Neetel Inside ベータマガジン
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「大きな頭」
http://hidekikobayashi1982.web.fc2.com/atama/


刺身先生作品。
ここ最近、小説も漫画も沢山投稿されてますよね。
精力的で何よりです。
余談ですが私も「やさしいおくさん」が欲しいです。
二作品別々に作品登録されてますが、短編集という形で一つにまとめてもよろしいかと。
今後、他にも書いていかれるなら、編集するサイトが一つで済みますしね。

■文章に特徴が無い
ごくごく凡庸な内容です。
文章は上手くもなく下手でもない。
特徴が無いという方が正確かな?
色んな小説を読んでいると、漫画における絵柄のように、文章の特徴があるのに気がつきます。
漫画の絵柄のように分かりやすくはないけど、文章から受ける印象は全然違う。
良くネットで見かけますが、色んな商業作家が書く爆発シーンのコピペとかご存知でしょうか?
物凄く色んなバリエーションがあるなぁと感心します。
新都社作家も負けておらず、こういうアンソロジーがあります。

「新都社作家の後ろで爆発が起こった企画」
http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=12323

こういうアンソロジーでいかに自分が出せるのか?…というのも、刺身先生の力試しには良さそうです。
でもまぁ、別に「文章が上手くなりたい」という訳ではなく、「書きたい内容を出しただけ」って作家さんも多い。
ちょっとお節介だったかもしれませんね、すみません。

■違和感だけがある
内容についても凡庸と切って捨てちゃいましたが…。
・展開に起伏が無い
・突っ込みどころが突っ込まれずに終わっている
・ゆえに違和感だけがある
と、感じました。
ガンガン突っ込みますね。
「頭の回転が速い」という言い回しには、学校の勉強はできなくとも生きていく上での賢明さをさすことが多いと思う。
学校の勉強ができても、他人の秘密をべらべらと喋って恨みを買って苛められている。
そういうのは単なる頭でっかちで、賢くはないと思う。
イジメと安野についても勿体ない使い方をしている。
酷いイジメやNTRで、物語に起伏をつけるチャンスだったのに全然大したことがない。
主人公は特に試練もなく、都合良くハッピーエンド。
漫画の「やさしいおくさん」もそうですが、旦那は何を言われても働かない屑なのに、おくさんは一人で働き妊娠までしちゃう。
一見、不幸な話のように思えるのに、物語自体はとてもハッピーというか緩い雰囲気で進んでいる。
漫画と小説の違いはありますが、基本的な部分は同じですね。
読者は「え?」と思うような引っ掛かりを感じているけど、物語はそこを拾わずにすんなり終わってしまっている。
敢えて語らず、余韻を残しているのかな?と、漫画では思っていましたが…多分違うな。
本作ではこの上ないハッピーエンドな結末として描写されていますから。
読者の疑問は置いてけぼりで、作者は余すところなく書ききったつもりで満足している。
本作における違和感はそれに尽きると思います。
…と、厳しい事ばかり書きましたが、良い点としては掌編として良くまとまっている点。
こういう掌編をもっともっともっともっと書いてみて下さい。
これだけでは読み足らないし、刺身先生の良さは伝わってこないと思います。

       

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