なんだこの家、迷路かよ
襖だらけでどこを開けても襖だ
おのれお手伝いさん、あまりにひどい仕打ち
重い荷物を引きずりながらひたすら襖という襖を開けた
そのとき他の襖とは柄が違う襖を見つけた
蓮だ、蓮の花が二枚の襖に描かれていた
これだ!と思い勢いよく開けた
瞬間、
目の前に「目」が現れた
「へ?」
「近い」
プチュッ!
一瞬で全身に電流が走った
気がするほど強烈な一撃を喰らった
股間に
意識が薄れ倒れ行く最中、僕は見た
蔑んだような目で僕を見る神林 かえでの姿を。