Neetel Inside ベータマガジン
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★10周年記念・文芸チーム感想企画★
ぷげらその2/黒兎

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※この感想には個人の臆測が入り混じります

■よんこまんが
 キョータ先生の作品。日常系ほのぼの恋愛コメディ4コマ漫画とのこと。最近こういったタイプの4コマが流行っている気がする。野崎くんとか生徒会役員共とか色々。4コマ漫画は短いコマ数で一つの話を作らないといけないので、ネタの応酬になった結果とんでもなくシュールな作品になることがしばしば。この作品も例に漏れずとてもシュールな作品。
 絵は雑だけど、どういう状況なのかキチンと分かるので◎。というか二話辺りから画力上がった。壁のヒビがとてもリアル。落ちは基本的に女子生徒がボコられて終わる話。でもそれ一辺倒というわけでもないので予想がつかない。何度殺されかけても蘇る女子生徒も凄いけどパンチングマシーンで9999点出した男子生徒も何気にすごくない?
 あと、三話の最後がどうなっているのか分からなくて悔しいので考えてみた。
 ①狭い管を通ったためミンチ状に(いきなりグロすぎるしそんなに狭くなさそう)
 ②ぬいぐるみに埋もれてる(男子生徒UFOキャッチャー超うまい)
 ③女子生徒以外の景品の詳細が明らかになっていないが、実は残りの景品は全てやまいもで、通常はすりおろされた状態で排出されるため女子生徒もそれに倣った(いや、意味が分からない)
 多分③。

■ない!
 中野先生の作品。連載始まった頃から読んでた。
 これまた日常系の4コマだけど、一味違う。4コマ漫画として特別起承転結があるわけではなく(当然だけどそういう形式の話ももちろんある)、日常の中のワンシーンを4コマ漫画として切り出したという感じ。これ好き。「嘘ついたりしないっていう 嘘ついた」みたいなの良い。妖怪を怖がる幼心が見える。
 基本的に3兄妹の末っ子・あき視点で話は進んで行きます。家族、近所の人、ともだち、先生と触れ合っていく中で、あきは色んなことを学ぶ。お父さんが麻雀打ちに行ってることは言わなくていい、幽霊を怖がるのは悪いことをした人だけなどなど、色んなことを教えられてあきはどんな子に成長するのか楽しみ。最後の話、お兄ちゃん忙しいって段ボール切ってるだけやないか遊んであげて。あと、あきが「中」の字を書けたのって、お父さんの麻雀が関係してたり? そんな想像をするのも楽しい。
 ただ、お父さんの顔が見えないのはちょっと怖い。公園の一コマ目で大人(お父さん?)が子どもを叱っていたり、首吊りを見たという話、せむしなど、ちょっと怖い話もある。せむしは背骨が曲がってる方か、犯罪用語の方か。掘り下げられるかは分からないけど、今後もちょっとホラーなネタは入ってきそう。

■となりの宇宙人観測日記
 えいじゃー先生の作品。一言で表すとストーリー仕立ての非日常展開アリの日常系4コマ。一言じゃねえじゃねえかというツッコミ禁止。
 ほのぼの系かと思えば最初からいきなり重い。愛する人を失った主人公・宰のもとで月からやって来た月星人……じゃなくて宇宙人のアリサがわちゃわちゃする話。宇宙から来たので世間知らずと言うか地球知らずなアリサが可愛い。デフォルメ可愛い。絵も描きなれている感じがして読みやすい。最初の方はギャグ4コマというイメージが強いけど、話数を重ねるにつれ次第にシリアスに。最新話はかなり重い話に。0話のシーンも出てきていい感じに盛り上がってる。
 今現在怪しいことを挙げてみると、
 ・アリサは前のマスターの命で宰をマスターとした。前のマスター? 翔子の葬儀の日に初めて会ったことが関係している? 実は翔子が前のマスター?
 ・我々と言っている辺り、アリサは複数人いる。最初に来たアリサと屋上にいたアリサは同一人物で、残りは違う。
 ・「あの人(宰)のいる空間を知ることが出来たから」。どういう意味だろうか。観測する意味は? 宰の事を知るため? 翔子が前のマスターだとすれば、もしかして翔子の代わりになるために宰の事を調べて近付こうとしている?
 などなど。勝手な推測は多々あるものの、今後のストーリー展開から目が離せない。ぼけーっとしてるアリサをもっと見たいと思う反面、話が進んでほしくもあり複雑。単眼可愛いよ、単眼。

■肋骨粉砕くん
 右手先生の作品。肋骨粉砕系4コマ。なんじゃそりゃ。
 が、開始数秒でめちゃくちゃ笑ってしまった。砲丸キャノ子が何故かツボにはまった。こう、明らかにおかしいモノをさりげなく日常に溶け込ませてどんどん読者を置いていくタイプの漫画好き。あのサイズの砲丸直撃して肋骨粉砕で済む肋骨くんもなかなか出来る。肋骨めがけて寸分くるわず突撃するキャノ子のポテンシャルも計り知れない。幼馴染ってことは、小さい頃は砲丸じゃなかったんだろうか……と言うか今のサイズもはや砲丸じゃないのでは? そもそも砲丸が名字だから家族全員砲丸頭? ブリオンライクファミリー? 謎は深まる。
 登場人物全員がぶっ飛んでると言うわけではないもののいろいろはっちゃけてる世界観。朝食に人間を食べた(と思う)一杭くんや、どことなく古代的な顔面の先生、いつも食べられる贄野くん。そんな贄野くんに向けられる「まーた食われたのかお前は!」という常習犯をいなすかのような先生の台詞。やばいシュールすぎる。「相変わらずアバラ折ってんのか」とか、少しは心配してあげてよ!

■帰ってきた!悪の組織スーパークオンタム
 銀紙先生の作品。前作があるという事なのでまとめて読んできた。怪人たちの日常4コマ。こういう裏側を描いた作品て面白いよね。
 貧乏(?)な悪の組織で、新人の怪人が色んな怪人に振り回される話。主だったストーリーはなく、小話が続いていくスタイル。女の子が可愛い。前作から読むとどういう事情があるのか良く分かる。バッタは相変わらず愛らしいしヤマネコ可愛いしペンギンもカマキリも良いキャラしてる。Dr.バグは名前は出てるけどこっちではまだ出てきてない? 見逃してるだけ? こんな怪人ばっかりじゃそりゃヒーローもあんな感じになるわ。即効捕食されたけど。あと回転寿司の店長の体格めっちゃよくて笑った。どういうソサエティなのか。
 世界を統一して笑顔で満たすというのを目標に掲げるのが悪の組織と呼ばれるから、もしかしたら結構ダークな世界なんじゃないかと思ったけど登場人物のひょうきんな性格見る限りそんなことはなさそうなのでやっぱり平和な世界。
「世の中そんな甘く無いなら 甘い世の中作っちゃえばいいのだ!」
 いいセリフです。

■チクトモ!
 ユミキチ先生の作品。これも既に読んでた。けど、全ての感想を書いているとキリがないので前例に倣って厳選分を主とした感想。
 はっきり言って大好き。大体うっちーが馬鹿やって連れ合いのキャラが振り回されるって感じなんだけど、いつも〆方がとても綺麗。厳選の中では『ジュギョウ!』は涙腺が緩んだ。こういう温かさをさりげなく挟まれると涙が止まらない。「プーさん」でピグレット以外のみんながピグレットを無視してて、その理由はナイショで誕生日の準備をするためっている話があったんだけど、そういうタイプの話に弱い。また最初から一気読みしようと思ったけどボロ泣きしそうなので今は止めておく。カオリンの胸にドキがムネムネする。うっちーみたいな人は現実にはそうそういないと思われるけど、幼少期にそんな友達がいたらどんなに楽しかっただろう。無垢な小学校時代に戻りたい。そんなセンチメンタルな気持ちにもしてくれる作品。

■dog居る
 カレー先生の作品。漫画に関してはほぼ新参者なのだけど、どうやら有名な作者さんのよう。ファンタジーアイランドは何かの折で見たことがあった。
 家族(?)が犬を飼う話。家族と言うか、先生と言ってるから研究室みたいなもの? でも一緒にご飯食べてる……謎。線が綺麗でとても読みやすい。ノリが数年前の新都社っぽい。数年前をあまり覚えてないけどそれっぽいとしか言えないからそう言うしかない。感想書くために読み返してるんだけど、なんだかどこかで見たことのある絵柄の気がしてきた。思い出せない。女の子可愛い。

■仄めき
 細胞ちゃん先生の作品。鬼の少女・うたの話。目に見えないほど小さい爺やハナとの気ままな日々を描いた4コマ。和風で良い。
 お題を募集してそのお題に沿った小話を延々と描いていくと思いきや、途中から伏線めいたものがぞくぞくと姿を現して、ついには過去編に突入。募集したお題でここまでまとまった話を描けるのはすごい。
 肝心のストーリーは平安を背景にした話? 五十狭彦と名前が出てきてうおっと思った。そこでちょっとだけ展開が予想出来てしまったのだけど、ちょっと調べればわかることなのでもしかしたら裏をかいてくるかもしれない。うたの過去に何があったか。それが現在にどのような影響をもたらしてくるのか。構成はいい感じ。
 だけど、七話の「おこった」みたいに時々雑すぎて良く分からなくなってしまうことがあるので、それが改善されれば読みごたえ出てきそう。

■まとめ
 以上8作品楽しく読ませていただきました。ありがとうございました。
 普段は知らない作品を積極的に読むことはあまりないのですが、今回読んだ作品だけでも面白いと思えるものが数多くあったのでどんどん読んでいきます。ひとまずは今回、感想を書かせていただいた作品を継続して読んでいく次第です。
 蛇足ですが、4コマって良いですね。とっつきやすくてストーリーを絡めることもできる、漫画初心者には描きやすい形式な気がします。
 だけど面白い4コマに仕立てるには綺麗な〆が必要で、それだけ作者の技量も必要とされるわけで、4コマ描くだけで1日が終わるような僕には到底上がれない土俵だと再確認しました。やっぱり漫画描きさんはすごいです。
 これからも面白い漫画をたくさん読ませてください!

 黒兎

       

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