Neetel Inside 文芸新都
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書き散らし駄文録
仮面舞踏会

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「お嬢さん踊りませんか?」

仮面を付けた一見優男風な男(顔は見えないのだが)
が話しかけてきた。

私はそれに会釈を返し、またホールの隅で一人たっていた。

ここは仮面舞踏会、誰もが仮面を付け
人に自分を見せずに誰かを誘い、一緒に踊る
ただそれだけの場所。
わたしももちろん仮面を付けている

ずっと付け慣れている仮面。

下がどうなっているかだなんてとうに忘れたけれども。

「お嬢さん、一人でいるのは勿体無い。」

また話しかけてくる人がいた
当然仮面をかぶっている

私も仮面を被っているのだから大きなコトはいえないが
せめて女を誘う時ぐらい、素のままを見せればどうなのだ。

やんわりと断ると
男は人の流れの中へと消えていった。

やんわりと断った私もまた、ホントの気持ちを出せていない
同じだね、私も、あの男の人も
誰かにホントの姿を見せずにいて、それがラクだから
傷つかないから。仮面のせいにできるから。

ここは仮面舞踏会。

社会の縮図。

       

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