Neetel Inside 文芸新都
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匿名で官能小説企画
あの娘ぼくが短小ち〇こ見せたらどんな顔するだろう

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 あ、ちょっと出ちゃった。

 精子を垂らしたままでこんにちは。
 ボクのことを知ってもらいたくて、お手紙書いちゃいました。喜んでくれるかなあ?

 まず結論から言うよ。
 ボクは露出が大好きです。
 露出のために、普段から身体のお手入れは欠かさないんだ。うさぎさんの形に切り抜いた桃色のスポンジにシトラスフローラルのボディウォッシュ液をたっぷりと染み込ませて、丹念に身体を洗うのです。きちんとちんこを見せ付けられるように短く切りそろえた陰毛は一本一本丁寧に、トリートメントは欠かせません。もちろんちんこは洗いません。
 ちんこは洗いません。

 生まれたままの姿に新品純白のソックス。そして何年も洗っていないお気に入りのトレンチコート。ちょっと黒ずんでいるのがダンディズム?
不本意ではあるけれど、顔は大きめのサングラスとマスク、目深にかぶった帽子で隠します。だって、ボクが見て欲しいのはボクの顔ではなく、あくまでもこの愛くるしいちんこなんですからね。

 正直なところ、普段のボクはモテモテです。いつも女子社員がボクの周りで瞳をキラキラ輝かせています。
スラリとした長身で整った顔立ち、サラサラの髪の毛に引き締まった体躯。そして何と言っても一番のチャームポイント、それはこのちんこ。
皮というコーティングをしっかり被った寒がりの恥ずかしがりやさん。人差し指と親指でそっとつまんであげるだけでビクンビクン跳ね回っちゃう敏感肌。すぐに白濁液を吐き出しちゃう泣き虫なところもたまりません。

 そう。ボクはこの自慢のちんこを見て欲しくて。日常でボクの顔に注がれる憧れやトキメキの眼差しではなく、衣を引き裂くような悲鳴を聞かせたい。ちんこに。怯えた表情を焼き付けたいんです。ボクのこのちんこに。そしてそれよりももっと望ましい表情。それは、心から蔑み嫌悪感にあふれた眼差し。絶対零度の視線を熱く切なく甘く燃えたぎるちんこに浴びせたいんです!この気持ち、わかってくれますよね?

 あの日の夜も、ボクは逸る気持ちを抑えて路上にそびえる電信柱の影にこの身を隠していました。
ボクの粗い呼吸に合わせて、コートの中のちんこもうなづくように上下運動。可愛い奴。そうこうするうちに、カツカツとヒールを路面に叩きつける音がボクの耳にフェイドイン。女性に違いありません。ああ、まだ見ぬ彼女はボクのちんこを目の当たりにしてどんな反応を見せてくれるのだろう。

 あの娘ボクが短小ちんこ見せたらどんな顔するだろう。

 ウニのようにイガ栗のようにぼくのちんこを中心に生えた導火線に火が着きました。彼女の影を視界に捕えるや否やアズスンアズ、コートをおっぴろげて飛び出しました。バッタのように。トビウオのように。そう、その刹那のボクはまさにピョンピョン跳ねるうさぎさん!
 さあ見て!ボクのこのぷるぷるした肉棒を!棒と呼ぶにはいささか小ぶりではあるけれど!さあ愛でて!舐めて!ねぶって!甘噛みして!ほらほらほらさあはやくほらああああああああああ!!!!

 だけどボクはシャイだから口には出せずに股間を突き出すしかできなかった。よだれでぐっしょり濡れそぼったマスクの下では頬が真っ赤に染まっていたのが自分でもわかったよ。
 彼女はどんな顔をしていたと思う?顔を伏せていた?恐怖に凍り付いていた?侮蔑に満ちた冷酷な目線を送りつけてきた?それとも真顔だった?
 そのどれも違っていた。ボクの眼前にいたのは、ボクと鏡合わせのように同じポージングで身体を固まらせた露出狂だった。
 ストーンと起伏のないまっすぐな胸元にうっすらあばらが浮いた白い肌。股間のボウボウジャングルで判別は難しいが、骨格が華奢なところを見るにこれは女性であると思われる。ということはつまり?


 痴女だあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!?


 ボクの悲鳴が風に乗り、夜の街を駆け抜けて行った。
 女はボクの有り余る声量に貫かれたらしく、稲妻でもあびたかのような痙攣を起こしてその場に倒れてしまった。ボクは紳士だから倒れた人を見捨てたりはしないよ。たとえそれが体型の残念な痴女だとしてもね。
 花道のように灯される家々の明かり。ボクを迎えに来た艶めかしい赤色灯。逆光を背にした刑事がボクを荒っぽくエスコート。
 ジ・エンドってわけ。

 これでボクのこと、少しはわかってもらえたかな?
 それでは裁判ではよろしくね!

                                  地場 マモル




     ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆





 「以上で地場被告による嘆願書を終わります、裁判長」

 よどみなく凛とした声で全てを読み終えた弁護士は、呆けて動けずにいる裁判長をまっすぐに見やった。
 裁判所は異様なほどに静まり返っている。
 被告席の端正な顔立ちした青年が、満足げに穏やかな微笑を浮かべていた。





       

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