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学者が助走をつけて殴るレベルの「古事記」
豆知識‐その10

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豆知識その十「あれ? よく考えたらおかしくね?」

 オオナムヂ改めオオクニヌシは、スサノオの娘であるスセリビメと恋に落ち、そしてスサノオの試練を乗り越え、遂には結ばれる事になります。
 ここまでなら普通にあるラブストーリーとも言えなくもないのですが、血縁を考えると、その色模様はガラリと変化します。
 オオナムヂは、スサノオの六代孫です。そしてスセリビメは、スサノオの娘。
「……ん?」と思う方、いらっしゃるかと思います。
 つまりオオナムヂは、血統は違ってくるとはいえ、自分の五代祖母と結婚した事になるわけですね。いくらストライクゾーンが広い事に定評のある男性でも、仮に自分の五代祖母が生きていたとして、その祖母と付き合う事はしないでしょう。発想もしないかもしれません。実際これは、古事記の中でも結構珍しいケースだと筆者は思います。
 ただそれは、違う見方をすれば、それほどスセリビメが美しい女神だったのだろうな、という解釈も出来るわけです。
 そもそも、古事記に登場する神様は、ある一定の時期に到達するまでは、「肉体的成長」とか「老い」とかの概念がないようにも見えます。というか、実際にないのでしょう。例えばスサノオの産んだアマテラス・ツクヨミ・スサノオに関しても、産まれた時からその姿をしていたようですし。
 つまり、どんなに年を重ねようとも、身体的にはいつまでもそのまま、という風に予想が出来ます。現代人としては羨ましい話ですね。

       

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