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★10周年記念・文芸チーム感想企画★
きぼん感想/猫瀬

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「アサシーノス」バーボンハイム
http://sayakawaorenoyome.web.fc2.com/assassinos_index.html

 連載当初はきぼんの中でも異色だなーとイメージが強かったのですが、さいきんではきぼん作品でも戦闘やそういった裏組織を絡ませる話は多くなってきましたね。少女マンガというジャンル自体、昔からそういった作品は一定数あるので不思議なことではないのかもしれません。
 アクションシーンだけではなく、街や舞台の雰囲気までも絵だけで表現できるところに画力と技術の高さを感じます。2章(8話)以降では意識して描かれているようなので当然ですが、この作品を読んで映画的な雰囲気を感じた方は多いのではないでしょうか。
 作者の方が映画好きで強い影響を受けているということもありますが、1話で描かれたディエゴの殺し屋として生き方、必要最低限の台詞とオノマトペだけで進んでいく爽快なストーリーが「ガンアクション漫画」というよりも「映画的」というイメージを読者に印象づけているのかもしれません。
 自分は普段あまり映画を観ない方なのですが、リュック・ベッソンの作品には一時期ハマっていたことがあって、「殺し屋の愛」といえば「LEON」が真っ先に思い浮かびます。「LEON」ではマチルダの「愛か死か」という台詞が印象的ですが、この漫画で言うなら「愛か神か」でしょうか。
 ただ、この漫画の特徴的だなと感じたところは、「殺し」というものを多く扱いながらも純粋な人間を描いているところでした。(またLEONの話で申し訳ないのですが)たとえばゲイリー・オールドマンが演じるスタンのように薬物で狂った人間や殺しそのものに快楽を感じているような人物はあまり出てきません。五大老のダニエルなど、この漫画にも狂っているように感じる人物がいないわけではありませんが、彼らの快楽の対象や心の支えになっているのは女や神であり、その行動理由は自己中心的というよりは誰かのために動いているという印象があります。もちろん主人公であるディエゴも不安定で偏ってはいるものの神やモニカへの愛といったものが彼に強く影響と試練を与えていて、そういったものがキャラクターたちに人間的な魅力を持たせているのではないでしょうか。
 今回の更新では第9話の続きが更新されました。ダニエルの進めようとしている「アサド計画」の正体が少しずつ明らかになってきましたが、よくわからない単語がほとんどでいまだ謎が多い……。神に見捨てられたと感じているディエゴが、再び神や教会のために利用されてしまうのはなんとも皮肉ですね。「教会」はキリスト教や仏教などいろいろなものを含んでいる不思議な組織。魅力的な設定だなと思うと同時に、なんでもありになってしまいそうで扱いが難しそうだと思っていたんですが、組織の目的や存在というものが小出しでうまく描かれていて、だんだんと気になってきます。
 シャベスはわかりやすい、いい悪役となっていますね。ファリスがシャベスの暗殺を依頼したとのことで、ここからは教会側の動きとシャベス暗殺の動きがディエゴを中心に展開されるのでしょうか。
 さて、前回のダニエルくんに引き続いて、今回はディエゴのチンコが描かれました。前回はたしかに突然で驚いたのですが、今回の描写は聖画的な感じだったので自分としてはあまり違和感なく受け入れられました。たしかに、漫画などでは黒塗りやモザイクで隠されていることが当たり前で、読者はチンコをチンコと見ているのではなく、黒塗りやモザイクをチンコと見てしまっているのかもしれませんね……。自分はおちんちんもおっぱいも大好きです。


「ほもほもほもほも」藍田レモン
http://sky.geocities.jp/yfrpj091/indev.html

 また、チンコ(挿入)です。僕はきぼんのおちんちん担当なのでしょうか。
 タイトルやコメントから「BLを題材にしてギャグ漫画なんだろうなー」ということは認識していたんですが、これまで読んだことはありませんでした。今回の機会で読ませていただいて、非常にそのことを後悔しています。こんな面白い漫画があったなんて!
 現代のエンターテイメント全般において、ワンパターンネタというものはひどく雑に扱われているように感じます。それは見る側が「どうせいつか飽きるだろう」という先入観を持ってしまっているのと同時に、場所やタイミングにあまりこだわらずに使い捨てのように使われていることが原因のように思えます。
 この漫画ではすべてのシーンが「挿入」を活かすために描かれているといっても過言ではない! ワンパターンネタは最初に見た時の「おもしろい!」という感覚を見る度に想起させるため、しばらくは何回見てもおもしろく感じると思うのですが、この漫画はいかに「挿入」という状況に持っていくのか(あるいはいかにありえない状況から無理やり「挿入」に持っていくのか)を楽しませるようにつくられています。
 今回自分は一話から一気読みしたのですが、まったく最後まで飽きることはありませんでした。途中、なかなか挿入しない回や挿入だけではなく種付けも行うようになったなどの変化もありましたが、やはり飽きなかったのはネタの豊富さゆえでしょう。
 今回の更新では6つの4コマとおまけ(?)がありました。
 
・科学の実験
 シュレーディンガーの猫を元にした回
 そもそもホモを密室に入れたら挿入するのが前提なのか……
 でもリボンとサムソンなら悔しいけど納得してしまう
 勢いでまとめようとしてきた語りに対して「2コマ目でズンって音が……」というツッコミがなんとも秀逸。ケツの穴だけじゃなくて実験自体がガバガバじゃないか……

・男ケツ2015
 突然のアイマス。実質3コマ
 元の歌詞は「お茶」と「男の人」が逆になんですが、いや、元からおかしいよねこれ
 穴を掘っても埋まってるのはちんこだけじゃないか!

・空から
 いままでもポ○モンなどのアニメネタはありましたが、ジブ○ははじめてでしょうか(もしかしたら忘れているだけかも)
 1コマからわかってしまう落ちと、3コマ目の溜めたあとから来るリボンくんの喜悦とした表情がなんともずるい

・ごろ合わせ
 これ、コマごとに一度抜いたり挿入したりを繰り返してるんだろうかw
 3コマ目の「なくもんか!」という返しどおり、この回では「あーっ」と一度も鳴いていないサムソン先輩! 頑張ったね!

・野球
 バレーボールなどときどきやってくるスポーツ回
 野球回がある漫画にハズレはない!
 そもそもリボンが滑りこむ側のはずなのにどうして覆いかぶさってるのか!
 謎のプレーに対してルールブック確認はギャグ漫画での定番ですね

・細いきゅうり
 もう何度目だ! きゅうりネタ
 でもこれ、サムソンが自分から「きゅうりがあるよ」ってわざわざ教えてるんですね
 そもそも教えなければ挿入されることもなかったのに。前々からサムソンはきゅうりに対して抵抗が少ないように見て取れる回が度々ありましたが、もしかしたらきゅうりを挿入されること自体が好きなのかもしれない……
 そして、サムソンの考えを軽く上回っていく挿入サイコパスの発想!
 もう勝てる気がしない
 
最後に
 どうも、猫瀬です。今回はきぼんの2作品を担当させていただきました。作品全体に触れつつ、最新更新分の感想を中心に書かせていただきました。漫画の感想を書くのははじめてだったんですが、楽しみながら書くことができました。素直な感想だけを言ってしまうと「おもしろい!」の一言で終わってしまうので出来るだけ細かく膨らませてみましたが、「偉そうに書きやがって」とか感じられた方がいましたらすみません!

       

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