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「きかんしゃトーマム」    七面鳥 作
http://shichimencho.digi2.jp/tomam/index.html

お待たせしました!
これにて最後の作品感想になります。
ラストを飾るにはふさわしい力作ではないでしょうか。
漫画でお馴染みの七面鳥先生、ありがとうございます!
本作、ジャンルはきかんしゃ。
きかんしゃトーマスの二次創作となっています。
原作のトーマス好きとしてはかなり嬉しい作品です。
今回の更新、奇跡ではないかと思うくらい喜んでいた一作でした。
因みに私も元ネタ知らない箇所がありました。
元ネタ知っていたらもっと楽しめたかもしれないと。
あとバーボン先生の「アサシーノス」にもふれられていた。
同作品も現在未読。こりゃもう読むしかないですね。
あはは。



■各話ごとの感想

第一部
・トーマムの特別な仕事
一話ごとが短いからあらすじいらなさそう。未読のかたはぜひ読んでみて欲しい。
台詞や地の文からトーマスそのままの語り口調が聞こえてくるよう。それっぽい節回しをかんじられます。笑ってしまう。
岩を転がすトーマスの絵図がシュールで超笑えます。目がコワイねw

・パルシィに花束を(前編~後編)
感受性豊かなパルシィ病んでしまったようでこれまた笑う。この物語でのパルシィの扱われようの残酷さが爽快です。
ヴィクタンだけじゃないのだけど車両に手とかないのにどうやってダイナマイト作るんだろうw
本作では、似たような描写で擬人化表現か出てくるのですが、これは読者との暗黙の了解になっている現象。盛大に笑わせてくれる。超ウケる。

・J・J・ジェイムスのありふれた日常(前編~後編)
チャラ男のジェイムスのしゃあねえなーこいつって感じの一幕。
やはりここでも飛び出す擬人化表現に笑いました。笑えるんですよ。とてもね。それでいて彼の熱くなりきれないという情の部分もしっかりと書き込まれているところが実に憎い。機関車のラブシーンを連結という斬新表現でぶち込んでくるたまらなさ、草不可避です。
後編ではジェイムスだけでなく、トーマムまでもが機転の利いたタイミングの汽笛。美しい物語の仕上がりに感嘆させられるところでした。いやー、すごい。

・なぜトビーは「しかくいなかま」なのか
個人的にあの四角くて古臭く野暮ったい形、トーマスシリーズの中では希少価値あると思います。好きなんですけどね。歌の歌詞の紹介なんかもされていて嬉しいところでした。

・エドワッドの秘密(前編~後編)
わはははーまたきた。手がないのにどうやって撮影するんだあエドワッド(棒読み)。当たり前に飛び出す疑問はスルーがデフォw
スポンサーを意識し、金と権力に与する姿勢を書き尽くす作家さんに好感が持てます。この黒さこそ私鉄のワンマン社長という態を露わにしている感じがしますね。
煙の中でエドワッドにとってかわった某機関車が現われる箇所、仕上がりが非常に上手いと感じられます。

・みどりのきかんしゃヘンリーエ
パルシィの消されよう、爽やかに毒があって笑えます。
原作でも同じなのですが、一様に自分勝手な奴らが社員(機関車)の私鉄って問題あるだろって思いますね。そりゃあ事故も毎日起こるぞっていう。しかもその事故を仕方ないとかいっているからお手上げなところがある。真面目にやれよって思わされる、良いけど別に。わはははは。
正直者は所詮はめられて利用される。それでくたばっても黙殺されるという社会の縮図を見ているかのようです。血も涙もない。
きかんしゃトーマム、これはマッド・トルネコに通じるダークサイドな鉄道物語だ。素晴らしい。

・ヘンリーエの森
ヘンリーエの執筆意欲が直球すぎて笑える。
トーマスはここで感心の行動。さすが役に立つ機関車は一味も二味もやることが違います。

・エミミーと危険な機関車(前編~後編)
機関車の女の子、マドンナのエミミーの表現に笑えます。ツンデレ具合の仕草も笑い要素なんですが、ああ、もうこれネタバレなるよね。いいたくないや! あそこのあそこがああでこうでってもう発想凄く良い。
笑うしかないよこれ。

第二部
・プロローグ~ 金糸雀亭 密室失踪事件  ~ ・警察庁官房長官室長 小野田公顕
第二部から何か元ネタがあったのかな? ミステリーっぽい雰囲気でした。
杉下さん良いキャラクターですね。始終笑わせてくれます。
直球下ネタ無遠慮な台詞を投げてくる厚かましさに好感を覚えたw 
現場保存を抜かしておきながら自ら食べて確認していたりするところとかつっこみどころ満載で面白い。
片や相棒の神戸さん、杉下を辛辣に扱って冷たくあしらう。なにこのBL丸出し感w
作中の中での杉下さん、キャラの割にちゃんと冴えているところもあってさすがミステリーの謎解き役と言った感が伺えました。機知な魅力としてとらえておけばよいか。
あと、ヒーロ(原作ではヒロ)、こちらも嬉しいキャラの登場でした。
ソドーの仲間たちからするとボディは黒くて地味、しかも日本の機関車ということもあってレアアイテムの玩具としてこちらでは販売されています。おそらく市場で今後見かけることないと思います。新たに原作シリーズで彼の物語が増えると販売されるかもしれないけれど、ほぼないでしょうねえ。
なにはともあれ、本作でふれられているヒーロのトーマムに発見され、プリマハム・ハット卿にこき使われるに至る曰くについても興味深く面白い内容でした。

・新都社作家 殺人事件
バーボン先生が登場している。ワロタ
同先生の作品「アサシーノス」未読なのです。俄然読みたくなる。
杉下の好みのシーンが満載って、わはははそれは読まないといけないってことでしょうねこれ。
わはははは。
他興味深い部分もありますが、このくらいにして控えておきます。登場作品の内容を色々ご存知の方はもっと楽しめるのではないでしょうか。



■まとめ感想
第一部と第二部、全くガラッと違う物語の内容。
個人的には一部の「きかんしゃトーマム」のほうになじみがあり楽しめた気がします。
原作の中身でも感じられることがある、大人の目からみたトーマス世界のシニカルな部分を色濃く押し出してくれていた二次創作のような気がします。それでいてキャッチ―なところも忘れず守られている。さじ加減は絶妙でした。
読んでいて退屈させられなかったと思います。個人的にトーマスシリーズは好きなのでここまでやってくれると嬉しいところ。本作でのシリーズももっと読みたくなりますね。
七面鳥先生の先のインタビューでは、トーマスのことについて質問礫を投げていたのは他ならぬこの私。スイマセンした! もっと質問あったけどさすがに怖くなってやめました。
本作では作家さんの原作愛を存分に堪能できた気がします。
また、かなりの文章上手なだけあってか、物語の構成やシナリオ作りをちゃんとなさっているのかに見える、面白く読むことが出来ました。
登場人物も魅力的だったと思います。よく分からず楽しんでいた第二部のほうでは、杉下が非常に面白い役どころで会ったと思わされましたが、元ネタがあるのかな。黒兎先生のラジオのほうで少し触れられていましたが、私も元ネタ知りません。しかしこれだけ楽しめましたので単位・良は手堅いかと。
このたびは更新誠にありがとうございました。
こうやって最後にずっと気になっていた作品の感想を書くことが出来たのも嬉しいところ。
今後も更新を楽しみにさせていただきます! 頑張ってください。



以上感想終わり!


       

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