「あのさ、魔璃亜……俺の部隊で一日だけ
エレメントドールを交換しようって話になった」
「……はい……」
「他の隊員のエレメントドールの性能を把握しておくのも
大事だろうって。イヤかな?」
「わかりました。貴重なデータを得る機会になります、
たまには他のマスターと接するのも悪くないと考えます」
「そうか、良かった」
「…………」
(他のエレメントドールも可愛いもんなぁ、
魔璃亜には悪いけど、楽しみだなぁ、フヒヒッ♪)
「でも、一点だけ懸念があります」
「ん? なにかな」
「万が一、マスターが他のドールとの相性を深めてしまうと、
私のサポートに支障が出る可能性があります」
「……?」
「失礼します……」
「な、なんで操縦席に自分の写真貼りまくってるの!?」
「私のことを一瞬でも忘れないようにと」
「そんなに貼ったら計器類が見えないよ!」
「それと、魔璃亜ラブって書かれたハチマキ、
これをずっとつけていて下さい」
「恥ずかしいよ!」
「ではこの、私の手作りのぬいぐるみ……
これを私だと思って、肌身離さず持っていて……
一時でも手放したら、あなたは死にます……」
「ごめん、交換やめる! 俺は交換しないから!
だから泣かないで泣かないで!」
―――――――
(ふう、今日の訓練もシビアだったな。
魔璃亜の姿が見えない……トイレかな)
「あなたが期待の新鋭パイロットさんね」
「ん? きみはタイプAの……」
「AはアタックのA、それはエースのAでもあるの。
戦闘は攻撃あるのみ、より多く攻撃できる者が最強よ!
やっぱりタイプAよね♪」
「やっぱりEDって……変な子が多いな」
「なにか言ったかしら?」
「美少女ばっかりの部隊で楽しいです」
「せいぜい第一級戦闘員になれるよう頑張りなさい。
童貞でも戦績には関係ないわ、んふふっ♪」
「なんで童貞だって知ってるんだ!?」
「あなたのEDが広めまくってるわよ」
「ちくしょう!」
「過去の戦績を見たけど、なかなかすごいのね。
詳しく聞きたいわ」
「えっと……まあ、後で」
「そっけないわね」
「他のEDと話してると魔璃亜が怒るんだ。
シューターの勘だけどこうしてる今も……」
「いつまで朱里さんと話してるんですか?」
「いてててて! 強く引っ張るなよ魔璃亜!」
―――――――
(ほっ、今日の訓練はイージーだったな。
また魔璃亜の姿が見えない……
最近ますますあいつワガママになってるっつーか
何考えてるかわからない度が増してるっつーか
とにかく油断できねえ、気をつけないと)
「あ、あの……初めまして……」
「ん? きみはタイプBの……」
「はいっ、光と言います……♪」
「うほっ、やっぱりどの娘も可愛いなぁ」
「とても腕の立つ童貞パイロット様だと聞きました」
「いやぁ、それほどでも……
って童貞パイロットってなんだァァァ!?」
「魔璃亜さんが超広めてますので」
「クソァァァァ!!」
「落ち着いて下さい、童貞パイロット様。
童貞でも戦績には関係ありませんっ!
童貞パイロット様ならきっと第一級戦闘員になれます」
「童貞童貞うるせぇぇぇッ!!」
「ひっ……す、すみませんっ……」
「いや、ごめん、光ちゃんは悪くない。
魔璃亜のやつ後でどうしてやろう……」
「タイプB戦闘機の実戦経験もあると聞きました。
よろしければ、いろいろ教えて欲しいです」
「タイプBは難物だからなぁ。
でも戦闘ヘリは男のロマンだぜ。
えっと……まあ、後で……」
「あ、あの、私……胸は自信がないので……♪」
「えっ? な、なんでパンツ見せてるの?」
「いけませんか、お気に召しませんでしょうか」
「いや、嬉しいけど、嬉しいんだけど……
うはぁ可愛いお尻、パンツパンツ……ふう……」
「このぐらいしか私、取り柄がなくて……
いつもマスターに迷惑をかけちゃうんです」
「そんなことないよ、大丈夫だよ光ちゃん。
俺がマスターだったら全然オッケーっていうか、
うおおお目が離せねえ、こりゃたまらんっ……
光ちゃんのおけつパンツ最高ゥゥゥッ!」
「あ、あまり見ないで下さいっ、恥ずかしいです……♪
あの……教えて下さいますか?」
「うんうん、教えちゃう教えちゃう!
でも他のEDと話してると魔璃亜が怒るんだよなぁ。
シューターの勘だけどこうしてる今も……」
「いつまで光ちゃんと話してるんですか?
どうしてパンツをガン見してるんですか?
ロリコンなんですか?」
「ウギャアァァァ! 超いてぇぇぇ!
そんなに強く抓らないで魔璃亜!」