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「ソナタ」
http://lapluie.kumogakure.com/novel.html


三浦先生作品。
前回の感想で44話まで読んでいました。
今回で46話まで更新されていたので最後まで読みました。

■登場人物が多すぎる
前回感想でも指摘しましたが、やっぱり登場人物が多すぎるんですよね。
多くの人物が一同に会した中で、それぞれが好き勝手喋るんですけど…。
誰が何を喋っているのか頭に入ってこない。
赤丹、霙、孔雀、若芽、珊瑚、木村。
この六人は透輝大学病院側の人物なんですが、それぞれ喋る前に名乗って欲しい。

霙「……」

とか、そんな感じでSSのようにしてくれたらギリギリ理解できたと思います。
それぐらい内容が頭に入ってこない。
そんな状態で45話から読んだらやっぱり意味不明だった。
圧倒的に一人一人の人物掘り下げが足りていないですね。
それに加え、六人の人物が同じ場所にいる中で、それぞれが好き勝手喋るという状況を書くには力不足というか…。
三浦先生の中では分かっているのかもしれませんが、読者はついていけないと思います。
一人一人の掘り下げができていれば、それなりに理解もしやすいでしょうが…。
透輝大学病院編は一度リメイクされているのですが、話数が今より多かったんですよね。
つまり内容をかなりダイエットしてしまった。
その前の内容を読んでいないので断言はできませんが、ちょっと無理なダイエットだったのかもしれません。
脂肪は減ったものの、魅力的な胸までしぼんじゃった女性のようです。
もう少しゆっくり進めるか、話数が減った分だけ登場人物を減らすべきだったかと。

■46話のペースでいくべき
厳しい事を書きましたが、だからこそ道重珊瑚の過去を書いた46話は素晴らしかったです。
珊瑚視点で、彼女の重い過去がきっちりと書かれていた。
やはり「日常編」の1~37話と同様、登場人物を一人一人丁寧に描写するべきです。
話数が多くなっても登場人物の強烈な個性が光れば読みやすくなるでしょう。
「ソナタ」の魅力は群像劇だと思います。
主人公は光と透だけど、実に個性豊かな登場人物が目白押し。
それら一人一人を丁寧に描写していくだけでも相当な話数になると思いますが、それと並行してでも物語は進められるはず。
三浦先生の世界の中で、「ソナタ」の登場人物はみんな大事なんでしょうね。
ドミノを外伝の主役に据えておられるように、一人一人が主役級にあくが強い。
でも強すぎてちょっとえぐみが出てますね…。
素材の味を活かし切れていません。
ソナタと言えば奏鳴曲という意味。
でも扱いをしくじると不協和音となってしまいます。

■漫画にすべきか?
ツイッターで呟いておられましたね。
「ソナタ」を漫画で描くべきだったかな?と。
最初の方に書いた感想でも述べていたと思いますが、とても漫画的な小説ですものね。
作風に合っていると思います。
労力は小説の比ではないと思いますが、三浦先生は魅力的な絵が描けるので、したいのならそうしても良いかもしれません。
コメント数も読者数も十倍ぐらい増えますし。
ただ、別に小説のままでもやっていけると思いますよ。
仰るように、心理・内面の描写は小説の方が書きやすい。
やはり四十話以上も小説を続けて書けるだけの情熱があるのですから。
ここまで書いたのだから、文章表現だけで全てを書き表す!という矜持で臨み、是非完結して欲しい。
小説完結後、情熱が残っていればゆっくり漫画化しても良いかなと思います。

最後に、しつこいようですが完結させて欲しいです。
ここまで読んだのに完結されなかったらショックはめちゃくちゃでかいです…。
この企画が終了後も、一話一話では読まないと思いますが、完結したら必ず一気読みします。
どうか頑張って下さい!

       

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