Neetel Inside ニートノベル
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マックで!
第九話「ガラケーって言葉なんかいいよな。」

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「新しい携帯がほしいなって思うんだよねー」


 きょうこが自分の携帯をもてあそびながら言う。もうずいぶん長く使っているようで、あちこち傷がついたその携帯はかなり年季を感じさせた。


「最近スマホとか流行りだもんな。あたしも今のはまだ使えるけど興味はあるな」
「そうそうスマホ! あれ面白そうなんだけどいろいろあるからどれにすればいいかわかんなくてさー」


 鈴は自分の携帯にじゃらじゃらとついたストラップを引っ張り上げてくるくると回転させる。水色の携帯電話がきらりと輝いた。


「機能の違いとかそんなにわからないものねぇ。とりあえず動く実物があれば触ってみたいとは思うけど……」


 サヤがそうつぶやくと、その隣で真奈が含みのある笑いを湛えながら自分のカバンをがさごそとまさぐり始めた。


「だだだらたったたーー……。スマートフォンー……」


 少しして、お目当ての物を探り当てたらしい真奈は青い色の未来たぬきロボが腹から道具を取り出すときの効果音でそれを取り出した。テンションはいつもどおりのまま、である。
 ちゃんと声は少しだみ声になっていたのが心憎い。


「おおっ! なんだよいつの間にスマホにしたんだー? 持ってるなら早く言えよー。見せて貸して触らせてー」


 きょうこが席を飛び上がり、目を輝かせながら真奈のスマホに手を伸ばす。


「……ふふふ。恐れ入ったか。貸してほしければ土下座して靴をなめなさい……」
「え、Sキャラも使えるとは……やるな真奈……」


 あまり見られない誇らしげな真奈に、鈴が驚愕する。
 きょうこはというと真奈の言葉を笑顔で無視して、スマホを手にとっていじくりまわしていた。


「おおおー。指で動くぞー。すげーなー。画面とかめっちゃきれいじゃーん」
「おい、きょうこ。あたしにも見してよ」
「えーなんだよ仕方ないなー。じゃあ二人でみようぜー」


 鈴が懇願するときょうこは口をとがらせながらスマホをテーブルの上に置いた。
 きょうこと鈴は向かい合って座っていたので、真中におかれたスマホにお互い指を伸ばすことになる。


「おおっ!? 二人で触ってたら画面が拡大されたぞ!?」
「……そういう仕様なの。これなら小さい画面でもネットとか見やすいでしょ」


 驚く鈴に真奈が解説を入れる。それを聞いたきょうこは素っ頓狂な声を出した。


「えー。じゃあ一人のときはどうやって拡大するんだよ!」
「……お前の人差し指の隣の指は飾りなのか」


 とぼけたことを言っていたきょうこだったが真奈の言葉に「なるほど!」と手を打っていた。


「ちょ、ちょっときょうこちゃん。あたしも触ってみたいなぁ……」
「……こらこら。なんでそんなみんなで触るんだ……」


 スマホのつつきあいに参加したサヤに、真奈もスマホを取り返そうと手を伸ばした。
 結局全員でスマホをつつきまわしているような図になる。


「なんかこれって……」


 サヤがそう言うと、残りの三人も口を開いた。


「「「「コックリさんみたいだな……」」」」


 スマホ=コックリさんという新たな方程式を発見し、彼女たちは苦笑いして指を離した。

       

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