Neetel Inside 文芸新都
表紙

黒歴史短編集"環"
噂の幽霊屋敷

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♪。♪♪。
学校で流行っている歌を歌いながら、壊れかかったアーチ状の門をくぐる
いまさらながら、掃除機を背負って来たのは間違いだった、と思い始める
昔父親が見ていた、ゴーストバスターズという映画の影響で、唯一家から持ってきたアイテムだったが、荷物以上の役には立たなさそうだ
玄関から入るのは躊躇われて、荷物を置いて窓を叩き割り、屋敷に侵入する
どうやらここは廊下の窓だったようだ
目線を上げると、槍を持った暗い影がこちらを見ている
一瞬人間かと思って焦ったが、すぐに甲冑だと気づく
びびらせよって。
悪態をついて、廊下を見渡す
右と左に、かなり長く続いているが、さてどちらに行こうか
左手の法則に従って、左に向かうことにした
途中あった扉を片っ端から開けていったが、特に何の成果も無く
一階は調べ尽くして、二階に上がってみたが、時間を無駄にしただけだった
結局、こんなもんだよな。
呟いて、帰りは玄関から出ることにした
背中が重い、さっさと家に帰ろう。
車に乗り込んでから、荷物を忘れていることに気づく
面倒くさい、どうせ捨てるものだ、と、掃除機を諦めた
少し考えて、違和感に気づいてしまった
車のタイヤの空気が、抜けていた

       

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