Neetel Inside ベータマガジン
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「密林のEel」
http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=17118



複素数先生の作品。
ヤング「伯方さんと僕」の印象が強い作家さん。
ベータ「ハウツー・ショット」は勉強になるので気が向いたら更新して欲しいところ。
ニノベでも連載されてますが…すみません! 読んでません。
なので小説作品は初見です。
わざわざ文芸に移動してこられました。
これは気合を入れて読みたいところ!

■キャラクター紹介。
1ページ目にキャラクター紹介を持ってくる人って案外少ないんですよね。
文芸ニノベは紹介していない人の方が多い気がする。
ネタバレを含むからって思っているのかもしれません。
ただ、小説も漫画もキャラは大事!

・長田少佐(艦長、長田さん、少佐殿)

このように、複数の呼び名があるキャラクターを説明する事で、断然読みやすくなります。
多少のネタバレは覚悟の上で、別に1ページ目じゃなくてもいいのでつけて欲しいですね。

■1.大陸の風

>壊れかけの扇風機の、カラカラという音が静寂の中響く。

良いですね。
この書き出し一文だけで、時代背景、季節感が伝わります。
「昭和」「夏」って、そんなレトロな感じ。
ちょっとエヴァの日常風景を感じさせました。
あれは未来のSF世界で妙にレトロな情景が出てくるというシュールギャグ的な描写だったけど。
こちらも1950年代らしいけど、史実と異なるSF世界のようです。
新京とか満州とか出てきていて、まだ満州国があるっぽいし。
無闇に漢字を羅列させた書類の束。
大仰な役人。
で、主人公の坂本は「研究に没頭して人付き合いの苦手なものぐさ教授」な様子。
若い冬月さんをイメージしました。
そして手回しの良い役人・村田に断る口実を塞がれ、生物調査に駆り出されてしまう。
このあたりもゲンドウに振り回される冬月さんをイメージしましたw

■2.戦時中は
やはりif歴史が進んだ世界のようです。
大東亜戦争で44年、日本はアメリカと停戦し太平洋を東西で真っ二つに分けている。
一方、中国とソビエトとの戦争が泥沼化したようで。
いいですね、架空戦記物は大好きですよ。
海鹿というとアメフラシの別名ですが、こちらではアザラシに似た生物のようで、その肉が豚や鶏よりも広く流通しているとか。
ちょっと異世界的な要素も見せています。
誤字が二ヶ所ありました。短い文章の内ですから注意して頂きたいところです。

■3.研究者として
2話に続き、3話も坂本の回想が挟まれています。
1959年の40代となった坂本と、若い頃の坂本の話が並列的に語られていますが、コメにあったけどテンポ悪いかなぁ?
大して長い文章でもないし、作風だと思います。
3話最初の夢の話とかも効果的だと思いますし。
注意深く読んでいれば流れはちゃんと分かる。
淡々としつつも余り感情を見せない主人公への理解と好感度を上げる効果もある。
まぁ、まだ始まったばかりなのでこれからに期待ですね。
あとは衍字(えんじ:脱字の対義語:文字余り)が一ヶ所。
良い文章書いてらっしゃるので、注意して頂きたいところです。
コメント欄が話の内容に触れられず誤字についてだけになっちゃいますからね。

       

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