも史実の呼称を採用しました。ちなみに彼は、最終的にシャルル7世の侍従長(宰相)にまで昇進します。
  • モデルはFFTのザルバッグ。

「憤怒(ラ・イール)」エチエンヌ・ド・ヴィニョル(1390頃~1443)

ラ・イールと通称されるフランス軍きっての猛将。南仏ガスコーニュ出身の元傭兵隊長。
赤いマントにカウベルをいくつもくくりつけ戦場を駆ける。

ジル・ド・レェ(1404~1440)

ジル・ド・レ、ジル・ド・レイとも表記される。
両親・祖父はフランスを代表する大貴族。近い将来それらをすべて引き継ぎ、
フランス最大の財力を持つ大領主となることを約束された男。
シャルル7世第一の側近、ラ・トレモイユ侍従長の従兄弟でもあり、
宮廷内でも次期大元帥の筆頭候補とうわさされる。
王国の危機に際し、私兵の騎馬軍200騎を率い参戦する齢25の若武者。
  • モデルはプリンス。

サントライユ(ジャン・ポトン・ド・サントライユ)

フランスの将軍。ガスコーニュの傭兵隊長出身で、ラ・イールとは旧知。
各地を転戦し功績を上げ、後にフランス元帥に任命される。



ゴークール

 オルレアン代官。私生児ジャンとともに主無きオルレアン公領の経営に尽力する。



ジャン・ドーロン

ジャンヌの副官(というか、お目付け役?)として付き従う武官。
それ以外あまり記録の残っていない人。
ただし創作物ではかなり脚色されて大活躍することが多い。
リュック・ベッソン版ではシャルル7世に変装してジャンヌを試す役、
ジャック・リヴェット版ではジャンヌの恋人になっている。



サフォーク伯(ウィリアム・オブ・サフォーク、後に初代サフォーク公)

イングランドの将軍、政治家。前任のソルズベリ伯の戦死後、タルボット、
トマス・スケールズらとともにフランス方面の軍の指揮を取る。
後にイングランド王の側近となり独裁体制を敷くが、対フランス戦略の失敗により失脚、暗殺される。



ジョン・タルボット

イングランドの将軍。ジャンヌ登場後、劣勢に立たされたイングランド軍を率い、
百年戦争終結までの長きに渡りフランス軍を苦しめた名将。
  • モデルはPOGUESのシェイン・マガウアン。

ヨランド・ダラゴン(ヨランダ・ダラゴナ、ヨランド・ダンジュー)

スペインのアラゴン王家の出身で、夫は先代アンジュー公ルイ。
長子ルネは現アンジュー公、娘マリはシャルル七世の后。
王の義母としてシャルル七世に数々の助言を与える、フランスの影の実力者。
王家の威信を取り戻すため、イングランドの打倒を強く望んでいる。



ラ・トレモイユ

シャルル七世の信任厚い侍従長(当時のフランスでは官僚の最上位に位置するため、ニュアンス的には宰相に近い)。
劣勢のフランスの生き残りをかけて、ブルゴーニュ・ブルターニュ両公家やイングランドとの外交に腐心する。



シャルル七世

フランス王。後に勝利王と呼ばれることになるが、このときは26歳の青年。
国土の半ばを占領されたまま、反撃もできずブールジュにこもる彼のことを、
民は「ブールジュ王」と揶揄した。
実母イザボー(シャルル6世妃)は彼を「不義の子である」と言い、
ブルゴーニュ公と連名でイングランド王にフランスの王位を譲る条約を結んでしまった。
そのことがコンプレックスになっていたともいわれる。


イザボー・ド・バヴィエール

人呼んで「淫乱王妃」。
精神薄弱であった「狂王」シャルル六世を尻目に、王弟オルレアン公(バタール・ジャンの父)
と関係を結び、国政を壟断する。
オルレアン公がブルゴーニュ公(一部のクロエの祖父)らに暗殺されると、
次はそのブルゴーニュ公を愛人にし、ともにフランス王位をイングランドに譲り渡す算段をする。
(そのブルゴーニュ公もまた王太子シャルルの部下によって暗殺され、シャルルとブルゴーニュ公家の決裂が決定的になる。)
「フランスは女(イザボー)によって破滅し、娘(ジャンヌ)によって救われた」
という言葉が後になって流布された。



リッシュモン伯(アルチュール・ド・リッシュモン)

フランス王国大元帥(軍事上の最高司令官)。
百年戦争後半期のフランスを支えた、当代随一の名将。
しかしこのときは、政敵ラ・トレモイユ侍従長らの讒言により宮廷を追われ、妻の所領に隠棲している。
中立の立場を崩さないブルターニュ公の実弟であり、妻は公然と敵対するブルゴーニュ公
フィリップの姉である。(血はつながらないが、クロエの叔父ということになる。)
さらにアザンクールの敗戦でイングランドの捕虜になっていた時期もあったため、
裏切りを疑われたものと思われる。
  • ちなみに、リッシュモンとはイングランドのリッチモンドのフランス読みである。
しかし彼が実際にイングランドに領地を持っているわけではない。
ブルターニュ公家はノルマン・コンクエストでイングランドを占領・支配した
ノルマンディー公ウィリアムの家臣の家系であり、
その際下賜されたリッチモンド伯の称号だけが、公家の子弟の間で使用されているものである。